整形外科手術 名人のknow-how
舟状骨骨折偽関節に対する鏡視下手術
坪川 直人
1
Naoto TSUBOKAWA
1
1一般財団法人 新潟手の外科研究所,新潟手の外科研究所病院
pp.2-7
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002413
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Filanら1)は受傷後6週以上経過した舟状骨骨折症例を偽関節と定義している。D1:変形のないfibrous union,D2:変形の少ないpseudarthrosis,D3:変形の強いsclerotic pseudarthrosis,D4:近位骨片の分節化を認めるavascular necrosisに分類している。D1,D2の偽関節では,囊腫状の変化のみであれば骨移植を行わなくても強固な内固定を行うだけで骨癒合が得られるとの報告もある2)。偽関節部を展開・掻爬し腸骨移植を行う手術方法が一般的である。舟状骨近位部骨折例や血行不良例では橈骨や第2中手骨からの血管柄付き骨移植が適応とされている3)が,血管柄付き骨移植も手関節への侵襲は小さいとはいえない。このため,手関節への侵襲を軽減し確実な骨癒合,骨癒合期間の短縮を目的に,2007年より鏡視下腸骨移植4)を考案し行っている。偽関節部の血行を障害せず,術後疼痛も少ない最小侵襲手術である。その適応,手術方法を紹介する。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.