臨床婦人科産科 56巻6号 (2002年6月)

今月の臨床 多胎妊娠管理—レベルアップのために

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はじめに

 自然排卵による多胎出産率はHellinの式によると89n−1回に1回(nは胎児数)で表される.わが国ではこれよりやや低頻度で,双胎はおよそ150妊娠に1回,品胎は22,500回に1回とされている.

 しかし1960年代の後半には排卵誘発剤が導入され,また1980年代後半から体外受精—胚移植を中心とする生殖補助医療の普及により,多胎妊娠,特に3胎以上の多胎妊娠が急激に増加し,周産期医療に対して大きな負担をかけている1)

新生児の合併症と治療 川瀬 泰浩
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はじめに

 双胎間輸血症候群(twin-to-twin transfusionsyndrome:TTTS)は一絨毛膜二羊膜性双胎にみられる特有な病態で,古典的には胎盤表面における血管吻合を通して一方の児から他方の児へ血液が移行することによって生じ,供血児に貧血,IUGR,受血児に多血症,心不全をきたす症候群とされ,さらにRausenら1)により出生児間でのヘモグロビン濃度差が5g/dl以上と定義されてきた.その後,必ずしもヘモグロビン濃度差が存在しない症例も報告され,超音波診断技術の進歩などにより出生前診断基準としてさまざまな定義が用いられてきたが,現在では病態を考える意味で大きく急性型と慢性型の2つに分けて考えるのが一般的である.すなわち,分娩直前の急激な血行動態の変化によりヘモグロビン濃度差が5g/dl以上となる急性型と,ヘモグロビン濃度差は存在しないが,胎内で羊水過多,過少となり供血児,受血児にさまざまな特徴的な病態を呈する慢性型である.

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はじめに

 本特集の他稿でも指摘されているだろうが,多胎の増加はARTの普及によるところが大きい.このことは不妊カップルに限りない恩恵をもたらしはしたが,一方で不妊治療の負の影響をも産み出していることは否めない.多胎出産は単に新生児が複数同時に出生することだけではなく,低出生体重児あるいは臓器不全を伴ったNICU管理を必要とするハイリスク新生児が出生する可能性が極めて高いことを意味する.また,出生後の高い後遺症率だけではなく虐待を含めた児の予後を巡る種々の問題,さらには家族への影響,経済的負担などの社会的問題を多胎児育児は内在していることから,NICUに従事する医療者は単胎とは異なった社会的支援を含めた柔軟な対応を余儀なくされる.このことから,多胎妊娠の周産期管理増加は新生児医療に強烈なインパクトを与えているといえる.

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はじめに

 近年,医療技術の発展に伴い,本邦の多胎の出生数は増加し続けている1).さらに,単胎にくらべ死亡率,罹病率ともに高い2).このことは多胎児が単胎児にくらべ早産率が高く,呼吸窮迫症候群(RDS),壊死性腸炎(NEC),未熟児網膜症の発生頻度が高いことなどと関連している.また,新生児仮死や先天奇形の頻度も高い.長期予後としては,脳性麻痺や精神発達遅滞の症例中に双胎の頻度が高いことも知られている3,4).育児面からみても,一度に二人以上の子どもを育てる困難性は,育児援助者が限られた現代社会において,最も極端な場合は子ども虐待という重大な問題となりうる.ここでは多胎児にみられる合併症とそのケア,多胎児の育児上の問題点を中心に述べる.

多胎妊娠管理の実際

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はじめに

 多胎妊娠においては,卵性あるいは膜性の違いによって周産期予後が明らかに異なる.児の形態異常の頻度あるいは周産期死亡率は,一卵性双胎が二卵性双胎に比べてきわめて高いこと1),さらに一絨毛膜性双胎においては,双胎間輸血症候群などの多彩でかつ重篤な胎児異常や産科的合併症が高率に発生すること2)がわかっている.したがって,多胎妊娠の初期管理では,多胎妊娠を確実に診断し,さらに卵性あるいは膜性を正しく診断することが必須である.

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はじめに

 近年,生殖医療の進歩により多胎妊娠が増加している1).IVF-ET時の移植胚数の制限により,四胎以上の症例は減少してきているものの,双胎,品胎の症例数は増加している1).多胎妊娠の管理上の問題点は,早産および子宮内胎児発育遅延の防止に集約される.単胎においても指摘されている絨毛羊膜炎などの主要な早産原因の他に,子宮の急激な増大や子宮内圧の上昇,胎盤間の血管吻合などの多胎妊娠の特殊性が早産や子宮内胎児発育遅延の要因となる.したがって,多胎妊娠の管理上の要点は,一般に指摘されている早産,子宮内胎児発育不全に対する管理・対処法に,多胎妊娠に特有の問題点も加味して管理・対処していくことが必要である.以下,具体的な管理法について述べて行く.

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はじめに

 多胎妊娠を管理して行くうえで,超音波による胎児発育計測および胎児well-beingのモニターは欠かすことができない.大切なことは,一側胎児に異常な検査結果が得られた時に,他側胎児もその未熟性によってすべての児を失わないように注意することである.単に双胎妊娠を単胎胎児2人と考えるのではなく,母体および胎児のハイリスク妊娠というその特異性に注意を払う必要がある.胎児超音波では,妊娠初期に膜性診断を行っておくことは,後の胎児管理のうえで特に重要となる.超音波はそのほか,胎児奇形(双胎胎児で単胎のおよそ2〜3倍),結合体,無心無頭体,胎児死亡,子宮内胎児発育遅延,双胎間輸血症候群,頸管長による早産予測など,その使用は多岐にわたる.

 本稿では,双胎妊娠を中心とした胎児の発育と胎児well-beingのモニターについて述べていくこととする.

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はじめに

 自然妊娠の場合,多胎出現の頻度は80n−1回の分娩に1回(Hellinの概算式)程度である.しかし最近では排卵誘発剤使用・体外受精など生殖医学の進歩により増加している.本稿では多胎の中でも頻度の高い双胎妊娠について胎盤・臍帯・羊水の異常と対応について説明する.

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はじめに

 双胎児は単胎児に比べ,周産期死亡率,罹病率ともに高いことは周知の通りであるが,それら胎児の予後に深くかかわる要因の一つに,分娩様式の選択がある.本稿では,双胎の分娩方針(分娩様式)として,経腔分娩を選択する場合に考えなければならない点について過去のデータ,文献などをもとに考察するとともに,現在の当科における双胎経腔分娩trialの選定基準とその実際についてもふれてみたい.

双胎間輸血症候群の診断と管理

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双胎の胎盤の観察法1)

 双胎の胎盤による卵性診断について述べる.双胎は,胎児の性別が異なればまず二卵性である.この点に関して.唯一の例外は胎児の性染色体異常症である.極めて稀な状態であるが,一卵性双胎で,1個の接合子の双生児化の時期と並行して(あるいはその後)不分離が生じたため,一方の染色体のY染色体が障害を受け,46,XY(男児)と45,XO(女児,Turner症侯群)という例外が発生する.当科で1例にのみこのような例を経験している2).性が同じである場合は胎盤の数を見る.胎盤が2個の場合は分離二絨毛二羊膜である.次いで,胎盤が1つの場合は隔壁があるかないか(羊水腔は1つか2つか?)をみる.隔壁がなければ一絨毛一羊膜胎盤である.隔壁があるときに,これと羊水腔表面の羊膜・絨毛膜との関係を見る.一絨毛二羊膜のときは隔壁は2枚の羊膜のみからなるので非常に薄い.二絨毛二羊膜のときは羊膜の間に結合織が見られるので通常厚い.この鑑別は,肉眼的に簡単にわかるものが大部分であるが.このような胎盤の約10個のうち,1〜2個は難しくて間違いやすい.二絨毛二羊膜胎盤で隔壁の結合織がわずかな場合は,注意深く見ないと一絨毛二羊膜胎盤と見間違う.このような例は,隔壁の組織検査も併用するとよい.

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はじめに

 一絨毛膜性双胎では,そのほとんどに胎盤の血管吻合が観察される.しかし,そのうちで,双胎間輸血症候群(twin-to-twin transfusion syn—drome:TTTS)を呈するのは,およそ15%といわれている.TTTSにおける吻合血管の血流評価に関してはいまだ諸説があり,不明の点も多いが,最近の報告を中心にまとめてみたい.

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はじめに

 双胎間輸血症候群(twin-to-twin transfusionsyndrome:以下,TTTS)に代表される一絨毛膜性二羊膜性(以下,MD)双胎児間における循環不均衡は古くから知られており1),今なおMD双胎における重篤な合併症として恐れられている.しかし,その定義については種々の報告がある2)もののいまだ曖昧なところがある.また,胎盤において血管吻合がみられる時には,多かれ少かれ血液の移動があると推察されるが.超音波検査を中心とする新しい評価方法の導入に伴い,このような循環不均衡を検出することが可能になった.したがって,本症の概念についても,拡大されていく傾向があると考えられる.本疾患の本質としては,多血児における心負荷と貧血児の発育遅延があげられるが,これらについては超音波ドプラ法による血流評価が有用である3)ことから,別項に述べられる静脈系を含めた報告が多数行われている.

 本稿では,一絨毛膜性双胎における動脈血流所見について紹介するとともに,その臨床応用における注意点について解説する.

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正常胎児静脈系の解剖と機能(図1)

1.体循環のvenous return

 正常心構築例では,右前方に位置する右心房に上大静脈および下大静脈が接続する.

 上大静脈は上肢および頭部からの血液が通過する.下大静脈は体壁を除く横隔膜以下からの血液が通過する.下大静脈からの血流は,主として卵円孔経由で左心房へ至り左房室弁(僧帽弁)を通過し,左室から大動脈へ駆出される,左心房へは肺静脈も還流しているので,右心房および左心房で血液がmixingされていることになる.

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はじめに

 羊水は胎児の尿や肺胞液などに由来し,胎児の肺,消化管の発達などに重要な役割を有するなど,子宮内の胎児の発育や成熟にとって不可欠な要素である.同時に,羊水量は胎児の状態を反映すると考えられており,羊水量の異常は胎児の異常,状態の悪化と密接に関連するため,その適切な診断と管理が必要である.双胎間輸血症候群では,受血児の羊水過多は重要な所見であり,時には初発症状として児のdiscordant growthに先行することがあるため,一絨毛膜性双胎では羊水量の注意深い観察が必要である.本稿では,羊水量の診断と,羊水の多くを占める胎児尿の産生量の評価について述べる.

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はじめに

 双胎間輸血症候群(twin-to-twin transfusionsyndrome:TTTS)は,一絨毛膜性双胎の約15〜35%に発症する予後不良な疾患で,その周産期死亡率は70〜80%とされている1).一絨毛膜性双胎では常に胎盤上の血管吻合が存在し,何らかの理由により双胎間の血流量のアンバランスが生じることでTTTSを発症する.双胎の受血児は多血,多尿,羊水過多,心不全を呈し,供血児は貧血,乏尿,羊水過少を呈し,重症例ではいわゆる“stuck twin”の状態となる2).無治療例では,受血児において急速に進行する羊水過多とそれに伴う前期破水・流早産が発生したり,心不全に伴う子宮内胎児死亡が発生するため予後不良となっている2).TTTSの胎内治療法でコンセンサスが得られた方法はないが,胎盤血管レーザー凝固術法は,1990年のDe Liaら3)の報告以降10年以上を経て海外において相当数の治療症例を積み重ね,一定の評価を得てきている2).そこで本稿では現時点でのTTTSの胎内治療法とその成績について,最近のデータを基に概説する.

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はじめに

 双胎間輸血症候群(twin-to-twin transfusionsyndrome:TTTS/feto-fetal transfusion syn—drome)は一絨毛膜性双胎の10〜15%に起こるとされる1).娩出された一絨毛膜性双胎の胎盤の検討では95〜100%に血管吻合が認められ2),一絨毛膜性双胎のほとんどで二児が一つの胎盤を共有している.また,胎盤に存在する吻合血管では血流が存在しているが,各方向の血流量が等量であるため相殺され均衡を保っている.しかし何らかの原因で胎盤吻合血管において血流量が一方に偏り,シャント血流量の不均衡が生じると双胎間輸血症候群が発症すると考えられる.

 双胎間輸血症候群はBlicksteinの提唱した診断基準3)が最もよく知られているが,ヘモグロビン差>5g/dlや体重差>15%にあてはまらない症例が多く存在する4).最近では実際の臨床に即した血流動態の変化を基本としたtwin oligohy—dramnios-polyhydramnios sequence(TOPS)と称される供血児の羊水過少と受血児の羊水過多,つまり循環血漿量減少と循環血漿量増大として理解されている.

連載 カラーグラフ

知っていると役立つ婦人科病理・36

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症例:80歳,女性

 外陰部掻痒感を主訴に来院.外陰部に8.5×4.5cm大の白色斑が認められた.Fig 1(弱拡大)およびFig 2,3(強拡大)は切除検体の組織像(HE染色)である.

 1.表皮内にみられる病変の診断名は何か.

連載 病院めぐり

岡山済生会総合病院 岸本 廉夫
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 恩賜財団岡山県済生会は「済生・救療」の精神を基本とし,昭和13年に診療所として岡山市(JR岡山駅より徒歩5分)に開設され,「すべての人が医療を受けられるように」との理念持って,地域医療に密着した信頼される医療を行ってきましたが,さらに昭和32年には総合病院としてスタートして40年余となります.現在,18診療科,568床で運営されています.新築工事も平成10年2月に竣工し,屋上にヘリポートを有する岡山の中核病院として機能しており,平成12年には日本医療機能評価機構の認定病院にもなりました.さらにエイズ治療拠点病院,災害拠点病院,臨床研修病院など多くの指定を受けています.

 現在,産婦人科は35床,5名の常勤医で運営されており,スタッフはすべて岡山大学医学部産婦人科学教室からの派遣です.年間手術件数は約330件,分娩数は400例あまりですが,産科,婦人科ともバランスのとれた診療を行っています.また,医療の質の向上をはかるべくクリニカルパスを積極的に導入しています.

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 国立病院長崎医療センターは,昭和17年に佐世保海軍病院大村病舎として創設され,昭和20年に厚生省移管国立大村病院として発足しました.その後,昭和50年に国立長崎中央病院と名称を変更し,さらに平成13年9月に新病棟開院とともに名称も変更され国立病院長崎医療センターとなりました.

 当病院は,長崎県のほぼ中央部に広がる大村市の海岸に面した高台に位置し,長崎空港,九州横断自動車道の大村インターとも接し,長崎,島原への交通の要所に位置します.診療圏は,長崎県の県央部および多くの離島・僻地.佐賀県西部と広い地域をカバーしています.そして地域の消防隊および自衛隊と協力し救急患者搬送を積極的に受け入れ,長崎県の救急医療の中心となっています.夜間・休日は,内科系2名,外科系2名,救命救急室当直医1名,研修医2名の計7名の医師当直体制をとり,さらに各科独自に待機体制が確立しており,当直医と連携して救急医療に従事しています.現在,全病床数は650床で,25の診療科を標榜し,救急医療のみならず,高度先進医療を提供するように努めています.

連載 最新の手術器械を使いこなす・2

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はじめに

 手術は,「切る」,「はさむ」,「剥離する」,「結紮する」,「縫合する」,「止血する」の6つの基本的操作から成り立っており,いかなる複雑な手術であっても,結局,基本的にはこれらの基本手技の組み合わせで行われる.腹腔鏡下手術では,これらの基本的な手技の中で,結紮,縫合,止血の3者は,開腹手術に比べると困難で時間を要する手技である.特に止血に関しては,従来から出血させない手術と迅速な止血が望まれ,そのためにさまざまな止血法が実施されてきた.焼灼による止血,結紮による止血,クリップによる止血,電気メスによる凝固止血,レーザーによる止血,マイクロウェーブによる凝固止血,種々の止血剤による止血などが従来から用いられてきたが,腹腔鏡下手術ではクリップや電気メスが多用されてきた.

 本稿で取り上げる超音波凝固切開装置(ハーモニックスカルペル:ジョンソン・エンド・ジョンソン社:以下,HS)は,これまでの手術の概念を大きく覆すもので,軟組織の凝固と切開を同時にかつ低温で行うことができ,周辺組織への損傷が他のエネルギー形態を使用した手術装置よりも少ないことが特徴である.本稿ではHSの構造や基本原理から実際の使用までを解説する.

連載 OBSTETRIC NEWS

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 2001年の米国産婦人科学会臨床大会(ACOGACM 2001,シカゴ)のscientific sessionの1つで胎児心拍数モニタリングの過去,現在,未来が取り上げられた(Quilligan,Freeman & Garite).将来の問題を担当したGariteは,胎児酸素飽和度モニターの有用性を解説した.胎児酸素飽和度モニターはnonreassuring FHRパターンのための帝王切開率を減少させる上で有用であるという結論であった.

 しかし,ACOG(ACOG産科医療委員会)は最近,胎児酸素飽和度モニター採用に関する慎重な見解を以下のように示している.

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 分娩出産の合併症にはどのようなものがあるだろうか?米国の場合を最近の産婦人科新聞からご紹介したい.以下,米国の場合である.

 なお,言葉の問題であるが,英米では分娩は陣痛(labor)と娩出(delivery)とに分けられる.日本語では分娩遷延という時の分娩はlaborであろうし,分娩外傷という時の分娩はdeliveryとなる.

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 桂枝茯苓丸は,元来は生薬を煎じることなく服用するものであった.今回,原典に即してエキス化せずに生薬粉末を用いて錠剤化した「TK−061」と,既存のエキス製剤である「テイコク桂枝茯苓丸料エキス顆粒(TKK−25)」との臨床的同等性の検証試験を実施した.対象疾患は更年期障害とし,簡略更年期指数(SMI)の改善度を指標として有効性の検証を行った結果,TK−061群の有効率は58.8%で,TKK−25群の51.0%よりも高く,TK−061は原料生薬量が少ないにもかかわらず,TKK−25に対して同等以上の有効性を有することが検証された.重篤な有害事象の発現はなく,有害事象および副作用の発現率については両群間で有意差は認められなかった.また,概括安全度の解析結果からも,両薬剤の安全性はほぼ同等であることが明らかとなった.

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 悪性腫瘍の診療で,リンパ節転移の有無は術式の決定,術後の治療法,予後推定に大きな影響を及ぼす.悪性腫瘍におけるリンパ節転移は各臓器において予後因子となることに,現時点で異論はないと思われる.リンパ節切除・郭清が予後を改善するか否かはいまだ議論の最中で確証が得られていないにもかかわらず,リンパ節郭清術が根治手術の一環として行われている.「系統的リンパ節郭清術は診断的,予防的,それとも治療的?」といった疑問について,EBMの観点からprospective randomized trialの報告を中心に,他領域のリンパ節郭清術の成績を含めて検証を行う.

基本情報

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臨床婦人科産科
56巻6号 (2002年6月)
電子版ISSN:1882-1294 印刷版ISSN:0386-9865 医学書院

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