今月の臨床 多胎妊娠管理—レベルアップのために
双胎間輸血症候群の診断と管理
5.羊水量と尿産生量の評価
坂巻 健
1
,
菊池 昭彦
1
1東京大学医学部産婦人科
pp.758-761
発行日 2002年6月10日
Published Date 2002/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904659
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
羊水は胎児の尿や肺胞液などに由来し,胎児の肺,消化管の発達などに重要な役割を有するなど,子宮内の胎児の発育や成熟にとって不可欠な要素である.同時に,羊水量は胎児の状態を反映すると考えられており,羊水量の異常は胎児の異常,状態の悪化と密接に関連するため,その適切な診断と管理が必要である.双胎間輸血症候群では,受血児の羊水過多は重要な所見であり,時には初発症状として児のdiscordant growthに先行することがあるため,一絨毛膜性双胎では羊水量の注意深い観察が必要である.本稿では,羊水量の診断と,羊水の多くを占める胎児尿の産生量の評価について述べる.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.