総合リハビリテーション 12巻1号 (1984年1月)

特集 社会復帰の実態

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はじめに

 今回の社会復帰の特集を組むに当って,社会復帰とは一体何なのか,その持つ意味などについて考える必要もあるのではないかということになった.

 そこで,ここでは社会復帰とは障害者にとって,またリハビリテーションの関係者にとって一体何なのか,わが国における社会復帰への体制はどのようになっているのかなどについて検討を加えたい.

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Ⅰ.はじめに

―脳性麻痺の療育とIL運動―

 重い障害をもつ脳性麻痺(以下CPという)児・者の地域社会への統合は,まことに古く,かつ新しい命題といえる.

 それは,今から60年も前の1925年(大14)に故高木憲次博士が“脳性小児マヒには脳性治療を”という独自の構想のもとに「高木の脳性小児マヒ治療体系」を打出された時代からの療育上の命題であり,同時に,1962年にリハビリテーションの先進国アメリカで提起され,近年わが国でも大きな問題としてとりあげられているIL(Independent Living)運動に象徴される重度障害児・者自身に課せられた命題だからである.

 前者は「療育の理念」(高木)に基づいて「時代の科学を総動員」して進める全人的・全児童的トータル・アプローチの中で,また,後者は地域社会において障害者自身が主体性をもって積極的にmainstreamしようとする活動の中で,それぞれに意図された終局的なゴールを意味していいといってよい.

 国際障害者年(IYDP)の前年,1980年の6月,私は米国カリフォルニア州サンフランシスコの衛生都市バークレーにある自立活動センター(Center for Independent Living,CIL)を訪れる機会を得た1).自身が車椅子の重度障害者であるフィル・ドレーバー所長の案内で,この町の中で展開されている実際のIL活動を目のあたりにして,重度障害者同志の中にみなぎる社会自立への心意気とその活動エネルギー,そして淡々として支援する市民の姿勢に深い感銘を受けた.そしてこの時,私の脳裏をよぎったのは,これまで私たちが手がけてきた重度CP児・者が社会自立をねがいながらも現実の地域社会の中でさまざまな障壁にぶつかりつつあえいでいる苦衷に満ちた姿であり,これからの療育を進めていく上でのさまざまな反省の機会となった.

 そもそもこのIL運動は,障害者みずからがこれまでの依存的な生活から脱却し,社会の一員として主体的・自主的な生活を営んでいこうとする障害者の人権運動,市民権運動の性格をもつもので,脱医療・セルフケア,脱施設という一見,過激的な権利闘争と捉えられている面も少なくない2).しかし,私自身は,重度障害者が自分の障害を乗り超えて,自らの手で社会自立の道を歩もうとする自律的な努力は大いに評価すべきであり,また,それを周囲がよく理解し積極的に援助していく活動に共感をもつ.

 ここではIL運動について特に詳しくは触れないが,これらの活動のゴールが終極的には私たちのプログラムと共通しているものと理解する.以下,30年近く肢体不自由児療育事業に専念してきた立場から児の側からみた「CPの社会復帰」について2~3の問題を述べていくことにする.

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はじめに

 わが国の脊髄損傷リハビリテーションの発展に貢献されたGuttmann卿が英国国立脊損センターにおいて,早期収容早期リハビリテーションを行い,早期社会復帰を実現し,しかもその最終目標を有給就職においたことは衆知のことである.

 Guttmann1)(1973)は1963年(昭38)の3000例の就職状況,生活状況の統計を示した(表1).

 表1の就職可能者2012例の頸髄損傷291例の統計は表2の通りである.

 これらの統計から著者が推計した社会復帰率82.2%,就業率68.6%であり,20年前に既にこのような実績があったのである.

 表2からは表1の内容分析が困難なので正確な頸髄損傷のみの就業率は出し得なかった.

 Guttmannの示したこれらの統計は,我々が脊髄損傷者の社会復帰の目標として来たものであった.しかしその後20年間に,世界的な不況,オイルショック,失業者の増加,なかんずく社会復帰困難な頸髄損傷者の急激な増加など,世界共通の社会復帰を阻害する要因が重なり,英国においてもその実態が変化しつつあると思われる.1978年(昭53)Richards2)は1970~1975年の5年間に英国国立脊損センターで取扱った280例の頸髄損傷四肢麻痺の追跡調査を行った.84例(30%)は社会復帰不能で,このうち26例は関連病院に移りそこで7例が死亡し,その後19例が療護施設に移った.

 結局280例中65例が療護施設で長期保護をうけたがこの5年間に17例が死亡し,10例が社会復帰できたが,尚38例は施設に留まっていた.施設の受入れが完備している英国でさえこのような実態であった.また65例の施設入所の理由は,家族が同居を望まない38例,離婚11例,住宅がない10例,家族がない5例,本人の希望1例であり,この事実は将来のわが国の施策に多くの示唆を与えるものと考えられるものである.

 欧米各国の脊損者の社会復帰の状況は正確には把握し難いのであるが,1980年ノルウェーのMcAdams3)らの報告があるので表3にてお示しする.これによると就業困難な四肢麻痺者を含まない場合や,含めてもその率が明らかでないこと,調査の時期に前後15年の差があること,またポリオや不全損傷を含む場合など調査対象も一定でなく,フルタイムワークの率のみが示されているのみであり,すべての就労状況を示すものとはいえないが,各国の傾向は知ることが出来ると考えるのである.

 このように就業といってもパートタイムや在宅作業も著者は就業と考えたいと思うので就業率の判断も困難なことが多い.

 我々が脊髄損傷者の社会復帰を調査する場合当惑するのは,リハビリテーション関連法規の中に社会復帰の明確な定義が見当たらないことである.世界的な障害の重度化重複化,老齢者の増加などで,社会復帰や自立に対する考え方が,この20年間で大きく転換し,かつての税金の消費者を納税者にという米国式の発想はうすれつつあり,とくに1962年に起ったIL運動は自立に対する社会の考え方を大きく変えつつあると考えるのである.

 欧米の社会復帰がreturn to community又はsocietyであるから,社会通念では家庭は社会の中に含まれるので,家庭復帰し,たとえここで家族の濃厚な介助をうけつつ生活していても,著者は明らかな社会復帰と考えたい.しかし施設収容の場合,療護施設や特別養護老人ホームでは病院と同様に人的介助が必要であり,何ら生活活動はないので,家庭復帰者と同じく社会復帰と考えることは現時点ではまだむつかしいと考えられるのである.

 わが国の脊髄損傷者の社会復帰を推察する最も新しい手がかりとなるものは,昭和55年厚生省の身体障害者実態調査報告24)である.昭和45年以来10年ぶりに行われた18歳以上の在宅者の抽出調査であるが,入院者施設入所者は除外されているので文字通り家庭復帰者の実態調査である.昭和45年に30000人であった在宅脊髄損傷者の数が66000人と10年間で2.2倍となっている.しかし著者には重度身体障害者収容授産施設入所者や労災リハビリテーション作業所入所者,さらに身体障害者福祉工場雇用者で在宅でない人々などは含まれていないと考えられるので,66000人が真の社会復帰者の数ではないと考えている.また残念なことには脊髄損傷者の介助の程度などには,かなりくわしい調査がなされているにもかかわらず,就業状況や収入については全身体障害者として一括されているため実態は明らかでない.全国一般の就業率は62.0%であり,全身体障害者では32.3%,このうち肢体不自由者のみでは35.7%であり,この率が脊髄損傷者を含む就業率と判断されるのである.

 このように脊髄損傷者の全国調査は厚生省によっても真の実態を示すことは困難なものである.

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はじめに

 脳卒中後片麻痺患者の社会復帰に際しては,患者側に関しては,歩行能力の回復,日常生活動作(ADL)の自立,言語能力の回復,精神機能の正常化等が重視され,一方,受け入れ側としては,家族の理解と協力,復職に際しては雇用者側の理解と協力が必要であることは論をまたないところであるが,脳卒中後片麻痺患者が退院後実際に社会の中でどのような状態にあるかは,リハビリテーションに携わる者にとっての重大な関心事である.われわれは七沢病院開設後ただちに,リハビリテーション(以下リハと略す)医療をうけて退院した脳卒中後片麻痺患者の追跡調査を開始し,その結果に関して数回にわたって発表してきたが1~4),今回は退院後10年間にわたる追跡調査の結果を報告する.

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はじめに

 本年の第28回日本リウマチ学会(会長,東京女子医科大学 御巫清允教授)では,初めての試みとして「リウマチ性疾患に対するプライマリ・ケアからサルベージまで」と題したシンポジウムが行われる予定となった.

 このシンポジウムが,画期的なものとして成功裡に終始する事を期待すると同時に,現在混屯とした状況にある慢性関節リウマチ(以下RAと略す)患者を治療する体制が,整然となるための1つの基礎となる事を期待したい.

 折しも日本リウマチ学会では,標榜化促進委員会が設置され,リウマチ科標榜の実現へ向かって,積極的な活動が展開されている.

 本稿では,各科領域にまたがる数多くのリウマチ性疾患を扱う学問としての「リウマチ学」の独立性について述べ,それらの患者を受け入れる窓口としての「リウマチ科」の標榜がなぜ具体化されねばならないのかその理由について述べ,システム論的な視点より,RA患者の治療のあり方についてふれてみたい.

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 今回まったく予期せぬことに国際リハビリテーション協会(Rehabilitation International,R.I. )のナショナル・セクレタリーをお引受けすることとなった.これは故小池文英先生が15年近くの長期間立派につとめられた重要なポストであり,いわば日本のリハビリテーション界の,外の世界に向けられた「顔」である.小池先生は戦後のGHQとの接衝からはじまって30数年に及ぶ海外の各層の人々との広い交友関係をもっておられたので,正に「日本の顔」にふさわしい活動をして下さった.何よりもあの温厚なお人柄と,しかし云うべきことはあくまでも諄々と説いてやまない.あの信州人らしい一面とが世界のリハビリテーション界の人々の信望を集めたのである.

 そのように偉大な先輩の後を継ぐには実は私ははなはだ不適任である.リハビリテーション医学の世界でこそ多少の海外の知人もいないことはないが,それは欧米に限られ,アジアのほとんどの国やオセアニア,中南米,アフリカには行ったこともない.そもそもR.I. 自体についても,東京とソウルの2回のアジア・太平洋地域会議には出席したことがあるが,世界大会にはまだ出席したことがないような状態である.またR.I. ということになれば,医学だけではない.教育・職業・社会というリハビリテーションの全分野にわたるものであり,むしろ最近では医学以外の分野の方が活発なようにさえ思われる.お仕事がら国内でも非常に幅の広い活動をしておられた小池先生ならばともかく,大学という狭い場所でしかやっていない私のようなものにはとても力に余ることであり,そのように申上げてはじめは辞退したのであった.しかし小池先生の残されたギャップは余りに大きいので,多くの人間が分担してそれを埋める他はないと説得され,やむを得ずお引受けすることにした次第である.この上はいろいろと勉強して小池先生の何分の一かでも仕事をしたいものと考えている.リハビリテーションの各分野の方々の御指導・御協力を心からお願いしたい.

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まえがき

 片麻痺患者に伴う腰痛・坐骨神経痛は日常的によく経験され,リハビリ訓練の阻害因子となるがその報告は少ない.

 今回,その原因疾患・麻痺側と疼痛側との関係等につき興味ある知見を得たので報告する.

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はじめに

 脳血管障害後片麻痺者では高い頻度で肩関節の障害が発生する.それらは,肩関節の疼痛,運動制限,亜脱臼,あるいは肩手症候群等として現れ,強い疼痛は患者を悩ませるだけでなく,時には上肢機能の予後を支配する重要な因子となることも少なくない.これらの肩関節障害の発生機序,病態,治療方法等については既に多くの研究が発表されてきているが,今なお未解決の部分が多く残されている.

 肩関節造影法は古くから肩関節疾患の臨床に用いられてきているが,片麻痺の肩についても,その形態学的変化を知る目的で既に何人かの研究者等によって実施され,その結果が発表されてきており,滑液包・粘液包の癒着性変化,腱板損傷,造影剤吸収の遅延等が指摘されている1~6)

 しかしながら,一般に成人肩関節においては臨床症状の有無にかかわらず,造影上の変化が少なからず観察されるものと考えられており,既に報告されている片麻痺肩における造影上の異常所見が片麻痺そのものとどのような関係があるのかについては確認されていない部分が多い.そこでわれわれは,片麻痺自身が肩関節造影像に及ぼす影響を知る目的で,片麻痺患者の両側肩関節について造影術を行い,麻痺側・非麻痺側における所見の比較検討を試みた.

紹介

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はじめに

 筆者は慢性関節リウマチ(RA)の日常生活動作(ADL)を,188名の患者に対して,昭和54年9月の厚生省の神経筋疾患リハビリテーション調査研究班が作製した,ADLテスト表を使用して調査したところ,RA患者のうち最も障害が強いのは,「タオルをしぼる」動作であることが判明している.

 そこでタオルをしぼるのに必要な手指のねじり力を計測するために,ねじり力計を試作し,RA患者のねじり力を調査し,RAの活動性の評価として通常用いられている握力と比較検討した.

講座 運動療法とその背景(1)

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はじめに

 運動療法は疾病または外傷によって生じた障害を運動そのものを主な治療手段として活用するものであり,リハビリテーション医学においての中核的な治療法である.

 この運動療法は古い歴史を有するが,それは1940年代に起った早期離床,早期歩行の運動により開化され,不必要であり,場合によっては無意味な過度の安静よりも,適当な運動が重要であるという認識が深まり,発展してきた1)

 これは記すまでもなく,解剖学,生理学,運動学,病理学,臨床医学ならびに障害学などの科学が基礎となり,医学的に管理されて行われるものである.

 これは,全身的または局所的の障害の改善を計るものである.要約すれば,広義の残存機能の強化,維持と二次的に発生する障害(合併症)の予防と治療である.近年,その適応も,単に狭義の運動器の障害のみでなく,心疾患,呼吸器疾患などの補助的療法としても活用され,拡大されつつある.また,バイオフイードバック(biofeed back)療法など多くの新しい考え方も導入され,今後,ますます,発展が期待される分野である2,3)

 しかし,ともすれば,局所的な視野に偏在したものに主眼がおかれる傾向にあり,リハビリテーション医学の基本的理念である全人間的回復という広い視野にたちかえる必要性を,日頃,痛感しているので,この面を中心に,私共の教室において,現在までに,検討し得た資料の一部をまじえ,ふりかえってみることとする.

講座 リハビリテーション医のための人類遺伝学―遺伝性骨・軟部系統疾患―

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 整形外科やリハビリテーションの領域で接する遺伝性疾患は,まことに枚挙の遑がない.おそらく,眼科領域と,整形外科,リハビリテーション科領域とは,遺伝性疾患の宝庫であるといっても過言ではないであろう.しかし,その多くのものは,適切の予防法も治療法も確立されてなく,またあるものは致死性ですらあり,臨床的アプローチの道も遠い.

 しかし,最近の臨床遺伝学の進歩はわれわれに多くの光明を与えてくれた.遺伝学の道はまことに地味であり,かつまことに険しい.

 今後5年,10年の歳月が過ぎてもそれほど目にみえるような進歩はみられないかもしれない.

1.総論 土屋 弘吉
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はじめに

 遺伝学の分野は,大きく基礎遺伝学と臨床遺伝学とに分けることができる.基礎遺伝学の領域は極めて広く,遺伝生科学,分子遺伝学,遺伝工学など多岐にわかっている.さらに最近受精機構の解明に伴ない,人工授精,体外受精などの領域が俄かに発展をとげ,授精,受精の科学を取扱うには単に医学者のみでなく,生物学者,農学者,遺伝子工学者などの協力が必要となり,また法律学者,倫理学者から宗教家の介入を俟たなければならない事態を生じてきた.この方面の学問の基礎はますます拡大し,人類発生の初期の段階は広域科学の一つの命題として,各部門の協力による総合的アプローチが必要とみられるに至った.

 一方,臨床遺伝学については,人類を対象とする臨床科学であるがために,出産児の数は少なく,人道上の見地から実験や交配などは許されず,ことに近来産児数はせいぜい1名か多くとも2名を数えるくらいで,3児を持つことははなはだ稀となった.さらに人類では1世代が数十年にわたるために,極めて長期的の観察が必要となり,遺伝学的研究を著しく困難にしている.そこでこの欠を補うために疫学的な観察も必要となり,遺伝疫学などの分野が生まれた.また双生児の観察も種々の推測を可能にするので必要欠くべからざる方法である.

 さいわい,日本では昔から戸籍の登録が極めて正確に行われているので,ここから家系図作成上の貴重な資料を得ることができるが,戸籍簿が必ずしも正確であるとは限らず,戸籍登録以前の貰い子などは戸籍簿の上では実子と記載されていることが多い.先に述べた人工授精などもまた家系図を混乱させる原因であり,最近の性風俗の乱れなどもこのような混乱に拍車をかけている.

 しかし,一方では従来不明とされていた病気の本態が次第に明らかとなり,独立した疾患と考えられていたものが他疾患と並んで症候群と考えられるようになって,遺伝学的に整理統合されて来た疾患も多い.後述するムコ多糖類による一連の疾患群などは,従来は1つ1つ人名を附した病名で呼ばれていたが,今ではムコ多糖類代謝に起因する類縁疾患として扱われている(表3).

 われわれ臨床家はあくまで臨床像の把握に努め,一代のみでなく家系内にみられる共通性のある症状に着目し,綿密な家系調査を行って,何らかの遺伝性が見出されるか否かに充分の注意を払う必要がある.

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 1.健忘を主たる障害とした2症例へのリハビリテーションの試み

 神奈川リハセンターリハ医学科

 大橋 正洋 山本 勝

 Hirst(1982)によると,健忘症にはその原因疾患や,責任病巣の如何によらず6つの共通した症状(core amnesia)があるとされている.それは,1.長期記憶の再生に障害,2.短期記憶の容量は正常,3.記憶の再認は良好,4.手がかりによる記憶再生の改善,5.順向抑制,6.運動動作学習能力は正常の,6つである.今回,健忘症の2症例に対し,いくつかの心理テストを施行して,上記core amnesiaの存在を確認すると共に,その特徴を生かしたリハプログラムを施行したので報告した.プログラムの内容は,外的記憶行動である日記,メモ,日課表の使用を習慣化させること,病棟内での行動に混乱を少なくさせるために,テープレコーダーに声によるてがかりを入れタイマーに接続した装置の使用,同じ装置と日課表を組み合わせた使用,さらに,携帯を容易にするためタイマーと合成音声チップを組み合わせた装置を作成し使用させて,一応の成果をみた.

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 昭和5年熊本県に生れ,やがて九大農学部に入り卒業したが医学に進む決心をして医学部に再入学,昭和33年卒業,整形外科に入り研修に精進し更に福岡県立肢体不自由児施設新光園にて障害児の療育に情熱を傾けた.

 昭和40年北九州に障害児施設足立学園が新設,その園長に迎えられた.その頃より結核,ポリオが減少し脳性麻痺が増加したので先ずVojta法を療育に導入した.

一頁講座 人工関節・1

概説・歴史 山室 隆夫
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 関節は次の3つの機能より成っている.すなわち1.ベアリング機構(関節軟骨,滑膜)2.支持機構(骨,関節包靱帯)3.駆動と制禦機構(筋腱,靱帯).このうちの少くともベアリング機構を人工材料によって置換することを人工関節置換術という.ベアリング機構は凸側と凹側とから構成されているが,凸側のみを置換する場合は人工骨頭という.そのいずれでもない中間挿入物的なものにはSmith-Petersen(1983)のhip mouldによるカップ関節形成術やMaclntosh(1958)のtibial plateau prosthesisなどがある.

 人工関節と呼ばれるものにも種種のタイプがある.ベアリング機構のみを置換する方法をsurface replacementというが,股関節におけるFreeman(1978)や田中(1978)のsocket-cup arthroplastyや膝関節におけるtotal condylar knee prosthesisや児玉・山本(1975)のMark Ⅱなどはこの範疇に属するものである.

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意見と声 石坂 直行

文献抄録

編集後記 大川 嗣雄
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 昭和59年という年を迎え,第12巻第1号を皆様にお届けすることになります.総合リハビリテーションも発足して11年を経過しました.12年目といえば,子供が中学校へ進む年齢です.総合リハビリテーションも,中学校へ進めるだけの成長を遂げたかどうかには一抹の不安が残ります.中学生らしい勉強をして行くつもりではありますが,諸先生方の一層の御指導,御鞭撻を賜りたく,編集委員一同に代ってお願い申しあげます.

 さて,今号は小さな欄から見て行きたいと思います.先ず巻頭言では上田氏がR.I. のナショナル・セクレタリー就任の挨拶と1988年の大会の日本開催への抱負をのべられています.ナショナル・セクレタリーとして,この人をおいて他にない適任者であり,氏によってリハ協会がともすれば社会的な分野に偏りがちであった日本の実情が是正され,東南アジアをはじめとする諸外国との国際的な協力が促され,1988年の大会が成功することを期待したいと思います.

基本情報

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総合リハビリテーション
12巻1号 (1984年1月)
電子版ISSN:1882-1340 印刷版ISSN:0386-9822 医学書院

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