学会報告
第36回関東地方リハビリテーション医学懇話会―昭和57年11月27日,於:順天堂大学病院講堂
岩倉 博光
1
1帝京大学リハビリテーション科
pp.69-70
発行日 1984年1月10日
Published Date 1984/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105100
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1.健忘を主たる障害とした2症例へのリハビリテーションの試み
神奈川リハセンターリハ医学科
大橋 正洋 山本 勝
Hirst(1982)によると,健忘症にはその原因疾患や,責任病巣の如何によらず6つの共通した症状(core amnesia)があるとされている.それは,1.長期記憶の再生に障害,2.短期記憶の容量は正常,3.記憶の再認は良好,4.手がかりによる記憶再生の改善,5.順向抑制,6.運動動作学習能力は正常の,6つである.今回,健忘症の2症例に対し,いくつかの心理テストを施行して,上記core amnesiaの存在を確認すると共に,その特徴を生かしたリハプログラムを施行したので報告した.プログラムの内容は,外的記憶行動である日記,メモ,日課表の使用を習慣化させること,病棟内での行動に混乱を少なくさせるために,テープレコーダーに声によるてがかりを入れタイマーに接続した装置の使用,同じ装置と日課表を組み合わせた使用,さらに,携帯を容易にするためタイマーと合成音声チップを組み合わせた装置を作成し使用させて,一応の成果をみた.
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