Japanese
English
研究と報告
片麻痺肩の関節造影上の変化について
Arthrographic Change in the Hemiplegic Shoulder.
白野 明
1
,
佐鹿 博信
2
,
大川 嗣雄
2
Akira Hakuno
1
,
Hironobu Sashika
2
,
Tsugio Ohkawa
2
1川崎中央病院リハビリテーションセンター
2横浜市立大学リハビリテーション科
1Rehabilitation Center, Kawasaki Chuo Hospital.
2Department of Rehabilitation, School of Medicine, Yokohama City University.
キーワード:
片麻痺
,
肩関節造影
Keyword:
片麻痺
,
肩関節造影
pp.47-52
発行日 1984年1月10日
Published Date 1984/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105095
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はじめに
脳血管障害後片麻痺者では高い頻度で肩関節の障害が発生する.それらは,肩関節の疼痛,運動制限,亜脱臼,あるいは肩手症候群等として現れ,強い疼痛は患者を悩ませるだけでなく,時には上肢機能の予後を支配する重要な因子となることも少なくない.これらの肩関節障害の発生機序,病態,治療方法等については既に多くの研究が発表されてきているが,今なお未解決の部分が多く残されている.
肩関節造影法は古くから肩関節疾患の臨床に用いられてきているが,片麻痺の肩についても,その形態学的変化を知る目的で既に何人かの研究者等によって実施され,その結果が発表されてきており,滑液包・粘液包の癒着性変化,腱板損傷,造影剤吸収の遅延等が指摘されている1~6).
しかしながら,一般に成人肩関節においては臨床症状の有無にかかわらず,造影上の変化が少なからず観察されるものと考えられており,既に報告されている片麻痺肩における造影上の異常所見が片麻痺そのものとどのような関係があるのかについては確認されていない部分が多い.そこでわれわれは,片麻痺自身が肩関節造影像に及ぼす影響を知る目的で,片麻痺患者の両側肩関節について造影術を行い,麻痺側・非麻痺側における所見の比較検討を試みた.
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