一頁講座 人工関節・1
概説・歴史
山室 隆夫
1
1京都大学医学部整形外科
pp.75
発行日 1984年1月10日
Published Date 1984/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105103
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関節は次の3つの機能より成っている.すなわち1.ベアリング機構(関節軟骨,滑膜)2.支持機構(骨,関節包靱帯)3.駆動と制禦機構(筋腱,靱帯).このうちの少くともベアリング機構を人工材料によって置換することを人工関節置換術という.ベアリング機構は凸側と凹側とから構成されているが,凸側のみを置換する場合は人工骨頭という.そのいずれでもない中間挿入物的なものにはSmith-Petersen(1983)のhip mouldによるカップ関節形成術やMaclntosh(1958)のtibial plateau prosthesisなどがある.
人工関節と呼ばれるものにも種種のタイプがある.ベアリング機構のみを置換する方法をsurface replacementというが,股関節におけるFreeman(1978)や田中(1978)のsocket-cup arthroplastyや膝関節におけるtotal condylar knee prosthesisや児玉・山本(1975)のMark Ⅱなどはこの範疇に属するものである.
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