公衆衛生 82巻2号 (2018年2月)

特集 「早期発見」をめぐる課題

阿彦 忠之
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 かつて亡国病とも呼ばれた結核を克服するため,胸部X線検査による集団検診(マススクリーニング)を軸とする結核対策が全国的に展開され,死亡率などの減少に大きく貢献しました.検診による早期発見の成果があまりにも見事であったため,結核に代わって悪性腫瘍(がん)や循環器疾患などが増加し始めると,それらの疾患対策でも検診(あるいは健康診断)が万能であるかのように扱われ,早期発見方策は幅広い分野に拡大しました.

 本誌では2012年の76巻11号で「スクリーニング—その進化と課題」と題する特集を組んでおり,各種疾患の早期発見のためのスクリーニングに関する技術の進歩や適用上の課題などを学ぶことができました.その後,5年以上が経過しましたが,検診を主体とする早期発見方策の適用分野は拡大を続けており,それに伴う新たな課題も指摘されています.

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はじめに

 筆者は2017年1月4日から2017年1月13日まで,日本経済新聞の「やさしい経済学」欄に「予防医療で医療費は減らせるか?」という8回にわたるコラムを寄稿した.その中で筆者は,国民の健康寿命を延伸するために各種の予防対策を推進することの重要性を繰り返し強調した.それとともに,予防医療によって個人の生涯にかかる医療費を削減することは困難であり,長期的に見れば,予防対策は国民医療費を抑制するどころか,むしろ増加させる可能性があることを説いた.上記のコラムへの反響はなかなか大きかったようである.今回,大変ありがたいことに,「公衆衛生」誌の本特集への原稿執筆の依頼を受けた.これも,その反響の一つであろう.

 本特集の企画書には,「都道府県の医療費適正化計画では,特定健診(いわゆるメタボ健診)の受診率向上の目標値が設定されるなど,健診による医療費抑制効果があることを前提とした計画策定が行われています.これに対して,医療経済学などの専門家からは批判的な意見も出ており,都道府県や市町村などの公衆衛生事業者には混乱があります」と書かれてある.日本経済新聞における拙論が,ひょっとすると,公的医療保険の実務に携わっておられる方や,公衆衛生の現場で予防対策の実務に尽力されている方には,いささか耳障りの良くない話であったかもしれない.現場の方々を混乱させているとすれば,大変申し訳ないことである.

 本稿の依頼によって,筆者は,「予防対策は医療費を削減できない」とするところの論拠について,再度,丁寧な説明をさせていただける機会を得られたと考えている.まず冒頭に,筆者の立場を明らかにする.筆者は,特定健診もがん検診も無用,などと無責任な言辞を弄するつもりは毛頭ない.国民の健康寿命の延伸にとって予防対策は不可欠である.「特定健診の受診率の目標値が設定される」ことは受診率の向上に重要である.受診率を上げるべく,現場で実務に努められている方々には心から敬意を表したい.

 しかし,「健康寿命の延伸」と「医療費適正化」は分けて考える必要がある.予防対策で医療費削減は実現できない.医療費を削減したければ,他の方策を講じたほうがよい.

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「がん」という診断名が議論の妨げに

 筆者は2009年に,「公衆衛生」誌の73巻12号に「前立腺がん検診の有効性に関する議論と今後の展望」1)を執筆した.全国の主だった病院の泌尿器科医に送り,議論が盛り上がることを期待した.しかし,泌尿器科医から返ってきた反応は,「『がん』と診断された患者さんを放置できますか?」というものであった.

 反省を込めて正直に告白すると,上記の原稿には“da Vinci®サージカルシステムは手術時間を短縮しリスクを減らせる”ことや“致死的前立腺がんに対して敏感度も特異度も高いスクリーニング方法が早く開発されることを期待したい”と記述していたが,前立腺がん検診〔以下,PSA(prostate specific antigen)検診〕の問題点をぼかしていた.言い訳になるが,2003年1月に今上天皇が前立腺がんの手術を受けられており,「PSA検診はスクリーニングになっていない」と書けなかったのである.

高齢者のがん検診 津金 昌一郎
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はじめに

 がんは,細胞の遺伝子がさまざまな要因によって傷害され変化することが時間とともに積み重なって発生してくるものと考えられている(多段階発がん).そのため,最大のリスク要因は加齢である.「地域がん登録全国推計によるがん罹患データ」1)による2012年のがん罹患統計に基づくと,40歳までにがんに罹患する確率は男性で1%,女性で2%にすぎないが,70歳までは男性22%・女性18%,80歳まででは男性42%・女性29%となる.そして,生涯では男性63%・女性47%となり,2人に1人はがんに罹患するものと推計される.すなわち,高齢者ががんに罹ることは珍しいことではく,ごく普通に起こることである.

 がんの予防対策は,がんに罹患しないこと(一次予防)と,がんにかかっていても早期に発見して重症化や死に至らしめないこと(二次予防)である.予防対策は高齢者に限らず,若いうちから心掛けるべきことであるが,本稿では特に高齢者のがんの早期発見・検診の意義について述べる.

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はじめに

 わが国のがん検診では,上部消化管バリウム造影検査やマンモグラフィ,便潜血検査,婦人科細胞診などが実施されているが,対策型検診の受診率全国平均が30%未満と世界的にみても低水準であり,侵襲性の高さが受診を敬遠させている可能性がある.一方,有効な検診の手段が存在しないがん種もいまだ多い.悪性腫瘍の発生には,遺伝的体質に加えて,喫煙や肥満などのさまざまな生活習慣が関連しており,生活習慣介入による予防戦略が展開されている.一方で,最近の報告によれば,悪性腫瘍の要因の2/3はDNA複製時のエラーに起因する遺伝子変異であり,生活習慣介入による予防は困難とされている1).したがって,悪性腫瘍の予後改善のためには早期診断技術を確立することが最も実現性が高く,また,普及のためにはより侵襲の低い方法を導入することが望ましい.

 現在,血液,尿,呼気などの容易に採取することが可能な検体を利用した,次世代のがん早期診断法の開発研究が世界的に行われている.本稿では,実用化の可能性が注目される新規のがん早期診断法のうち有力なものを紹介し,また,今後の課題について考察する.

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はじめに

 新生児聴覚スクリーニング(newborns hearing screening:NHS)は,1990年代後半に,自動判定が可能な耳音響放射(otoacoustic emissions:OAE)や自動聴性脳幹反応(automated auditory brainstem response:AABR)の検査機器が開発されてから,米国などを中心に普及が始まった.わが国でも2000年に厚生省(当時)のモデル事業(2006年度まで)としてNHSが開始された.

 図1のように,わが国のNHSは二段階方式のスクリーニングシステムとなっており,生後6カ月以内に難聴の確定診断を行い,早期療育を開始することを目指している.早期療育は,聴覚障害を対象とした特別支援学校(以下,聾学校)や,難聴乳幼児を対象とする児童発達支援センターなどの施設(旧 難聴幼児通園施設)などで行われる.

 筆者は筑波大学附属聾学校(現 筑波大学附属聴覚特別支援学校)の教諭として20年余り勤務し,ちょうどモデル事業の開始前後の時期に当たる1999年から2006年まで乳幼児教育相談を担当した.その中で多くの乳幼児や保護者と出会い,彼ら・彼女らの生の声を多く聞いてきた.そうした経験から,これまで難聴乳幼児の早期支援に関するさまざまな提言を行ってきたが,本稿では,NHSの普及に伴って明確化した課題,検査後の療育,保護者支援の課題などについて述べる.

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はじめに

 代謝異常などの新生児マススクリーニング(newborn screening:NBS)は,知らずに放置すると重大な健康被害の起こるような代謝異常症を,新生児期に見つけて治療介入し,障害の発症を予防する事業である.わが国では1977年に始まり,対象疾患は従来は6疾患であったが,2014年度にタンデムマス(tandem mass spectrometry:TMS)法が導入されて,現在は20疾患に拡大されている.タンデムマス・スクリーニング(以下,TMSスクリーニング)の対象疾患には,ガスリー法で検査されていたアミノ酸血症3疾患に加えて,有機酸・脂肪酸代謝異常症が加わった1).これに伴ってガスリー法は廃止された.

 本稿では,新たに加わった有機酸・脂肪酸代謝異常症を中心に,TMSスクリーニングの効果と課題について述べる.

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はじめに

 慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の有無は,尿蛋白を代表とするさまざまな腎障害の存在することと,腎機能を代表して糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)が60mL/分/1.73m2未満のいずれか,あるいは両方が3カ月以上持続することで診断できる.したがって,CKDの早期発見のためには,病的とされる蛋白尿の出現の早期の検知,ならびに,腎機能正常域から軽度低下時期における正確なGFRの評価方法の確立が必須である.

 本稿では,2018(平成30)年の特定健康診査(健診)の見直しに向けて,CKDの早期発見に関わる話題と,今後の課題について概説する.

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全身の健康と口腔との関連

 超高齢社会が進展するわが国にとって,健康長寿社会の実現は必須の課題である.近年,口腔の状態と全身の健康との関連が次々と明らかになってきており,医科歯科連携の重要性が叫ばれるようになっている.

 2006年に介護予防事業が開始されたが,介護予防は「サクセスフルエイジング」(successful ageing)を目指すための施策であり,その目的は,要介護状態になることをできる限り防ぎ,要介護状態になっても,それ以上,悪化しないようにすることである.同事業では,運動機能向上,口腔機能向上および栄養改善を目的とした3つのプログラムが実施されている.介護予防における口腔機能向上プログラムの目的は,口腔機能低下の予防によって,おいしく,楽しく,安全に食事を摂取し,栄養を確保することによって,いきいきと暮らせるよう支援することである.そのためには,①口腔衛生状態の改善,②口腔運動機能の向上,ならびに③継続的な口腔に関する意識・生活習慣の改善が必要である.すなわち,口腔衛生指導による歯科疾患予防を行って,誤嚥性肺炎や低栄養予防を考慮した口腔機能の向上を図り,また維持する必要がある.

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「大学の公衆衛生学講座で教員をしております」

 自己紹介でこのように言い始めてから十数年が経つ.当初は少し違和感があった.医学部卒業後,医師臨床研修がまだ義務化されていない時代にスーパーローテートを経験したくて入局希望先の教授に嘆願したほど,「一生,臨床!」と思っていたからである.

連載 衛生行政キーワード・124

わが国の対策型がん検診 田中 佑典
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はじめに

 わが国において,がんは,1981(昭和56)年から死因の第1位である.2015(平成27)年には年間で約37万人が死亡し,生涯のうちに約2人に1人が罹患すると推計されている.依然として,がんは国民の生命と健康にとって重大な問題である.

 がん検診は,がんに罹患している疑いのある者や,がんに罹患している者を判定し,必要かつ適切な診療につなげることによって,がんによる死亡者の減少を目指すものである.国は,市町村(特別区を含む.以下,同じく)が実施する対策型がん検診(表1)について,「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(平成20年3月31日付け健発0331058号厚生労働省健康局長通知別添:以下,指針)で定めるとともに,がん検診の有効性や精度管理についての検討会を開催するなど,科学的根拠に基づくがん検診の実施を推進してきた.

連載 リレー連載・列島ランナー・107

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はじめに—DHEATとは

 災害時健康危機管理支援チーム(disaster health emergency assistance team:DHEAT)は,大規模自然災害時に被災地の保健所,市町村,都道府県庁などの一員として溶け込んで,公衆衛生マネジメント活動(指揮調整業務)を支援するチームです.東日本大震災(2011年)の後からその必要性がいわれてきましたが,2017年度にその検討がおおむね結実して,本格的に活動できる体制が整えられようとしています.本稿では,その紹介をしたいと思います.なお,今後の検討で修正・変更が行われる可能性があることと,私見を含めた記載であることをご了承ください.

 東日本大震災において,情報が錯綜して全体像がつかめず(図1),また,公衆衛生上の問題が多数発生し,さまざまな支援チームが被災地で活動する中で,ある地域は支援が重複し,別の地域では不足するという状況が発生しました.そこで,災害派遣医療チーム(disaster medical assistance team:DMAT)のように,公衆衛生活動を支援するチームが必要ではないかという声が高まりました.

連載 Coda de Musica 心に響く音楽療法・2

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道を照らす光

 毎年11月上旬に開催されるニューヨークシティーマラソンは世界最大のマラソン大会である.2016年の大会において,視覚障害を持ちながらも果敢に挑んだランナーの記事を読んだ.記事の写真には,ランナー本人ともう一人.伴走者である.マラソンランナーの目となり,給水を助け,環境の安全を確認しながらゴールまで導いた.伴走者の導きによって道に光が照らされ,ランナーは最後まで走り抜いた.

 自分の力だけでは乗り越えることができない困難に直面したとき,励ましの言葉や本,音楽が伴奏者となることがある.音楽は人の心と身体に留まり,自己の内的資源となる.資源となった音楽は,困難を乗り越える力を与え,辛さや弱さに寄り添ってくれる.

連載 ポジデビを探せ!・14

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はじめに

 乳幼児の健康は,途上国では依然として重要な保健課題である.世界中で約560万人の5歳未満乳幼児が毎年死亡している1).国連のミレニアム開発目標では2015年までに乳幼児死亡率を1990年の水準から3分の1に減らすという目標を掲げていたが,乳幼児死亡率の削減は53%にとどまり,目標は達成できなかった.出生前後の死亡を除くと,途上国では下痢症と肺炎が幼児死亡の主要原因となっている1)2).いずれも適切な衛生環境や栄養,保健サービスへのアクセスで防ぐことができるはずのものである.

 一方,乳幼児を取り巻く家庭環境や社会環境は途上国でも大きく変化している.特に,アジアでは最貧国を脱して経済成長を続ける国が次々と現れている.そのような国では,製造業への雇用が急増しており,女性が工場へ働きに出るようになっている.繊維業や縫製業,製靴業などのアパレル産業では,工場労働者の多くが女性であることは珍しくない.これらの工場に行くと,朝に大勢の女性が出勤し,昼になると工場内や近辺で昼食を食べ,夕方から夜にかけて退勤していく様子をみることができる.その結果,従来であれば家庭で乳幼児の子育てを担っていた母親が平日に不在の家庭も増えている.母親不在の中,乳幼児の発達に必要な衛生環境,栄養,保健サービスへのアクセスに影響はないだろうか.

予防と臨床のはざまで

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 この10年間,IT(information technology)の進化は凄まじく,まったく予想できなかったようなデータ蓄積やコミュニケーションが可能になりました.スマホやタブレットPCなどの新しいデバイスが当たり前になり,さまざまなアプリやウエアラブル機器によって,歩数,活動量,睡眠などの生体情報がビッグデータとして蓄積されてきています.禁煙外来や特定保健指導などの面談などでは,遠隔コミュニケーションも実用化されつつあります.特定健診以降,健診データ,生活習慣などの問診情報,レセプト情報も電子化され,企業と健康保険組合の垣根を越えて,働く個人に紐付いた健康情報を活用できるようになってきています.

 一方,産業保健分野でのITの活用を考えてみると,可能性と現実のギャップを感じるシーンが少なくありません.健診や面談の記録一つをとっても,産業医や保健師が旧態然とした健康管理システムに悪戦苦闘している企業が多くあると思います.e-learningやwebセミナーは大企業では導入が一般化しつつありますが,本当に能動的に活用されているかは疑問です.従業員個人に目を向けると,健康関連の情報サイトや個人の健康管理情報へのアクセスは低調という感覚があります.さんぽ会(多職種産業保健スタッフの研究会.URL:http://sanpokai.umin.jp)では第242回となる11/9の月例会で「職域におけるITの活用の可能性」をテーマに取り上げ,議論を行いました.

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 現代と呼ぶには,やや古めかしくも感じられる時代,1980年代後半でしょうか,アイルランド西部にある精神科の病院が老朽化のため閉鎖されることになり,入院患者の転院のための診察を依頼された高名な精神科医スティーヴン・グリーン医師が,そこを訪れるところから映画は始まります.グリーン医師が診察するのは,第二次世界大戦中から40年余にわたり入院生活を送っているローズ・F・クリア(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)です.彼女は戦時中に自らの手で,「赤ん坊」を殺害し,精神障害犯罪者としてこの病院に収容されています.しかし,彼女自身は赤ん坊殺しの罪を否定しており,自身の姓は「クリア」ではなく「マクナルティ」だと言い張ります.その様子は,彼がこれまで経験してきた一般的な精神科の患者とは異なる感じを受けます.ローズは1冊の聖書を大事にしており,その中に,看護人たちに悟られないように密かに日記をしたためていました.彼女は,その聖書にかかれた秘密の日記を辿りながら自身の半生を語りはじめます…….

 時代は1940年代のアイルランドに移ります.若き日のローズ(ルーニー・マーラ)は戦時下のため伯母を頼って田舎町に疎開してきます.若くて魅力的なローズは,町の男性の注目の的です.ローズは偶然のことから,町の教会の若き司祭,ゴーント神父と知り合います.神父は彼女に興味を抱く反面,男たちを惹きつけるその魅力に危険な雰囲気を感じます.叔母は彼女を山奥のコテージに追いやります.

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キューバという国

 2015年7月に米国とキューバは54年ぶりとなる電撃的な国交正常化を果たして世界の耳目を集めた.しかし,それ以前からキューバは国際保健の舞台では優等国として知られている.2013年には,貧しいながらも母子保健と感染症対策の世界のモデル国と評され1),2015年には後天性免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)と梅毒の母子感染を世界で最初に根絶させるという金字塔も打ち立てた2).日本の本州の半分ほどの国土に1,100万人を超す人々が生活するキューバは,社会主義共和制という政治体制の下に独自なヘルスシステムを構築してきた.

 本稿では,幾多の成果を生み出してきた同国のヘルスシステムについて,世界保健機関(World Health Organization:WHO)がヘルスシステムのモデルとして提唱した6つの構成要素別に,2016〜2017年の最新事情を報告する.

お知らせ

日本地域看護学会 第21回学術集会

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次号予告

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 本号の特集『「早期発見」をめぐる課題』は,公衆衛生関係者にとって非常に身近なテーマです.しかしながら,保健所が地域の医師会や検診センターなどの関係機関との会議でこれを議題に上げることはまれでした.早期発見方策の限界や過剰診断などのマイナス面(陰の部分)の課題を議論することは,「パンドラの箱」を開けるような怖さがあり,ずっと蓋をしてきたのが実情かも知れません.

 そこで今回,早期発見方策の光と陰の両面から地域での議論が活発化することを期待して内容を企画しましたが,題名だけ見ても興味をそそる刺激的な玉稿が揃いました.

基本情報

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公衆衛生
82巻2号 (2018年2月)
電子版ISSN:1882-1170 印刷版ISSN:0368-5187 医学書院

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