連載 リレー連載・列島ランナー・107
災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)—発足の経緯と今後の期待
尾島 俊之
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1浜松医科大学医学部健康社会医学講座
pp.157-162
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208836
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はじめに—DHEATとは
災害時健康危機管理支援チーム(disaster health emergency assistance team:DHEAT)は,大規模自然災害時に被災地の保健所,市町村,都道府県庁などの一員として溶け込んで,公衆衛生マネジメント活動(指揮調整業務)を支援するチームです.東日本大震災(2011年)の後からその必要性がいわれてきましたが,2017年度にその検討がおおむね結実して,本格的に活動できる体制が整えられようとしています.本稿では,その紹介をしたいと思います.なお,今後の検討で修正・変更が行われる可能性があることと,私見を含めた記載であることをご了承ください.
東日本大震災において,情報が錯綜して全体像がつかめず(図1),また,公衆衛生上の問題が多数発生し,さまざまな支援チームが被災地で活動する中で,ある地域は支援が重複し,別の地域では不足するという状況が発生しました.そこで,災害派遣医療チーム(disaster medical assistance team:DMAT)のように,公衆衛生活動を支援するチームが必要ではないかという声が高まりました.
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