フォーラム
Zarit介護負担尺度日本語版(J-ZBI)および短縮版(J-ZBI_8)
荒井 由美子
1
,
工藤 啓
2
1国立長寿医療研究センター看護・介護・心理研究室
2宮城大学大学院看護学研究科健康政策学
pp.125-127
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100565
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筆者らは,以前,本誌において「要介護高齢者の介護負担評価法の紹介」と題し,Zarit介護負担尺度日本語版(Zarit Caregiver Burden Interview:J-ZBI)についての紹介を行った1).本稿では,J-ZBI,J-ZBIを用いて行った様々な研究,およびJ-ZBIの短縮版として昨年度新たに作成されたZarit介護負担尺度日本語版の短縮版(J-ZBI_8)について概説する.
介護負担の定量的な評価:ZBIおよびJ-ZBI
家族介護者の抱える介護負担という概念を,定量的に評価する指標を最初に開発したのは,米国のペンシルバニア州立大学Zarit教授である.彼は,「親族を介護した結果,介護者が情緒的,身体的健康,社会生活および経済状態に関して被った被害の程度を測定できる尺度」であるZarit介護負担尺度(Zarit Caregiver Burden Interview:ZBI)を作成した.ZBIは,介護によってもたらされる身体的負担,心理的負担,経済的困難などを総括し,介護負担として測定することが可能な尺度である.この22項目からなるZBIは,欧米で最も頻用されている介護負担尺度の1つであり,各国の言語に翻訳されている.
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