連載 Coda de Musica 心に響く音楽療法・2
音楽と“今”出会う時とは?—アマンダとローズ
三道 ひかり
1
1東京大学大学院医学系研究科国際地域保健学教室
pp.168-171
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208838
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道を照らす光
毎年11月上旬に開催されるニューヨークシティーマラソンは世界最大のマラソン大会である.2016年の大会において,視覚障害を持ちながらも果敢に挑んだランナーの記事を読んだ.記事の写真には,ランナー本人ともう一人.伴走者である.マラソンランナーの目となり,給水を助け,環境の安全を確認しながらゴールまで導いた.伴走者の導きによって道に光が照らされ,ランナーは最後まで走り抜いた.
自分の力だけでは乗り越えることができない困難に直面したとき,励ましの言葉や本,音楽が伴奏者となることがある.音楽は人の心と身体に留まり,自己の内的資源となる.資源となった音楽は,困難を乗り越える力を与え,辛さや弱さに寄り添ってくれる.
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