投稿・地域事情
2016〜2017年のキューバのヘルスシステム
前田 恵理子
1,2
,
湯浅 資之
3,4
1国際協力機構(JICA)
2順天堂大学国際教養学部国際教養学科
3順天堂大学国際教養学部グローバル社会領域
4順天堂大学大学院医学研究科公衆衛生学講座
pp.163-167
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208837
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キューバという国
2015年7月に米国とキューバは54年ぶりとなる電撃的な国交正常化を果たして世界の耳目を集めた.しかし,それ以前からキューバは国際保健の舞台では優等国として知られている.2013年には,貧しいながらも母子保健と感染症対策の世界のモデル国と評され1),2015年には後天性免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)と梅毒の母子感染を世界で最初に根絶させるという金字塔も打ち立てた2).日本の本州の半分ほどの国土に1,100万人を超す人々が生活するキューバは,社会主義共和制という政治体制の下に独自なヘルスシステムを構築してきた.
本稿では,幾多の成果を生み出してきた同国のヘルスシステムについて,世界保健機関(World Health Organization:WHO)がヘルスシステムのモデルとして提唱した6つの構成要素別に,2016〜2017年の最新事情を報告する.
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