特集 「早期発見」をめぐる課題
タンデムマス・スクリーニングの効果と課題
山口 清次
1
1島根大学医学部小児科
pp.132-137
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208831
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はじめに
代謝異常などの新生児マススクリーニング(newborn screening:NBS)は,知らずに放置すると重大な健康被害の起こるような代謝異常症を,新生児期に見つけて治療介入し,障害の発症を予防する事業である.わが国では1977年に始まり,対象疾患は従来は6疾患であったが,2014年度にタンデムマス(tandem mass spectrometry:TMS)法が導入されて,現在は20疾患に拡大されている.タンデムマス・スクリーニング(以下,TMSスクリーニング)の対象疾患には,ガスリー法で検査されていたアミノ酸血症3疾患に加えて,有機酸・脂肪酸代謝異常症が加わった1).これに伴ってガスリー法は廃止された.
本稿では,新たに加わった有機酸・脂肪酸代謝異常症を中心に,TMSスクリーニングの効果と課題について述べる.
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