連載 衛生行政キーワード・124
わが国の対策型がん検診
田中 佑典
1
1厚生労働省健康局がん・疾病対策課
pp.152-156
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208834
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
わが国において,がんは,1981(昭和56)年から死因の第1位である.2015(平成27)年には年間で約37万人が死亡し,生涯のうちに約2人に1人が罹患すると推計されている.依然として,がんは国民の生命と健康にとって重大な問題である.
がん検診は,がんに罹患している疑いのある者や,がんに罹患している者を判定し,必要かつ適切な診療につなげることによって,がんによる死亡者の減少を目指すものである.国は,市町村(特別区を含む.以下,同じく)が実施する対策型がん検診(表1)について,「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(平成20年3月31日付け健発0331058号厚生労働省健康局長通知別添:以下,指針)で定めるとともに,がん検診の有効性や精度管理についての検討会を開催するなど,科学的根拠に基づくがん検診の実施を推進してきた.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.