公衆衛生 82巻11号 (2018年11月)

特集 「放射線リテラシー」をめぐる課題

明石 真言
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 放射線は医学の他にも幅広く利用されていますが,一般には意外に知られていません.手荷物,製品や建築物の検査,鉄板・紙の厚さ測定,ゴムやプラスチックの強化,医療器具の滅菌などがその例で,輸血用血液製剤も照射が義務付けられています.上記のように,社会には放射性物質や放射線照射装置が多く存在しています.これら全ての放射線の利用は,正しく管理・使用することを前提としており,医療で受ける放射線は,得られる利益と被ばくする不利益をてんびんにかけたうえで利用されています.

 保健所や市町村保健センターなどで公衆衛生に従事する方々は,放射線被ばくや,その不安に関する相談を受けることがあります.私たちの身体の中にも天然の放射性物質はあります.また,好むと好まざるにかかわらず自然界から放射線を浴びており,その量は,住んでいる場所の緯度経度や環境で異なります.富士山の山頂や航空機上では,自然放射線のレベルは地上の数倍から数十倍以上高いのが通常ですが,ここで働く人にがんなどのリスクが高いという報告はありません.放射線に関して,正しい知識を持ったうえで,その影響に関して危険なこととそうでないことを伝えるのも公衆衛生関係者の仕事です.

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放射線の種類

 放射線(電離放射線)は,物質を電離させる能力を持ち,電磁波と粒子線に分類される.

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はじめに

 福島第一原子力発電所事故(2011年.以下,福島原発事故)後に,福島県双葉郡浪江町の住民に対して放射線の基礎知識に関するアンケート調査1)が実施された.その結果では,浪江町民は被災した経験を持つことから,放射線被ばくに対する理解はしているものの,自然放射線による被ばくに対してはその影響を心配しているということが分かった.さらに,浪江町民の多くは,対照地域である青森県3市民と異なり,同じ被ばく線量であっても,福島原発事故由来の人工放射線による被ばくの影響は自然放射線によるものと異なると考えていることが明らかになった.

 自然放射線は宇宙の誕生とともに発生し,福島原発事故以前から存在したにもかかわらず,それについての理解は不十分である.本稿では,わが国の自然放射線被ばくの状況を俯瞰しつつ,海外での高自然放射線地域に関する情報について整理する.また,自然放射線被ばくに関する最近の話題について述べる.

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はじめに

 放射線は,その透過力や検出感度の高さと独特の照射効果から,身近なところでもさまざまに利用されている1)2).しかしながら,その利用の実態,どのような原理に基づいているのか,なぜ他の手段ではなく放射線が使われるのか,その目的に最適な放射線の種類は何で,必要な線量はどれだけか,などについては,一般にはあまり知られていない.本稿では,できるだけ放射線利用の全体像を俯瞰しながら個々の利用例について理解が深まるように解説する.

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はじめに

 細胞が放射線に被ばくすると,DNA(deoxyribonucleic acid:デオキシリボ核酸)に損傷が生じる.細胞には放射線によるDNA損傷を修復する機能が備わっているが,必ずしも完全に修復できるとは限らない.DNA損傷の修復に失敗した場合には,重要な遺伝子を消失することによって細胞死の原因となったり,発癌や遺伝性影響の原因となったりすることがある.臓器・組織を構成する細胞に多数の細胞死が生じると,臓器・組織に「臨床的に意味のある機能障害」が生じる.

 本稿では,放射線によるDNA損傷,臓器・組織や個体の放射線影響,外部被ばくと内部被ばくによる放射線影響について概説する.

放射線防護と医療被ばく 赤羽 恵一
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放射線の防護体系

 放射線防護の基準となっている防護体系は,国際放射線防護委員会(International Commission on Radiological Protection:ICRP)と呼ばれる組織が刊行物(Publication)のかたちで出している勧告に基づいている.ICRPは放射線防護の専門家によって構成されている独立した組織であり,どの国にも属していない.しかしながら,その勧告内容は尊重されており,世界各国の放射線規制法令に導入されている他,国際原子力機関(International Atomic Energy Agency:IAEA)の国際基本安全基準(International Basic Safety Standards:BSS)1)にも取り入れられており,実質的に放射線防護の国際基準となっている.この防護体系は,これまで何度か改訂がなされており,最新版は2007年に出された「ICRP Publication 103」(以下,2007年勧告)2)で,その前の版は1990年の「Publication 60」(以下,1990年勧告)3)である.

 日本では放射線審議会が国内法令への取り入れの検討を行い,2000年に1990年勧告の内容を反映した規制法令が公布された.その後,2007年勧告の導入が検討され,審議会から中間報告4)も出されたが,2011年3月に起こった東日本大震災と福島第一原子力発電所事故によって審議の中断を余儀なくされ,いまだ導入されていない状態が続いている.

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はじめに

 わが国で問題となった主な低線量放射線被曝には,①診断放射線,②環境汚染による外部被曝(福島第一原子力発電所の周辺地域など),③放射性物質による汚染食品の摂取などによる内部被曝がある.低線量放射線被曝で懸念される健康影響は,後日,出るかもしれないがんと遺伝影響,それに胎内被曝時の新生児への影響である.

 まず,上記の①と②で被曝する放射線の性質が全く違うことを理解されたい.診断放射線の被曝時間はごく短く,単純X線写真で1秒以下,造影X線やCT(computed tomography)でも分単位以下なので,被曝時間当たりの線量(線量率)は高い.一方,環境からの被曝は,ごく低い線量率の放射線を月,年単位で被曝する(図1).したがって,①は高線量率低線量被曝,②は低線量率低線量被曝であるが,この呼称は紛らわしいので,便宜的に前者を瞬間的被曝,後者を持続被曝と言い換える.

 瞬間的被曝と持続被曝は生物に与える影響が大きく異なる(後述する).また,一般人の瞬間的被曝は医療被曝にほぼ限られるが,持続被曝は空からの宇宙線,地面からの放射線に加え,あらゆる食物に含まれる放射性物質を摂取した結果としての内部被曝など,誰もが避けられない「自然放射線」を年間累積で1〜2ミリシーベルト程度,被曝する.

 議論の土台となるデータも別である.瞬間的被曝は原子爆弾(以下,原爆)被爆者の疫学調査が重要であるが,持続被曝の議論には高自然放射線地域の疫学調査やマウスの大規模実験結果が有用である.

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はじめに

 2011年3月11日の福島第一原子力発電所事故(以下,福島原発事故)によって放射性ヨウ素(131I)および放射性セシウム(134Csおよび137Cs)が環境中に放出され,放射線被ばくが懸念された.これらの核種が含まれた飲食物の摂取による一般公衆の内部被ばく線量を低減するため,2011年3月17日に暫定規制値が設定された.また,2012年4月1日には,長期的な視点でより一層の食品の安全と安心を確保することを目的とする新たな基準値(現行基準値)が設定された.

 本稿では,暫定規制値および現行基準値の根拠,内部被ばくの現状について述べる.また,131Iが母乳に至るまでの授乳婦の体内動態を解析した筆者らの研究を紹介し,最後に内部被ばくを考えるうえで留意すべき点に触れる.

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はじめに

 放射線は医療現場以外にも現代社会のさまざまな場所で利用されており,放射線の利用なしには生活は成り立たない.しかし,「放射線は怖い」「放射線を浴びると長期にわたって健康に悪影響がある」というイメージが人々の潜在意識の中にある.いったん事故が発生すると,少量の放射線曝露であっても過剰に反応し,健康不安に陥る.風評被害も含めて,住民に与える心理的・経済的ダメージも長期に渡る.

 本稿では,1999年の東海村JCO臨界事故(以下,JCO事故),2011年の福島第一原子力発電所事故で茨城県が経験した住民の健康不安への対応を基にして,放射線のリスクコミュニケーションにおいて注意すべきと思われることを述べる.

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 2018年に創立90周年を迎えた久留米大学の歴史は,1928年4月に創立された九州医学専門学校に始まる.福岡県内,特に農村部の医師不足が社会問題となり,地域医療格差解消のため医学専門学校の必要性が叫ばれ,福岡県医師会が中心となって九州医学専門学校創立委員会が発足した.設置を希望した福岡県内の複数の都市の中から最終的に久留米市に決定した経緯がある.その後,久留米医科大学,久留米大学(以下,本学)医学部と名称を変えながらも,一貫して地域医療へ貢献する医師を養成してきた.本学医学部の基本理念は,九州医学専門学校の校歌の一節である「国手の理想は常に仁なり」で,北原白秋によるものである.国手とは優れた医師のことである.この基本理念を踏まえ,「時代や社会の多様なニーズに対応できる実践的でヒューマニズムに富む医師を育成するとともに,高水準の医療や最先端の研究を推進する人材を育成する」ことを使命としている.2018年3月末までに約10,000人の卒業生を輩出している.

 上記のような設立経緯を持つ本学医学部の卒業生の多くは開業医として地域医療の最前線で活躍している.地域の医師会に所属し,当該地域の行政と連携して母子保健,学校保健,産業保健などの公衆衛生に関連した地域保健活動に寄与している.郡市医師会レベルでは,日常診療を通じて,かかりつけ医として地域住民の疾病予防を行い,治療と健康増進のために適切な医療を提供している.また,①市町村行政と協調しての予防接種や住民向け各種啓発活動,②学校医を通しての学校保健活動,③乳幼児健診,④自院での個別健診,⑤産業医活動など,極めて多彩な地域保健事業に関わっている.都道府県医師会レベルでは,広域的な公衆衛生の向上のための地域保健に関する公衆衛生活動を確保するために,都道府県における各種の事業計画,保健医療計画,健康増進計画,がん対策推進計画などの立案段階から専門家として積極的に関与している.日本医師会レベルでは,国の保健事業に対して,専門家として各種審議会などへ参加することによって,その立案検討段階から積極的に関わっており,厚生労働省・政府施策の決定プロセスへ直接関与している.実際,本学の卒業生の医師会活動は盛んである.現在の日本医師会会長は本学卒業生の横倉義武先生であり,昨年10月からは世界医師会会長も務められている.それ以外にも,西日本を中心に複数の県医師会会長や,多くの郡市医師会会長,理事などの役職を担っている.上記のように多くの卒業生が医師会活動を通じて市町村レベル,都道府県レベル,国レベルにおける公衆衛生の向上に大きく寄与している.

連載 睡眠と健康を考える・1【新連載】

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はじめに

 近年,睡眠の分野における疫学研究の進展によって,短時間睡眠や不眠症などの睡眠障害は,食事・喫煙・飲酒・運動などの他の生活習慣と同様に,動脈硬化の危険因子や心血管疾患の発症を促進することが明らかにされてきている.睡眠の量・質的な障害による睡眠不足は日中に強い眠気や集中力の低下を来すため,産業事故や交通事故の発生の原因になる.そのため,睡眠の問題は広く現代社会に影響を及ぼすものと理解されており,極めて重要な公衆衛生学的問題として認識されるようになっている.

 本稿では,最近の睡眠分野の疫学研究データについて,特に国民代表性やエビデンスレベルの高い研究結果を用いたうえで概説する.

連載 リレー連載・列島ランナー・116

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はじめに

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて,大会運営の調整,競技会場の整備,受け入れ準備などが急ピッチで進められている.その中で,取り組みの歩みが遅いと感じるものがある.受動喫煙対策である.2014年までに世界49カ国で屋内全面禁煙の法規制が施行された一方,WHO(World Health Organization)は,わが国の受動喫煙対策について4段階評価の最低レベルと評価している.

 国際オリンピック委員会(International Olympic Committee:IOC)は1988年のカルガリー大会から禁煙を採択しており,2010年にはWHOとIOCが,たばこのないオリンピックを共同で推進することに合意した.これまで大会が開催されたロシアと韓国は屋内施設を全面禁煙とし,今後,開催予定である北京市は,それに加えて,一部の屋外についても喫煙を禁止する条例を施行した1)

 わが国では,2018年3月に受動喫煙対策を強化する健康増進法の一部を改正する法律案が国会に提出され,同年6月に審議入りし,7月に可決,成立した.改正法では公共施設の屋内は完全禁煙とされ,罰則付きで義務付けをしているが,経過措置が設けられている飲食店もある.施行期日は2020年4月1日である.近年のオリンピック開催国としては最も緩い法整備となる.

 たばこが及ぼす健康への悪影響は万人の理解となっているが,なぜ,対策が進まないのであろうか.日本たばこ産業株式会社(JT)が2017年5月に実施した「全国たばこ喫煙者率調査」では,喫煙者率18.2%(男女計),喫煙人口推計値は1,917万人(男女計)である2).非喫煙者が80%を超える国で非喫煙者を守る受動喫煙対策が進まない.本当に不思議である.

 本稿では,宮城県柴田町(以下,当町)で受動喫煙防止対策として公共施設の敷地内禁煙が実現できたことについて,これまでの取り組みを述べる.他の自治体における受動喫煙防止対策の参考としていただければ幸いである.

連載 ヘルスコミュニケーションと健康な社会づくりを考える Dr.エビーナの激レア欧州体験より・3

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 前回(82巻10号)は,英国のヘルスリテラシー向上のための仕組みや,臨床の場と公衆衛生の場における取り組みについての概要を,英国ヘルスリテラシーグループ議長のジョアン・プロセロー教授のインタビューを通してお伝えしました.ところで,自治体では実際にどのような取り組みが展開されているのでしょうか.

 このたびヘルスリテラシーの視点から健康格差の是正を目指す,26万人規模のWHOヘルシーシティ認定都市であるストーク・オン・トレント(Stoke-on-Trent)市役所の担当職員,マイク・オリバー氏(以下,オリバー氏.写真1)からお話を聞くことができました.今回は,本市の現状についてのインタビューをお届けします.

連載 Coda de Musica 心に響く音楽療法・11

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One for all, all for one

 中学生の頃,バスケットボール部に所属していた.日々,個人能力とチームとしての総合力の重要性を学び,練習を重ねた.コーチから個人練習をするように言われると,始業前に登校し,体育館で練習をしていた時期もあった.チームとしての練習,そして個人の練習.秀でた選手が1人いても,試合に勝ち続けることはできない.チームの全員がしっかりと与えられた役割を全うする先に勝利があるということを教えられ,チーム一丸となって目標に向かって働くことの素晴らしさと難しさを初めて学んだ.

 チームスポーツの花形,サッカーに目を向けるとどうだろう.2018年にロシアで開催されたFIFAワールドカップ.本大会ではフランスが20年ぶり2度目の優勝を果たした.解説では,勝因は選手の一人一人がきちんと役割を果たし,チームとしての力を遺憾なく発揮したことにあるという.スター選手一人が牽引するチームではなく,全体の力で目標(優勝)に到達したのだ.

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 日本産業衛生学会には30ほどの研究会があります.ちょうど,ICOH(国際産業衛生学会)の下部に,学会員の関心領域ごとに約35の科学分科会があるのと似ています.毎年の学術集会では,各研究会が主に夕方2時間程度の自由集会を行っています.健康教育・ヘルスプロモーション研究会は,職域における健康教育やヘルスプロモーションを扱う研究会であり,その歴史は実に38年の長きに渡ります.本連載でも複数回取り上げてきましたが,今回はその歴史と議論,活動の変遷を振り返ります.

 研究会の発起人は,武藤孝司先生(獨協医科大学)故 高田和美先生(当時,産業医科大学)埋忠洋一先生(当時,三和銀行)らで,当初から保健師,看護師,管理栄養士などの多職種によって,職域における健康教育のあり方について議論されていたのが印象的でした.成長期であった日本の経済状況を反映して,健康教育も豪華であり,企業の保養所を用いたセミナーや温泉地の宿泊型セミナーが行われたりしていました.健康診断時の情報提供はよい健康教育のチャンスですが,埋忠先生は銀行での取り組みを「回遊式」健康教育と命名し,紹介されていたのを記憶しています.

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 バラナシはイギリス植民地時代にはベナレス(Benares)と呼ばれていたインドの古都です.本作品ではサンスクリット語の原語に近い発音で「バラナシ」と表記されていますが,ヒンドゥー教の聖地でもある,このバラナシが舞台となっている「ガンジスに還る」を今月はご紹介します.

 老境を迎えたダヤ(ラリット・ベヘル)は,子ども時代の自分が,誰もいない村で母親から呼ばれている夢を見ます.自分の死期が近づいていると考えたダヤは,同居している息子夫婦と孫に夢について語り,明日は寺院に牝牛を寄進し,明後日は聖地バラナシへ行くと告げます.ヒンドゥー教の教えでは,バラナシにある聖域の中で死を迎えた者は,どんな罪人であっても,亡くなると即,解脱が得られるということで,ダヤもそれを目指してダヤに行きたいのでしょう.

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 本書が伝えるのは,来院者の健康のために,食事や運動などについての生活習慣を処方する「生活処方箋」という考え方です.診察に来る患者さんはそれぞれ別個の悩みや身体症状を抱えていますが,実に大部分の人が共通して,薬に頼らず治したいという要望を持っています.生活習慣を改め病因を根本から絶つアプローチは,服薬と違い副作用の恐れや費用の負担もなく,理想的な治療法だといえます.

 このような方々の希望を実現するために,薬の処方一辺倒の治療では求められてこなかった,患者さんの行動変容を促す医師の腕前が問われるようになります.決して簡単なことではありませんが,本書の助けがあれば,個々の症状や価値観に応じ,適切な食習慣や運動習慣を身につけてもらうための道筋が見えてくるはずです.本書には「生活処方箋」の裏付けとなる有用なエビデンスから,患者さんをモチベートするためのフレーズに至るまで,当事者の納得とやる気を引き出し,より良い生活習慣の継続を実現する術が豊富に掲載されています.これは薬に頼らず病気を治したい人に,大きな希望を与えることでしょう.

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 オックスフォード大名誉教授のロバート・トワイクロス先生を知らずして緩和ケアに携わっているメディカルスタッフはいないと言っても過言ではないほど,わが国をはじめ世界中でトワイクロス先生の書かれた著作は生きた教科書として使われている.

 私も緩和ケアにかかわりを持つようになって30年余り過ぎたが,自分の人生でハイライトとなったのが2008年10月に開催した第2回日本緩和医療薬学会の年会長としてパシフィコ横浜にトワイクロス先生を招請できたことである.メインホールが通路まで聴衆で埋め尽くされ,感動的な講演会となった.その特別講演の座長の労をおとりいただいたのが武田文和先生であり,そもそも私を緩和ケアの道に誘ってくれたのが的場元弘先生である.

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 ヘルスサービスリサーチとは,医療を一連のサービスとして捉え,「人に健康・幸福をもたらすサービスを,必要な人に,いかに効果的に届けるか」を研究し,医療・保健・介護・福祉サービスの質の向上を図る学問です.

 本書は,研究者から現場の医師まで幅広い執筆者による,関連分野との協働や学際的視点を取り入れた入門書であり,先駆的な米国の事例も参考にしながら,医療システムのマクロ的な視点から行政・現場におけるサービスまで,幅広く紹介しています.

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目次

次号予告

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 東日本大震災時の福島第一原子力発電所事故による大規模な放射線災害は,放射線に対する国民の不安や恐怖感を高める要因となりました.保健所などで放射線の健康影響に関する相談に応じることや,放射線災害時の公衆衛生活動のあり方を考える機会が増えました.

 本誌では,第75巻11号(2011年),第76巻12号(2012年)および第81巻4号(2017年)の特集企画の他,特別寄稿などの掲載を通じて,放射線関連の課題や,その解決に向けた提言などを幅広く紹介してきました.電子ジャーナルを購読されている方は,検索機能を活用してまとめてご覧いただくと,放射線リテラシーが一層高まると存じます.

基本情報

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公衆衛生
82巻11号 (2018年11月)
電子版ISSN:1882-1170 印刷版ISSN:0368-5187 医学書院

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