連載 睡眠と健康を考える・1【新連載】
不眠,睡眠時間,睡眠不足とは?
井谷 修
1
,
兼板 佳孝
1
1日本大学医学部社会医学系公衆衛生学分野
pp.854-858
発行日 2018年11月15日
Published Date 2018/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209011
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はじめに
近年,睡眠の分野における疫学研究の進展によって,短時間睡眠や不眠症などの睡眠障害は,食事・喫煙・飲酒・運動などの他の生活習慣と同様に,動脈硬化の危険因子や心血管疾患の発症を促進することが明らかにされてきている.睡眠の量・質的な障害による睡眠不足は日中に強い眠気や集中力の低下を来すため,産業事故や交通事故の発生の原因になる.そのため,睡眠の問題は広く現代社会に影響を及ぼすものと理解されており,極めて重要な公衆衛生学的問題として認識されるようになっている.
本稿では,最近の睡眠分野の疫学研究データについて,特に国民代表性やエビデンスレベルの高い研究結果を用いたうえで概説する.
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