medicina 56巻4号 (2019年4月)

増刊号 一人でも慌てない!—「こんなときどうする?」の処方箋85

上田 剛士
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 医師たるもの,専門分野を問わず,当直,訪問診療,僻地診療などでは自分自身で対応しなければならないことが数多くあります.また,自分の患者さんの不調に対応できなかったり,患者さんからの何気ない質問に答えることができないのは医師として心苦しく思うものです.

 この増刊号では「すべての医師が対応すべきこと」からちょっと背伸びをして,一回り成長できるような内容を目指しています.ちょっとデキる初期研修医を目指している医師,初期研修を終えてもう一回り総合力を身に着けたい医師,当直で自分の専門分野以外の領域の診療に困っている医師,専門医にいつでも相談できる環境ではない施設で働いている医師,訪問診療や僻地診療で分野を問わず診療しなければならない医師,外来や病棟で自分の患者はできるだけ自分で診療したいと思っている医師たちに役立つように,実地で使える内容を幅広く揃えました.

どうする? 循環器

1 ショックなんて怖くない 島 惇
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症例呈示

78歳女性.発熱・悪寒戦慄を主訴に来院.

●来院前日から頻尿,排尿時痛を認めていた.

●来院日に39℃の発熱・悪寒戦慄を認めたため,夫が救急要請して来院した.

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症例呈示

a.数日前から繰り返す,増悪傾向のある胸痛,背部痛を主訴に受診した42歳の男性.

b.突然発症した胸痛のため救急外来を受診した46歳の男性.

c.突然の胸部違和感,息切れ,失神を主訴に救急外来を受診した55歳の男性.

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症例呈示

80歳男性.3日前から日課の散歩時に動悸を自覚したため受診した.

●動悸に伴って息苦しさもあり,症状は増悪傾向.100m歩行で息切れする.

●既往歴:肥大型心筋症,痛風,脳梗塞後遺症.

●ADL:杖歩行.

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症例呈示

73歳男性.突然の胸痛の後,気分不快とめまい感を自覚.救急車で搬送された.

●来院時,心電図モニター上,心拍数30回/分.

●既往歴:高血圧症.

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症例呈示

突然発症の動悸発作を主訴とする75歳男性.

●脈拍は160/分であった.

●陳旧性心筋梗塞の既往歴がある.

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症例呈示

高血圧,2型糖尿病,心房細動,慢性腎臓病などで近医へ通院中の70代女性.

●約2週間前から下肢のむくみや労作時呼吸困難を自覚していた.

●深夜から急激に呼吸困難が増悪したため当院へ救急搬送された.

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 近年,心房細動およびこれに起因する脳塞栓症が増加している.一方,静脈血栓塞栓症およびこれが原因となる肺塞栓症の頻度も増加している.これらの予防には抗凝固薬が欠かせない.2010年までは,経口薬としてはワルファリン(ワーファリン®),静注薬としては未分画ヘパリンのみが使用可能であった.しかし現在は,ワルファリンのほかに非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(non-vitamin K antagonist oral anticoagulant:NOAC)がかなり普及し,また,低分子へパリンや静注用Ⅹa因子阻害薬も使用できるようになった.

 以前より格段に選択肢が増したわけだが,それらの適応や使い分けには,いまだに混乱がみられるのが現状である.本稿では,これまでのエビデンスやガイドラインを踏まえ,主に心房細動における抗凝固薬の使い分けと管理について概説したい.

どうする? 呼吸器

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症例呈示

数日前からの感冒を契機とした呼吸困難を主訴に受診した75歳男性.

●昨夜は苦しくて臥床して眠ることができず,ソファに座っていた.

●妻と2人暮らしであり,ADLは自立している.

●既往なし,内服薬なし.

●生活歴:喫煙歴は20本を20歳から現在まで.飲酒歴はなし.

●職業:大工.

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症例呈示

60歳女性.2カ月前からの持続する咳を主訴に内科外来を受診した.

●既往歴:高血圧.

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症例呈示

数週間前からの発熱および咳嗽で来院した70歳男性.

●最近になって血痰が出現した.

●アルコール常用者であり重喫煙者でもある.

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症例呈示

48歳男性.微熱と呼吸困難で受診し,胸水貯留を指摘された.

●37℃台の微熱と呼吸困難が3カ月以上続いている.咳嗽や喀痰はないが,右胸部に軽度の吸気時痛を有する.SpO2は室内気で98%.

●既往歴:血糖値が高いといわれたことがある(精査未).

●ADL:自立.

●胸部X線写真(図1).

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症例呈示

症例1:喘息

喘息の既往がある34歳男性.

●来院3日前から鼻汁,咳嗽,咽頭痛が出現した.前日から咳嗽が悪化し喘鳴が出現した.

●数時間前から呼吸苦と喘鳴が増悪し,横になることもできないため救急受診した.

症例2:慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)

認知症で精神科病院入院中の80歳男性.

●誤嚥性肺炎の診断で2日前からアンピシリン(ABPC)/スルバクタム(SBT)で治療開始となったが解熱せず,呼吸状態も悪化してきたため紹介受診となった.

●喫煙歴:former smokerで,20歳から40本/日を50年間.

どうする? 消化器

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症例呈示

「血を吐いた」と救急搬送された65歳の男性.

●数日前から心窩部痛があったが,仕事が忙しく病院受診ができなかった.

●吐いたものは,コーヒー残渣様に鮮やかな赤い血液が混在している.タール便なし.

●意識清明.心拍122回/分と頻脈あり,血圧120/75mmHg.

●生活歴:機会飲酒,喫煙なし.

●既往歴:脂質異常症の内服治療中,その他なし.

14 下血した! さあどうする? 島 惇
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症例呈示

82歳男性.

●半年前に心筋梗塞を発症し,アスピリン,クロピドグレルを内服中である.

●認知症があり,トイレまでは伝い歩き可能である.排便時に鮮血便を認めたために,妻とともに救急外来を受診した.

●下血は本人しか見ておらず1回だけのようで,腹痛や嘔吐はない.本人は下血したことを忘れており,「どこも悪くないから早く帰りたい」と興奮している.

●妻「普段は穏やかな人なんですけどねぇ」

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症例呈示

悪心・嘔吐が続く68歳男性.

●20日ほど前から食事が全く摂れず.水分は何とか摂っているが,何か口にするとすぐに嘔吐してしまう.

●下痢はしていないが,ここ1週間くらい歩行時に特にふらつくことが多く,力が出ない感じで,家族からみても明らかにやせてきた.

●本日は血液混じりの嘔吐があるため,当院救急外来を受診した.

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症例呈示

下痢で来院した63歳女性.

●前日より頻回の水様下痢と嘔吐が出現した.自宅で安静にしていたが,改善せず救急受診となった.

●体温 37.8℃.腹部に圧痛,反跳痛なし.周期的に腹痛が出現する.

●全身性エリテマトーデスでプレドニゾロン8mg/日を継続服用中.

●甲状腺機能異常を指摘されたことがある(詳細不明).

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症例呈示

初診の80歳女性.

●「便秘なので,便が出る薬をください」と診療所の外来を受診した.

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症例呈示

63歳男性.2時間前からの腹痛,嘔吐にて救急受診した.

●車椅子にて診察室入室.仰臥位はとれず,側臥位にて臥床した.

●高度の腹痛を訴え,苦悶状顔貌.

●バイタルサイン:血圧136/92mmHg 脈拍102/分.

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症例呈示

急性発症の下腹部痛を訴えて夜間に救急外来を受診した20歳女性.

●嘔吐しているが下痢はない.

●母親が同伴している.

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症例呈示

54歳女性.

●近医受診時の血液検査で“肝障害”を指摘され,精査目的に紹介受診した.

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症例呈示

65歳男性.外来は今回が初診であり,数カ月から徐々に下腿浮腫と腹部膨満が進行し,「お腹が張って苦しい」「食欲もでない」との訴えにて来院した.

●ADLは問題なし,独居.

●既往歴:病院受診なし,健診受診歴なし.

どうする? 内分泌

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症例呈示

1年前から骨粗鬆症の診断で活性型ビタミンD薬を内服をしている70歳女性.

●3カ月前の健康診断で血清Ca 10.5mg/dLと高値を指摘されたが,特に症状がないため放置していた.

●2週間ほど前に風邪を引き発熱した.解熱後も食思不振の改善がないため,内科外来を受診した.

●バイタル著変なし.血液検査でAlb 3.5g/dL,Cr 1.4mg/dL,Ca 12.6mg/dLと高Ca血症を認めた.

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症例呈示

38歳男性.

●1〜2カ月前より,口渇,多飲,多尿を自覚するようになった.

●1日前からの全身倦怠感が強くなり,心窩部不快感と嘔気を自覚したために内科外来を受診した.

●血糖値580mg/dL,HbA1c 13.5%.

24 インスリン注射あれこれ 村田 敬
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糖尿病の病型分類とインスリン療法の必要性

 インスリン製剤の主たる用途は,絶対的インスリン依存状態にある糖尿病患者の生命維持,ならびに相対的なインスリン不足状態にある糖尿病患者における有害な高血糖の補正と予防である.

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 「わかっちゃいるけどやめられない!」.これをいかにサポートするかは,外来医として腕の見せ所である.故・日野原重明医師は,不適切な食生活,運動不足,喫煙などで起こる病気を「生活習慣病」と呼び,生活習慣の介入の必要性をいち早く訴えた.メタボリック症候群(内臓脂肪症候群)は生活習慣病を発展させた概念で,内臓脂肪型肥満を共通の要因とする高血糖,脂質異常症,高血圧を呈する病態である.これらの要素が重複すると虚血性心疾患や脳血管疾患などのリスクが高まると考えられている1)

 メタボリック症候群は概して無症状で,患者の「困り感」は乏しい.しかし,高血糖,脂質異常症,高血圧の境界領域期から適切な介入を行うことにより生活習慣病を防ぎ,重症化・合併症を防ぐことができる.この知見に基づき本邦では2008年から,メタボリック症候群の対策として特定健診と特定保健指導が行われている.本稿では,外来でできる生活指導「愛のムチ」のポイントを整理し,短時間の外来で「わかっているし,やめられる」ように行動変容をサポートするヒントを提示する.主に,高血糖,脂質異常症,高血圧に対する具体的な介入ポイントを以下に示す.

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症例呈示

意識障害のため救急車でERに搬送された65歳女性.

●来院の半年前から両足がむくみ,体重が増加していた.

●数年前にも足がむくんだことはあるがその時とは異なり,今回のむくみは押してもへこまなかった.

●2日前にインフルエンザに罹患し近医で抗インフルエンザ薬の他,むくみに対して利尿薬が処方された.

●来院当日の朝に自宅で倒れているところを家族に発見され,当院ERへ救急搬送された.

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症例呈示

高熱のため救急車でERに搬送された28歳女性.

●来院1カ月前から手がふるえることを自覚していたが様子をみていた.

●最近仕事で寝不足が続いており,体調がすぐれなかった.

●本日から息切れ,大量の発汗,高熱が出現したため救急要請.

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症例呈示

急性の右腰背部痛で来院した62歳男性.

●腹部CTにて右尿管結石と診断し,NSAIDsを処方した.

●その後,自然排石があり経過良好だが,同CTで左副腎に最大径28mmの腫瘍性病変があることを上級医に指摘された.

●既往歴:高血圧(健診で指摘されるも未治療),内服薬なし.

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症例呈示

発熱,血圧低下のためERを受診した80歳女性.

●関節リウマチに対してステロイド投与中.

●来院の2日前から発熱,嘔気・嘔吐,水様性下痢があり近医を受診,急性腸炎として対症療法の方針となった.

●来院当日の朝にショック状態となり,当院ERへ救急搬送された.

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症例呈示

80歳女性,ADLは杖歩行で外出も可能.

●寝室で電灯をつけようとしたところ足を滑らせ尻もちをついた.

●背部痛が強く救急車を要請し来院.

●MRIで第1腰椎椎体にSTIR高信号域を認めた.骨密度検査でYAM 60%と低骨密度で,二次性骨粗鬆症を疑う病歴・検査所見もなく原発性骨粗鬆症による第1腰椎新鮮椎体骨折と診断した.

●鎮痛・リハビリのため当院総合診療科に入院した.

どうする? 腎臓・泌尿器

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症例呈示

症例1.初めてマラソンに出場した小柄な19歳女性.

●脱水にならないよう多量にミネラルウォーターを飲んでいたが,マラソンの途中で痙攣しはじめ,意識状態が悪くなったため救急搬送された.

症例2.高血圧以外に既往のない,ADL自立の80歳女性.

●頭痛,倦怠感が徐々に強くなってきたため内科初診外来を受診した.

●血液検査でNa 112mEq/L,胸部X線で右肺門部に腫瘤影を認めた.

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症例呈示

ADL自立した78歳男性.

●慢性腎臓病(CKD stage 3B,原疾患:糖尿病性腎症)で,腎臓内科に通院中である.

●3週間前に,両下腿の浮腫が増悪するため,トリクロルメチアジド1mgを追加された.

●1週間前から倦怠感と四肢の脱力が出現し徐々に増悪し,ベッドから起き上がれなくなったため,救急車でERを受診した.

●身体所見:意識清明,身長170cm,体重75kg,血圧123/70mmHg,脈拍数80回/分・整,呼吸回数18回/分,静脈血酸素飽和度100%(室内気),体温36.4℃.頭頸部は眼窩陥凹なし,口腔内乾燥なし,頸静脈怒張なし.呼吸音は清,左右差なし.心音は整,心雑音なし,Ⅲ音なし,Ⅳ音なし.四肢に両下腿浮腫なし,腋窩乾燥なし,筋圧痛なし.

●薬剤歴:フロセミド,トリクロルメチアジド,ロサルタン,ニフェジピン,リナグリプチン,ミグリトール.

●検査所見:WBC 7,200/μL,Hb 14.3g/dL,Plt 18.2万/μL,TP 6.8g/dL,Alb 3.5g/dL,AST 23IU/L,ALT 25IU/L,LDH 156IU/L,Na 143mEq/L,K 2.8mEq/L,Cl 93mEq/L,Ca 9.8mg/dL,BUN 40mg/dL,Cre 2.5mg/dL,CRP 0.1mg/dL,Glu 98mg/dL.

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症例呈示

癒着性腸閉塞のため入院で保存的加療中の75歳男性.

●入院3日目の採血で血清K 6.7mEq/Lと上昇

●既往:糖尿病性腎臓病,高血圧症,脂質異常症

●ADL:自立.

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症例呈示

前立腺肥大症の既往のある80歳男性.

●感冒のため来院前日から近医で鎮咳薬(リン酸コデイン®)を処方された.

●来院8時間前から自尿がなく下腹部痛で救急外来受診.

●腹部超音波検査(以下,エコー)では膀胱拡張と両側水腎を認めた.尿道カテーテルを留置して1時間で1,500mLの排尿を認めた.

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症例呈示

血尿のため夜間に救急外来を受診した68歳男性.

●血尿が出た後からなんとなく尿が出にくい感じがある.痛いところはない.

●既往はこれまで特になし.

●喫煙歴20本/日×50年程度.飲酒はほとんどしない.

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症例呈示

腎機能低下(Cr 4.56mg/dL)のため近医より紹介された83歳女性.

●2週間前の定期受診時の血液検査ではCr 0.95mg/dL.

●既往歴:高血圧症,腰椎圧迫骨折.

●内服歴:アムロジピン2.5mg,エナラプリル5mg,エルデカルシトール0.75μg.

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症例呈示

突然の左側腹部痛で動けなくなり,救急要請した66歳男性.

●痛みで悶えている.冷汗が見られ,発熱はないが顔面蒼白.血圧75/40mmHg,脈拍110回/分.

●生活歴・既往歴:ヘビースモーカー.頻回の尿路結石症で救急受診歴あり.高血圧症,腹部大動脈瘤.

●ADL:自立している.

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症例呈示

頻尿と尿失禁のために受診した78歳男性.これまでも数回,膀胱炎を繰り返し,近医にて抗菌薬加療を受けた経緯がある.

●既往歴:直腸がん手術(10年前),2型糖尿病(8年前).

●家族歴:特記事項なし.

39 先生,タマが痛い! 小堀 善友
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症例呈示

耐えがたい陰囊痛を主訴に,早朝外来を受診した14歳男児.

●熱発なくバイタル安定.

●特に既往歴もなく,普段は健康であった.

どうする? 神経

40 突然の頭痛がっ! 島 惇
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症例呈示

48歳女性.

●自宅で洗い物を終えた直後に突然発症の頭痛を認めたため,救急外来を受診した.

●症状は頭痛のみで嘔気・嘔吐,失神などの随伴症状は認めない.

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症例呈示

「いつもの頭痛がして辛いです」と言って,救急外来を受診した30歳女性.

●来院当日朝から徐々に締め付けられるような頭痛が出現し,光過敏,悪心・嘔吐を伴う.

●既往:片頭痛の疑いと指摘されたことがある.

●内服薬:市販のロキソニン®を頭痛時に服用する.

42 しびれるんです…… 塩尻 俊明
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症例呈示

手のしびれを自覚したが改善しないため,内科初診外来を受診した56歳女性.

●既往歴:特になし.

●職業:農業.

●システムレビュー:ここ最近は収穫で多忙であった.

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症例呈示

67歳男性.足の力が入らないとの主訴で内科外来を受診した.

●バイタルサインに異常なし.平地はなんとか歩けるが,階段は昇りにくい.

●既往歴:高血圧症,脂質異常症.

●内服薬:アムロジピン,シンバスタチン,芍薬甘草湯.

44 めまいが続いています 白神 真乃
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症例呈示

高血圧,糖尿病で内服加療中の65歳女性.

●起床時に突然,回転性めまいと嘔吐が出現し,歩行困難となった.

●横になって安静にしていたが症状は改善せず,家族が救急車を要請した.

●病院到着時,めまいと嘔吐は持続していた.

●固く閉眼した眼を開けてみると,右向きの眼振を認めた.

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症例呈示

66歳女性.受診当日,朝に回転性めまいを自覚し,嘔気も伴うため救急要請.

●頭を動かさなければめまいは落ちつくが嘔気は残る.

●起き上がった時にめまいが生じるが,寝返りでも生じると言う.

●高血圧はあるが,糖尿病,脂質異常症はなく,喫煙歴はない.

●内服薬はカルシウム拮抗薬のみである.

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症例呈示

転倒による頭部打撲で搬送された78歳男性.

●受傷直後は意識がなかったが,ER到着時には清明.

●先週も頭部打撲で他院を受診しており,その時は歩行中に意識が飛び,気がついたら転倒していたとのこと.

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症例呈示

様子がおかしいために救急車で搬送された80歳男性.

●前日から発熱があった.

●来院時,問いかけには反応するが自発語はなく傾眠.

●バイタルサインは体温38.0℃,血圧120/70mmHg,脈拍100/分,SpO2 95%,呼吸数12/分である.

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症例呈示

もの忘れを主訴に受診してきた67歳男性.

●初診の5日前にもの忘れ症状が出現し,20年間従事していた調理の仕事が突然できなくなった.

●既往:高血圧で服薬中.

●神経学的には,発語はやや不明瞭であるが明らかな麻痺などはない.

49 入院後せん妄に…… 小川 朝生
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症例呈示

86歳女性.

●高血圧にて外来通院中.独居で自立した生活を送っており,外来では認知症を疑うような様子はなかった.

●1週間ほど前から咳嗽とともに38.0℃の発熱,倦怠感,食欲不振が出現した.

●感冒と思って様子をみていたが,改善が乏しいため外来を受診.肺炎の疑いで治療目的に入院した.

●既往:高血圧,脳梗塞.

●入院した夕方に,病棟スタッフが抗菌薬の点滴指示を実施しようとしたところ,「何をするんだ」と怒り出した.きょろきょろと落ち着かず,会話をしようとしても,すぐに目線が外れ,あらぬ方向を見ている.落ち着かないため,不穏時のエチゾラム(デパス®)を使っても改善せず,ますますひどくなった.「ここはどこ?」と確認するが,「家……あなたはどうして勝手に家に上がってくるの!すぐに出て行って!」と興奮する.

●病棟スタッフより,「指示が実施できない」「このまま拘束するか?」と連絡がきた.

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症例呈示

数年前から動きが鈍くなってきたことを主訴に内科外来を受診した70歳男性.

●バイタルサインに異常はなく,動作全体がゆっくりしている.

●既往:特記事項なし.

●ADL:full.

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症例呈示

発語障害と右片麻痺をきたした67歳女性.

●知人宅に出かけ,談笑中の14時50分に夫と友人の目の前で右に倒れた.意識がぼんやりとして会話ができない様子があり,救急車で15時46分に当院救急外来へ搬入された.

●既往歴:高血圧症(数年前から指摘あるも未加療).

●生活歴:機会飲酒.喫煙歴なし.

●発症前のADL:自立.

52 目の前で痙攣した 松本 学
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症例呈示

脳梗塞の既往をもつ70歳男性.

●朝から話し方がおかしいことに妻が気付き,夕方に救急外来を受診した.

●独歩可能であり,明らかな麻痺はなかった.

●神経症状を確認していると突然,右上下肢を突っ張り,その後,全身性の強直間代性痙攣を呈した.

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症例呈示

受診当日の朝,歯磨きをしていたら左に顔が引きつれ,右側の口の閉まりが悪いことに気づいた70歳男性.

●手足の麻痺やしびれはないが,右の耳の辺りが少ししびれると訴える.

●昨年の健康診断で軽度の耐糖能異常を指摘された.

●65歳退職後はボランティア活動をしていて,ADLや理解力に問題はない.

どうする? 血液

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症例呈示

近医眼科より貧血の精査依頼のあった76歳男性.

●生来健康で医療機関への受診歴なし.

●視力低下にて近医眼科を受診.軟性白斑の散在を指摘され,基礎疾患の精査目的に血液検査を実施され,Hb 6.9g/dLと貧血を指摘され,精査目的に内科を紹介された.

●特記すべき既往歴なし.

●ADL全自立.問診にて4カ月ほど前より息切れがあり,平地を自分のペースで歩行する際には問題ないが,駅の階段では途中で休む必要があるとのこと.

●下血や黒色便の自覚なし.

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症例呈示

悪性リンパ腫で化学療法中の80歳女性.

●夜間,39℃の発熱のため内科当直医に相談があった.

●同日朝の血液検査では好中球数が200個/μLと低値であった.

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症例呈示

16歳女性.

●約2週間前に,他院でてんかん治療が開始された.

●数日前から発熱と,全身にかゆみと発赤を伴う湿疹がある.

●自宅近くの皮膚科で採血検査を受けたところ,好酸球増多(4,000/μL)を指摘され,総合病院を紹介受診した.

57 血小板が少ない 三枝 万紗
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症例呈示

症例1.特記すべき既往のない17歳男性.来院2日前に両側大腿内側の紫斑に気づいた.来院当日に紫斑が口腔内,肩,前胸部〜心窩部,手指,両側下腿にまで広がってきたため受診.血液検査で血小板数4万/μLと血小板減少を認めた.1週間前に上気道炎に罹患していた.薬剤は使用していない.

症例2.全身性エリテマトーデス(SLE),ループス腎炎の再燃で入院中の70歳男性.本日38℃の発熱,意識障害をきたし,呼吸数は30回/分前後であった.浮腫によりライン確保が困難であり,中心静脈ラインを挿入していたため,血液培養を2セット採取したうえで入れ替えを行ったが,ライン刺入部よりじわじわと出血がみられた.血液検査では血小板数4万/μLと低値であった.患者はSLEに対してプレドニゾロン50mgとアザチオプリン75mg,ニューモシスチス肺炎の予防のためST合剤,さらに5カ月前に起こした心筋梗塞に対して経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた既往があり,アスピリン,クロピドグレル,プロトンポンプ阻害薬(PPI)を内服していた.

どうする? 感染症

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症例呈示

34歳男性.3週間前から38℃台の発熱があり,いくつかの医療機関を受診して抗菌薬処方を受けるが改善せず,あなたの外来を受診した.抗菌薬処方を受けてから下痢と体幹に小紅斑が出現したが,それは改善している.悪寒戦慄はない.体重は5kg減少した.

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症例呈示

発熱のため,往診依頼のあった86歳女性.

・38.0℃の発熱と倦怠感があるが,咳や鼻水はなく,痛い場所もない.

・既往:高血圧,脳梗塞後遺症.

・ADL:杖歩行.

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 次の症例から,抗菌薬の適正使用について考えてみたい.

高熱を主訴に入院した70歳男性.

原因はよくわからないが,高熱が心配で担当医はピペラシリン・タゾバクタム(ゾシン®)を開始した.1週間後に解熱したが,経過中にMRIで椎体炎が見つかった.担当医は今後の抗菌薬治療をどうすればよいかわからず,困ってしまった.

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症例呈示

30代男性が4日前からの発熱と2日前からの体幹を中心とした皮疹(図1)を主訴に来院した.

●随伴症状として頭痛,咽頭痛,下痢,食欲低下を認める.

●結膜充血を認めるが,リンパ節腫脹は認めない.

62 免疫不全患者の肺炎 羽田野 義郎
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症例呈示

73歳女性.

●全身性エリテマトーデス(SLE)に対してプレドニゾロン20mgを内服しており,外来フォロー中.

●1週間前からの呼吸苦,全身倦怠感で来院.胸部X線,胸部CTの結果,肺炎の診断で入院となった.

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症例呈示

発熱を主訴に救急外来を受診した生来健康な30歳女性.

●39℃の発熱と倦怠感を認めるが,その他の随伴症状はない.

●タイに仕事の研修のため2週間滞在.タイ入国1週間後から悪寒と全身倦怠感が継続.

●2週間の研修を終了し,日本に帰国,39℃の発熱を認めていたため翌日に救急受診.

どうする? 整形外科

64 関節が痛い 吉田 雄介
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症例呈示

関節痛のため受診した63歳女性.

●2カ月前より両手のこわばり,左手関節の痛みを自覚している.

●2週前より両第2〜4指の近位指間(PIP)関節,両膝関節の痛みも自覚するようになった.関節リウマチを心配して来院した.

65 肩が痛い 赤坂 義矢
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症例呈示

2週間前から右肩の痛みを主訴に救急外来を受診した46歳男性.

●最初は運動時のみの痛みだったが,徐々に安静時にも疼痛が出てきた.

●右上肢を側方に挙上していくと90°前後で疼痛が生じる.

●既往歴:脂質異常症.

66 腰が痛い 赤坂 義矢
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症例呈示

68歳男性,朝起き上がる時に突然腰痛を自覚し,改善しないため外来受診した.

●1カ月前にバイクで転倒し右鎖骨骨折に対して手術を受けている.

●右鎖骨の手術翌日から味覚障害を訴え食事量が減っている.

●既往歴:なし.

どうする? 耳鼻咽喉科・眼科・皮膚科

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症例呈示

特に既往のない47歳男性.

●2日前より咽頭痛を自覚し,発熱もみられた.

●咽頭痛が徐々に増強し,唾液の嚥下も困難になったため受診した.

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症例呈示

20代女性.2週間前から眼のかゆみと充血があり,抗ヒスタミン薬を点眼していたが悪化してきたと受診.眼瞼腫脹と眼脂,結膜充血,結膜浮腫を認める(図1).

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症例呈示

40代男性.

●扁桃炎のため近医から抗菌薬を処方され内服.

●来院30分前から全身に蕁麻疹が出現したため当院を受診した.

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 本稿では,日常診療において内科医でも診ることがあろう皮疹(環状皮疹,水疱性疾患)についてなるべく自身で鑑別,適切に皮膚科医にコンサルトができるようフローチャートを基に解説していく.

 熟練した皮膚科医であれば皮疹を診ただけで診断をつけられることが多いのかもしれないが,われわれ内科医には難しい.そのため発症様式,皮疹の特徴,随伴症状などのポイントを押さえて診療にあたる必要がある.

どうする? こんなとき

71 急性薬物中毒 永野 明範
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症例呈示

簡易宿舎のベッドの下で倒れていたため救急要請された78歳男性.

●明らかな外傷はなく,呼びかけると唸り声での応答がある.痛み刺激に対しては払いのけ動作がみられ,明らかな左右差はない.

●既往歴,薬剤歴は不明.

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症例呈示

6歳男児,特記すべき既往なし.

主訴:ビー玉誤飲,腹痛.

病歴:受診前日の夕方にビー玉(直径1cm,ガラス製)を飲み込んだと家人に言い,腹痛の訴えもあった.しかし訴えは二転三転し不明瞭で,腹痛も軽度であったため自宅で経過観察していた.受診当日の夕方から再度ビー玉誤飲と腹痛の訴えがあった.腹痛症状は前日と比べて増悪は認めなかったが,家族に連れられて受診となった.

73 眠れないんです 重島 祐介
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症例呈示

高血圧で通院中の80歳女性.定期受診の際に「最近,眠れないんです……」と相談があった.

ADLは自立で,単身生活者である.飲酒,喫煙はしない.

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症例呈示

食思不振と心窩部痛にて初診外来を受診した30歳男性.

●1年前より食思不振を自覚した.思い当たる契機はなかった.

●直近1年間で体重が10kg減少した.

●1カ月前から2/10程度の心窩部痛を時々自覚するようになった.

●既往:1年以上前に半年ほど,うつ病にて精神科通院歴あり.頭痛にて市販のロキソプロフェンを服用中である.

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症例呈示

2カ月前から足のむくみがあり,初診外来を受診した74歳女性.

●足に痛みはなく,熱もない.

●食欲は変わっていないが体重は増えた.

●既往に糖尿病,高血圧,脂質異常症がある.

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症例呈示

42歳女性.2〜3週前から右頸部が腫れてきたので心配になって来院.

●右上頸部胸鎖乳突筋前方に4cm大の無痛性のリンパ節を触知する.

●先週から37℃前後の微熱があるが,体重減少はない.

●既往歴なし.

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症例呈示

48歳男性.元来酒飲み.40歳頃より酒量が増大し,45歳頃より職場で酒臭を指摘されるようになった.遅刻や無断欠勤を認めるようになり,酒の飲み方をめぐり妻との口論が増えていった.妻とは別居状態となり,食事も摂らずに酒を飲むようになったため,心配した実母に連れられて病院を受診し,入院となった.最終飲酒は昨晩である.

●意識清明,手指振戦が認められる.

●既往:肝機能障害,高血圧.

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症例呈示

めまい,両下肢のしびれのために受診した70歳男性.3カ月前からふわふわするめまいを歩行時に自覚し,両下肢の足底を中心に,下腿全体が常にしびれている感じがある.

●小脳失調や歩行障害はみられず,神経学的に異常所見はみられない.

●既往歴:高血圧.糖尿病なし.脊柱管狭窄症などの整形外科疾患なし.

●ADL:自力歩行.

●家族背景:妻と二人暮らし.

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 読者の皆さんは,飛行機で「お医者様はいらっしゃいますか」と呼ばれたことはあるだろうか.筆者は4度あり,3度は手を挙げて対応した.いずれも日本国の航空会社ではないという不便さはあったものの,幸い軽症で事なきを得た.人生最初のドクターコールでは,学生だったので手を挙げず,2度目もすぐには手を挙げなかった.いや,挙げられなかった.そのような経験から,実際のところどのようなものなのかお話ししたい.

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症例呈示

86歳男性.自宅で転倒し起き上がれなくなっている状態で見つかり,救急外来に搬送された.

●脳梗塞,認知症,高血圧,変形性膝関節症の既往あり.

●認知症の妻,長男夫婦と4人暮らし.

●普段の日常生活動作(ADL)は自立している.

81 咬まれた! 有吉 孝一
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 “咬まれた患者”を診る際には,創傷の問題だけでなく,①毒,②感染症,③アナフィラキシーに気をつけなければならない.本稿ではヘビ,哺乳類,虫に咬まれた(刺された)場合の対応について,押さえておくべきポイントを解説する.

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 血液ガス分析を迅速かつシステマティックに解釈できれば,救急室や集中治療室,病棟での急変対応などの多くの場面で強力なツールとなりうる.血液ガス分析では多数の項目が測定されるが,本稿ではそのメインとなる呼吸不全の評価と,酸塩基平衡異常の評価を扱う.

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 妊婦・授乳婦の診察,あなたはどんな気持ちで臨んでいるだろう,ちょっぴり身構えて診療に臨むことが多いのではないだろうか? 苦手意識が強いトンデモ医師になると「妊婦は,内科ではなく産婦人科が診るべき!」「授乳中は一切,薬を出さない!」などと,妊婦・授乳婦を医療難民にしかねない.妊婦・授乳婦の診療は,ポイントさえ押さえれば怖くない.本稿では,コモンな疾患を中心に妊婦・授乳婦における薬の選び方と説明のポイントを提示し,安心して診察に当たれることを目指したい.

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あなたは暴力を受けたことがありますか?

 暴力を,相手からの攻撃の意思をもった「物理的」な打撃と考えている医師は多い.しかし,一般的に医療機関では,暴力は暴言やセクシャルハラスメントを含んだ下記のような幅広い定義をとる1)

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市民権を得た“ポリファーマシー”

 “ポリファーマシー”という言葉が広まってから,ずいぶんと経った.いまや,さまざまな媒体でポリファーマシーが取り上げられ,先人たちの努力により,ポリファーマシーはすっかり市民権を得たと言えるだろう.そしてそれは,逆に言えば「普通のポリファーマシー記事を書いたって,絶対みんな読み飽きているに違いない」ということになる.

 そこで今回は「いつもとは一味違った新感覚ポリファーマシー記事にしてみよや!」という“世界のキタカズ”,いや“世界のポリカズ”こと北和也先生にそそのかされた私(徳田)が,症例を元に2人であれやこれや喋った内容を書き下ろした「漫談形式」にしてみた.漫談なので,ノーエビデンスな内容もこっそり紛れ込んでいるが,どうかご容赦願いたい.

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medicina
56巻4号 (2019年4月)
電子版ISSN:1882-1189 印刷版ISSN:0025-7699 医学書院

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