特集 10年前の常識は非常識!?—イマドキ消化器診療にアップデート
疾患
急性虫垂炎—診断と治療(WSESエルサレムガイドラインより)
新宮 優二
1
1日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院一般消化器外科
キーワード:
急性虫垂炎
,
エルサレムガイドライン
,
保存的治療
,
手術
Keyword:
急性虫垂炎
,
エルサレムガイドライン
,
保存的治療
,
手術
pp.122-125
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228703
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
今より約20年前,右下腹部痛を訴え同部に触診上所見があれば,直ちに虫垂炎を疑い,手術(開腹)を行っていた.そして,当時いわゆる“散らす”という保存的治療は,将来の再発リスクを許容せざるを得ない特別な社会的理由がなければ選択されない治療方針であった.
近年では,虫垂炎診断だけでなく炎症程度の評価が可能となり,それに合わせて治療方針も,保存的治療,非侵襲的な手術(腹腔鏡下手術など),保存的治療からの計画的待機的手術など,多様化している.そのなかで,2015年に初めてWorld Society of Emergency Surgery(WSES)により急性虫垂炎の診療ガイドライン(WSESエルサレムガイドライン,2020年初回改訂1))が策定され,虫垂炎治療の方向性が示された.
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.