増刊号 一人でも慌てない!—「こんなときどうする?」の処方箋85
どうする? 血液
57 血小板が少ない
三枝 万紗
1
1洛和会丸太町病院救急・総合診療科
pp.307-313
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226168
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症例呈示
症例1.特記すべき既往のない17歳男性.来院2日前に両側大腿内側の紫斑に気づいた.来院当日に紫斑が口腔内,肩,前胸部〜心窩部,手指,両側下腿にまで広がってきたため受診.血液検査で血小板数4万/μLと血小板減少を認めた.1週間前に上気道炎に罹患していた.薬剤は使用していない.
症例2.全身性エリテマトーデス(SLE),ループス腎炎の再燃で入院中の70歳男性.本日38℃の発熱,意識障害をきたし,呼吸数は30回/分前後であった.浮腫によりライン確保が困難であり,中心静脈ラインを挿入していたため,血液培養を2セット採取したうえで入れ替えを行ったが,ライン刺入部よりじわじわと出血がみられた.血液検査では血小板数4万/μLと低値であった.患者はSLEに対してプレドニゾロン50mgとアザチオプリン75mg,ニューモシスチス肺炎の予防のためST合剤,さらに5カ月前に起こした心筋梗塞に対して経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた既往があり,アスピリン,クロピドグレル,プロトンポンプ阻害薬(PPI)を内服していた.
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