Brain and Nerve 脳と神経 28巻4号 (1976年4月発行)

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不随意運動アトラス1

Oral Dyskinesia 大友　英一 28巻4号 , 1976年4月 , pp.318-323

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　Oral dyskinesia　は　facio-bucco-lingual-masticatorydyskinesia，bucco-lingual dyskinesia，bucco-lingualmasticatory dyskinesiaなどともいわれ，絶えず口唇，舌を中心に起る不随意運動である。即ち，口をすぼめる運動，口を開き舌を口唇の間につき出す運動，舌を多少回転させる運動，舌つづみを打つ運動，吸啜運動，咀嚼運動などが常同的に起こるものであるが，時には顔をしかめ，頭部を振り，更に上肢，躯幹にも及び躯幹を前後に屈伸したり，骨盤をゆり動かすこともある。この不随意運動は精神的緊張時に増強し，言語，咀嚼など随意運動時は一時的に消失し，また睡眠時は完全に消失する。

　患者はこの不随意運動に気付かないこともある。

総説

頭蓋内圧測定法（1）—頭蓋内圧測定法の歴史池山　淳 , 前田　成 , 永井　肇 28巻4号 , 1976年4月 , pp.325-332

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I．はじめに

　頭蓋内圧亢進の病態像を解明するには，先ず正しく頭蓋内圧を測定することが必要である。しかし歴史的には，一見単純な頭蓋内圧測定が非常にむずかしいことであつた。

　18世紀から19世紀にかけては，頭蓋内圧に関する興味も少なくその測定法も頭蓋骨に作られた骨窓から脳を観察してその圧迫の程度を類推したにすぎずとしても圧力を測定するまでに至らなかつた、1891年Quinke^37）により腰椎穿刺が行なわれるようになつてからは，一応圧力をガラス管内の水柱圧として測定することが可能となつたが，このようなopen manometerによる測定値が果して正しい内圧を表現しているかどうかについては常に疑問が持たれて来た。即ち，open manom—eterによる測定では，髄液をガラス管内に導出し，同時に内圧を大気圧に開放することになるのでこれらの条件が内圧に変化を与える系では測定値は内圧を表現したとは言えないのである。この欠陥を克服するため種々の圧力測定法が開発された結果，1950年代に入って，性能の秀れたpressuretrasducerが開発され，頭蓋内圧をHydrostaticpressureとして測定する方法と理論が確立された、1960年代になると，半導体が圧力計に応用されるようになりそれまでのpressure transducerの小型化，高感度化が進み一層正確な圧力測定が可能となつた。しかし，通常頭蓋内圧を測定する場合，脳室穿刺による圧力測定が行なわれるため，患者の出血・感染に対する危険が高まることは避けられない。この為，近年では，脳外科医を中心として，硬膜外から頭蓋内圧を測定する方法の研究が始められている。更に，頭蓋内圧をこのような全体的なhydrostatic pressureとみる考え方の他に，局所の神経組織が圧迫，偏位されたり，張力によつて引き仲ばされるといつた種類の圧力，即ち，脳を一種のviscoelasticityを有する物質とみた場合の力学的圧力分布を測定する方法が模索され始めた。本論文では，先ず，このような，頭蓋内圧測定法の歴史的変遷を概観し，現在の頭蓋内圧測定法の持つ問題点と将来の研究方向の位置づけを行なつた。

原著

大泉門拍動波形の分析（第2報）—特に拍動波の振幅と乳児の月齢および脳実質の厚さとの関係について林　隆士 , 白水　徹 , 正島　隆夫 , 渡辺　光夫 , 高木　繁行 , 倉本　進賢 28巻4号 , 1976年4月 , pp.337-343

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I．はじめに

　頭蓋内圧の亢進に伴なって脳拍動波の振幅も高くなって行くという事実はかなり以前から知られていたが，中でもCushing （1901）^3）は頭蓋内圧亢進が強まるにつれて脳の拍動の振幅も増加してゆき，頭蓋内圧と全身血圧とが最も接近した時に脳の拍動波の振幅は最大となると述べた。

　このように，頭蓋内圧と脳拍動の強さとの間には密接な関係がある。

内臓神経を遠心路とする胃運動抑制反射および促進反射の中枢機序について藤井　一元 , 溝西　伾 , 長尾　由尚 28巻4号 , 1976年4月 , pp.345-352

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I．はじめに

　胸髄を反射中枢とし，内臓神経を遠心路とする胃運動調節反射の主体は抑制反射^14）であるが，近年，銭場らによって，内臓神経を遠心路とする多くの胃運動促進反射が証明されている^{10,15〜17）}。また，これらの反射中枢のlocalizationに関しては，Jacobsohn （1908）^7）にはじまる一連の組織学的研究^1,8,12）によって，intermedio-medialnuclei，intermedio-lateral nucleiおよびintermediatedisseminated cellsなどが交感神経核としてみとめられている。また，Sembaら^8）は，胸髄の刺激実験によつて，これらの諸核に，胃運動抑制点（刺激によって胃運動抑制反応を生ずる部位）が集中することをみとめている。これに対し，副交感神経核はdorsal nucleiなど正中よりの細胞群が，呉，冲中^11）および川口ら^9）の組織学的追及で指摘されているが，これらの諸核は，inter—medio-lateral nucleiの背側部と共に，胃運動促進点（刺激によって胃運動促進反応を生ずる部位）が最も多く証明されているところである（Sembaら^8））。これらの諸成績は，胸髄の中に，内臓神経にその線維をおくる胃運動抑制neuronと共に，促進neuronが存在することを示唆している。これに関して著者ら^3,4）は，脊髄動物における内臓一内臓神経胃運動抑制反射の際に，その放電数が増加する胃運動抑制点と，放電数が減少する胃運動促進点が存在することをみとめ，この胃運動抑制反射には，胃運動抑制neuronの興奮のみならず，促進neuronの活動の変化もこれに関与していることを指摘してきた。

　本実験では，胸髄におけるそれぞれの胃運動抑制点，促進点の電気的活動について，前報告^3）の脊髄動物における抑制反射のみならず，延髄—胸髄間無傷の場合の抑制反射および前庭—胃運動促進反射の三方向から追及した。その結果，胃運動抑制点，促進点の何れにも，その放電パターンからみて，前者に3種類後者に2種類のtypeが存在することがみとめられた。これらの成績にもとづき，内臓神経を遠心路とする胃運動抑制反射および促進反射の中枢内経路について考察したので報告する。

動脈瘤を内在した脳底部異常血管網の剖検所見—特に手術用顕微鏡による検索所見について大野　喜久郎 , 藤本　司 , 小松　清秀 , 平塚　秀雄 , 稲葉　穰 , 上笹　皓 , 芝田　敏勝 28巻4号 , 1976年4月 , pp.353-364

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I．はじめに

　第33回日本脳神経外科学会総会において，西本らによりいわゆるモヤモヤ病が日本全国で518症例に至ったことが述べられ，剖険症例も20例を越えた^12）。諸外国においても年々本症の報告が増し，現在では決して日本人に特有な疾患とはいい難い状況である。西本らの集計した症例全てが脳血管写上同様な所見を呈しているか否かは不明であるが，もともと本疾患は脳血管写上の所見に基づいた1つの症候群ともいうべきもので，その本態についてはまだ一定した見解はない。従来，先天説と後天説との間で活発な論争がなされてきたが剖検例や脳血管写上の効果的な経時追跡例が少ないことが，これらの論争の進展をはばんでいる1つの要因となっており，本症の名称の統一もいまなおなされていない。論点の中心は，ウィリス動脈輪の両側性狭窄ないし閉塞および脳底部異常血管網についてであり，またこの病態を単一疾患と見做してよいかなどにあった。発症年齢では2峯性を示し，臨床症状，脳血管写所見あるいは症状の経過などに差異が認められることから，小児群と成人群のcausal genesisの異同についても問題となっている。しかしながら，これらはいずれも未解決のままであり，現段階では具体的事実を記すにとどまらざるを得ないが，個々の症例の長期的追跡，剖検例の詳細な検討およびこれらの蓄積などが現状を打開するのに必要となると考えられる。そのような意味で，われわれの経験した1剖検例について，他の剖検例と比較し，またその問題点について得られたところを報告する。

平衡型圧センサーによる臨床用頭蓋内圧モニター装置について沼本　満夫 28巻4号 , 1976年4月 , pp.365-370

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I．はじめに

　臨床用の頭蓋内圧（以下ICPと略す）のモニターに用いるセンサーとして望ましい条件は，（1）小型で容易に頭蓋内に挿入しうること，（2）長期間安定に動作すること，（3）簡単に滅菌できること，（4）比較的安価なこと，（5）堅牢なことなどがあげられる。この他，患者と外部装置との間に，ケーブルや管などの結合のない，即ちテレメーター式のものが最も理想的であるが，これは現在までにいろいろな方法が試みられているに係らず，まだ実験の域を出ず，臨床用としては実用化されていない。

　筆者は，上記の5条件を目標に，1965年以来ICPモニター用センサー並に関連装置の開発に努力し，現在までに3種類のセンサーとそれに付随した記録装置が実用化されているので，これらについてそれぞれの特色利点，欠点などをのべる。

てんかん患者脳背髄液中のホモバニリン酸濃度小林　清史 , 江原　やよい , 細川　清 , 奥　謙 28巻4号 , 1976年4月 , pp.371-377

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I．はじめに

　てんかん発作発現の生化学的機序を追究する1つの試みとして，脳内における神経伝達物質と想定されているカテコールアミンとてんかん発作との関係について，過去20年間に数多くの動物実験が行われてきた。これらの研究成果については，著者の1人小林が総説としてまとめたが^27），ドーパミンやノルエピネフリンが脳内発作活動に対して抑制的な役割を果していることが，ほぼ確認されている！しかしながら，動物実験では多くの重要な知見が集積されてきたにもかかわらず，臨床的にてんかん患者とカテコールァミン代謝との関係を追究した研究は，これまでほとんど行なわれていない。

　ヒトにおける臨床生化学的研究では，脳脊髄液（髄液）中のカテコールアミン代謝物を測定することによつて，間接的にではあるが脳内カテコールアミン代謝の状態を知ろうとする方法が，最近盛んに行われている。てんかん患者については，ドーパミンの代謝物であるホモバニリン酸（HVA）の髄液中濃度に関して，いくつかの報告^{3,5,17,33,34）}がみられる。私どもはすでに，小児てんかん患者の脳室髄液中HVA値が，非常に低いという成績を発表したが^26），ついで，てんかん患者脊髄クモ膜下腔内の髄液HVA値について検討を加えたところ，対照群に比べて有意に低下しているという成績をえた。本稿では，この研究成績を報告し，あわせててんかん発作と脳内カテコールアミン代謝との関係について考察を加える。

焦点性てんかんの局所脳循環に関する研究—特に機能負荷試験による焦点部位の病態生理を中心として及川　忠人 28巻4号 , 1976年4月 , pp.379-388

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I．はじめに

　焦点性てんかんにおける脳循環の増加については，すでに諸家により報告されている^6,2,7,11）。しかし，発作期と発作間激期の脳循環の変化については，不明な点が少なくない。

　Ingvar^3）は¹³³Xe clearance法による局所脳循環（以下rCBFと略す）測定装置を使用し，視力障害を伴う後大脳動脈閉塞症例の後頭葉焦点部位にrCBFの大きな増加を認め報告した。しかし，これまで焦点性てんかんの発作期と発作間歓期のrCBFの比較，さらにrCBFよりみた焦点部位の病態生理に関する報告は稀である。

非定型なAlzheimer病の1剖検例黒田　重利 , 庄盛　敦子 , 立石　潤 28巻4号 , 1976年4月 , pp.389-395

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I．はじめに

　初老期痴呆の中で，Alzheimer病の病理組織学的特徴は肉眼的には大脳のびまん性萎縮であり，光顕的には老人斑，原線維変化，顆粒空胞変性などの老人性変化が著しく認められることである。Pick病は肉眼的所見として葉性萎縮を示し，鏡検で白質のグリオーシス，神経細胞の変性，inHated cells，嗜銀球の出現などを特徴としている。しかし，中には両者の所見が同一症例にみられたり^1,2,6,12），老人斑のないAlzheimer^{1,3,6,13,15,18）}病など非定型な初老期痴呆の剖検例も少なからずみい出される。我々もこのたび非定型初老期痴呆の1例を経験したので報告するとともに若干考察をおこないたい。

再発性，多発性脳塞栓を呈したleft atrial myxomaの1例好永　順二 , 森田　博方 , 佐々木　高伸 , 岡本　繁 , 引地　明義 , 平本　忠憲 28巻4号 , 1976年4月 , pp.397-403

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I．はじめに

　心臓腫瘍の大部分は転移性腫瘍で，心原発性のものは極めて少ない^2,16）。myxomaはその50％を占る。約75％は左心房に発生する^16）。好発年齢は30〜60代であるが，いずれの年齢でもみられる^12）。myxomaの臨床症状としては，心臓の閉塞徴候，全身症状，系統的塞栓などであるが^5〜7），脳卒中様症状で初発することもある^8〜11）。myxomaに関する本邦の文献は少なく，特に臨床神経学の立場からの報告は見当らない。著者らは初期に心症状を認めずに，脳卒中発作を初発症状として発症し，再発性，多発性脳塞栓を呈して，4年7カ月の経過で死亡したleft atrial myxomaの1例を経験したので，若干の文献的考察を加えて報告する。

書評

—椿　忠雄・佐野　圭司・五島　雄一郎　著—臨床神経学（改訂第2版）相澤　豊三 28巻4号 , 1976年4月 , pp.364

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　今から200年前，杉田玄白らの解体新書の中で創めてみられた神経という語は，神気の神と経脈の経とを合せての術語であるが，神の字を用いたのはおそらく霊妙不可思議な働きを持つという考えが含まれる。語源的にラテン語のNervusは白い紐状のものを言うので，玄白が神の字をつけたのは甚だ大胆であつたといえる。と小川鼎三教授は雑誌神経内科（1巻115頁昭49）で述べていられる。

　その神経と最も関連の深い脳という語は，これに反し，古くから用いられてはいるが，漢方第一の古典といわれる内経（素問・霊枢）によれば，脳を髄の中心的存在と見做してはいるもののこれを五臓六府の中に入れず奇恒（奇病）の府として特別扱いをしている。ある程度の解剖学的な認識はあつたとしても幼稚であり，また生理的機能についての表現も極めて抽象的であり，脳における記述に現代的意義を見出すことはできない。それ以後，脳について古典を訂正したり新知見の展開がなされずに永い歴史が流れてゆくのである。他の臓器と異なり硬い頭蓋骨にとり囲まれ外部からの侵入を許そうともせず冷然となりすましているこの脳は洋の東西を問わず，医学研究者にはとつつき難い存在として敬遠されていたものとみえる。

—Dyck P．　J．　Thomas P．　K．　Lambert E．　H．　著—Peripheral Neuropathy 祖父江　逸郎 28巻4号 , 1976年4月 , pp.378

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　末梢神経障害は神経疾患の中でも頻度が比較的高く，重要な部分を占めている。原因は広汎で内科的疾患との関連も深く，また最近では産業界で使用されている各種の化学物質や臨床上使用する種々の薬物により末梢神経障害をきたす症例もかなり多く，一般約な関心が高まつている。これまで末梢神経障害を中心にして基礎的事項を臨床全般についてまとめた書物は全くなく，待望されていたが，今回Dr．Dyckらにより編集された"Peri—pheral Neuropathy"が出版されたことは全く時宜に適したものであり，喜ばしいことである。

　本書は2巻1500頁にわたる大著で，世界中の末梢神経障害についての第一人者を網羅した78名の執筆者により，それぞれ得意とする項目が分担されている。したがつて内容もすばらしいもので，末梢神経障害の領域における決定版といえよう。

ご存知でしょうが

多因子遺伝と閾仮説有馬　正高 28巻4号 , 1976年4月 , pp.388

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　奇形の原因分析で，多遺伝子性polygenicとか，多因子性multifactorialという言葉がしばしば用いられている。これは，通常みられる先天奇形が，一卵性双生児の一致率が高く，家族的にみられる率も一般集因のそれより高いにかかわらず，Mendelの単純な遺伝形式では説明できないことに着日して考えられた仮説である。

　最初，分析の対象になつたのは，先天性肥厚性幽門狭窄，先天性股関節脱臼，兎唇，口蓋裂などであつたが，その後，多くの単純奇形の発症原因の解析にも適用されるようになり，さらに，後天性慢性疾患の原因解析にも拡大されている。多因子性疾患の発現には複数の遺伝子と，おそらく，複数の環境要因が相加的に働らき，その作用の合計がある一定の範囲（閾値）を越えた場合に発症すると仮定している。

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編集後記佐野　圭司 28巻4号 , 1976年4月 , pp.405

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　本号も力作ぞろいである。大友氏のoral dyskinesia，池山氏らの頭蓋内圧測定法，林氏らの大泉門拍動波形の分析，藤井氏らの内臓神経と胃運動，大野氏らのモヤモヤの剖見所見，沼本氏の頭蓋内圧モニター装置，小林氏らのてんかん患者のカテコールアミン代謝，及川氏の焦点性てんかんのrCBF，黒田氏らのAlzheimerの剖検例など，みな読者諸賢の興味をそそるものばかりであろう。

　ところで木年1976年はフランスの脳神経外科のパイオニア　de MartelすなわちThierry de Martel de Jan—villeの生誕100年にあたる。de Martel家は十字軍以来の古い家系で，伯爵の称号をもち，またかれの母はフランス革命の大立物Mirabeauの血を引いているから，かれはすばらしい名門の出であるといえる。

基本情報

Brain and Nerve 脳と神経
28巻4号
(1976年4月発行)

電子版ISSN：2185-405X 印刷版ISSN：0006-8969 医学書院

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