総合診療 29巻1号 (2019年1月)

特集 教えて検索!—膨大な医学情報を吟味・整理するスキル

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医学情報の倍増に要する日数は、2020年にはわずか73日となる——(p.12)。

そうした予想がされる昨今、すべての医学情報を網羅的に把握し続けることは不可能になりつつあります。また、医学情報は日々新たなものに置換されるため、すでに有している知識が“時代遅れ”になることもしばしば……。

したがって、現代のわれわれ医師に必要なスキルは、現存する医学情報・知識の完璧な網羅と理解ではなく、

❶自分のもつ疑問の明確化

❷アップデートされた医学情報の検索スキルと質の吟味

❸目の前の患者さんへの外的妥当性の吟味

であると考えます。本特集では、主に❷にフォーカスを当て、最新の医学情報をどのように検索し享受していくかをプラクティカルに解説します。

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本問題集は、今月の特集のご執筆者に、執筆テーマに関連して「総合診療専門医なら知っておいてほしい!」「自分ならこんな試験問題をつくりたい!」という内容を自由に作成していただいたものです。力試し問題に、チャレンジしてみてください。

【総論 “教えて検索!”時代の医学情報リテラシー】

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 医学情報は、どんどん増えていきます。「医学は日進月歩」と言われてきましたが、21世紀を10数年過ぎ、平成が終わりゆく現在、この言葉は今や真実を捉えていません。みなさんも実感されているかと思いますが、医学情報はこの数十年でロケット噴射のように溢れ出ています。

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Case

患者:77歳、女性。

主訴:意識障害、発熱。

既往歴:高血圧症。服薬歴:バルサルタン。

現病歴:入院前日より、傾眠傾向になった。入院当日、38℃台の発熱を認め救急搬送された。バイタルサインは、GCS(Glasgow Coma Scale)E2V3M4、血圧64/38mmHg、脈拍数92回/分、呼吸数28回/分、体温37.5℃、SpO2 93%(室内気)。

 qSOFAが3点であり、「敗血症」と判断した。血液培養採取後にアンピリシン/スルバクタム3gを投与した。輸液反応性に乏しく、ノルアドレナリン、バソプレシン、ソル・コーテフ®(ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム)を順次開始した。造影CT検査で「肝膿瘍」と診断した。膿瘍ドレナージを施行後、バイタルサインや乳酸値などは改善した。ソル・コーテフ®の漸減を開始後、ノルアドレナリンとバソプレシンの「どちらから先に減量するべきか」という疑問が生じた。

【我探す故に我あり! すばやく的確に“fact”を検索する方法】

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検索に王道なし

 医学情報の検索は、例えてみると、書店や図書館で自分が知りたいと思う本を探す作業と似ている。「今自分が最も読むべき本は何か」ということをすばやく検索するには、どうすればよいのだろうか? 最短・簡便な方法で自分が欲しいと思う情報を探すのに、王道というべきものがあるのだろうか?

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 本稿では、「PubMed®」「Google ScholarTM」がもつ機能を最大限活かした使い方について解説します。まず2つの検索エンジンについて概説したあと、臨床現場でありそうなシナリオに応じた使い方を示します。

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Case

腎盂腎炎の診療に二次文献データベースを使用した一例

患者:68歳、女性。

主訴:発熱、悪寒戦慄。

既往歴:膀胱炎。

現病歴:前日から倦怠感、当日38.9度の発熱と悪寒戦慄があり、当院を受診した。咳や排痰はなし。

身体所見:意識清明。血圧92/56mmHg、脈拍数115回/分、呼吸数20回/分、体温38.9度、SpO2 97%(室内気)。呼吸音左右差なく、肺雑音なし。腹部は平坦で軟、左肋骨脊柱角叩打痛あり。

血液所見:WBC11,800/μL(Neut89.9%)、Cr0.82mg/dL、CRP10.89mg/dL。

尿所見:pH7.0、白血球100個以上/HPF、細菌(3+)。グラム染色では、グラム陰性桿菌が多数。

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「質的研究」の特徴

 質的研究は、「質的データ」を「質的分析手法」を用いて分析する研究である。質的データとは、検査値などのように数値化することが難しいデータであり、インタビューを文字に起こした逐語録や研究者が記述した観察記録などの「言語データ」、絵画・映像などの「視覚データ」がある。「医学研究」の領域では、主に言語データが用いられる。

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 「健康/医学」というカテゴリー内には、一般向けのものも含めて膨大な数の医学アプリがあり、ウンザリするかもしれません。さらに、65〜86%の「医療系アプリ」では、その開発過程に医療専門家の監修が入っていないという報告1)もあります。

 しかし、だからと言って、アプリの存在は軽視できません。Apple社の「ResearchKit」や「CareKit」のように、患者がアプリを利用して積極的に健康増進や医療の発展に関わる時代になっています。2011年の調査2)では、85%もの医学生がアプリやウェブサービスを巧みに駆使して、情報収集や患者とのコミュニケーションを円滑に試みようと診療していました。多くの医学生はもっと積極的にモバイル端末やWeb2.0(p.63)の技術を使った指導を望んでいる3)ようなので、指導医もうかうかしていられません。

【我学ぶ故に我あり! 効果的な継続学習法】

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CMEとは

 CME(continuous medical education)とは、日本語でいうと「医師生涯教育」や「生涯教育プログラム」となる。医師として質の高い医療を継続していくために知識・技能・態度を維持し高めていく、つまり生涯にわたって研さんしていくことである1)

 多くの国で医師には生涯教育制度の履修が義務化されているが2)、日本には日本医師会生涯教育制度や内科学会のセルフトレーニング問題などがあるのみで、個人の自主的な努力によるところが大きい。本稿では、筆者自身の日々のCMEを中心として各種の勉強方法を紹介する。読者のみなさんの「生涯学習」に役立てていただければと思う。

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 最新論文の継続的なチェックに関して、みなさんはどうしているだろうか? 10人いれば10人それぞれの方法があってよい。要は、自分がやりやすい方法を見つけることが肝要である。

 筆者は、恥ずかしながら大量の論文を継続的に読破しているわけではない市中病院の臨床医であり、本稿を書く資格があるのか悩ましい。しかし、そのような立場であるからこそ書ける平易な方法をみなさんと共有したいと思う。私なりの論文を継続的に読むコツは、「上質な日本語訳をいかにうまく使うか」という点に尽きるかもしれない。そのための具体的な方法を書いていきたい。

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 “21世紀に重要視される唯一のスキルは、新しいものを学ぶスキルである。それ以外はすべて時間と共にすたれてゆく。”

—Peter Drucker(1909-2005)

【スペシャル・アーティクル “教えて検索!”時代の未来】

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情報革命と人工知能

 有史以来、さまざまな「情報革命」が起きている。本稿では、その流れのなかで「人工知能(artificial intelligence:AI)」を説明したい。

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 指導医として研修医に適切な知識や態度を指導する立場である私は、毎日発生する日常の疑問(clinical question:CQ)を解決することの難しさを、日々感じます。できることなら、誰かに的確で明快な「答え」を教えてもらって、それを研修医とシェアできれば、こんなに楽なことはないのに……と思う手抜き指導医です。しかし、そういった手抜きの方法は、残念ながら(現時点では)なく、患者さんへの最善の医療を知るために、毎日教科書やパソコンを手に悪戦苦闘しています。そうした私自身の苦闘をサポートできないか(というか自分の助けにならないか)という疑問(CQ?)をもとに、この企画を立ち上げました。

 多くの素晴らしい先生方にご執筆いただき、私のCQに答えとも言うべき明るい光が差し込んできたことに、心より感謝申し上げます。自分1人ではこのCQを解決することはできませんでしたが、拝読した直後から「使えるスキルやツールが目白押しだ!」と感動しました。本当に、これらすべての稿をご参照いただき、明日からの自己研さんに役立てていただきたいですし、自分も役立てたいと思います。

指導医はスマホ!?|誰でも使えるIT-based Medicine講座・1【新連載】

スマホでGoogle診断を…! 森川 暢
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 時は20XX年、IGSコーポレーションでは、研修医ロボットを開発した! その名も、成長するAI搭載型ロボット「森川くん2号」。

 森川くん2号と一緒に、ITを活用して自分をヴァージョンアップしよう!!

三銃士共導法・1【新連載】

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はじめに

 みなさんは研修医の教育に悩みはあるでしょうか?「忙しい」、「時間がない」、「教えても結局1、2カ月経つと同じことの繰り返しで」などの理由から、臨床・研究と並んで教育の必要性はわかっていながらも、力を注ぐことができていない読者の方も多いのではないでしょうか?

 われわれ救急・集中治療医の坂本、総合診療医の髙橋、新興再興感染症専門家の鎌田の3人は、卒後10年目前後の指導医であり、成長途中の身です。現場で研修医と共に学ぶ機会が多く、試行錯誤の連続であるわれわれの思いをみなさんと共有し、「指導はこうすべし」といった上から目線の提言ではなく、同じ目線で共に教育を考える機会になればと願い、本連載を開始します。

 ダルタニャンが“三銃士”と共にいくつもの迫りくる困難を乗り越えたように、本連載が指導医としての悩みを打ち破る機会になれば幸いです。

「総合診療」達人伝|7つのコアコンピテンシーとその向こう側・1【新連載】

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意を得て言を忘れ、理を得て教を忘るるは猶、魚を得て筌を忘れ、兎を得て蹄を忘るるが如し。

良医を目指し修練を続ける医師たち。

大いなる目的のために仕掛けを磨く毎日である。

総合診療に携わる我々は、一体何を学ぶべきか?学んだその先に、何が待っているのか?総合診療の達人を尋ね、そのヒントを探りましょう。

はじめに

「ごちゃまぜの達人」。吉村 学先生(宮崎大学医学部地域医療・総合診療医学講座教授)を人はこう呼ぶ。前任地の岐阜県揖斐郡でも「ごちゃまぜ」「むちゃぶり」という手法(!?)で多くの若手医師や多職種の教育に関わってきたのはご存知の方も多いと思う。今回、本連載1回目「包括的統合アプローチ」の極意を求めて、吉村先生のいる宮崎県まで飛んだ。

 吉村先生は、「IPE/IPW」(一口メモ1)1)の実践で著名な医師である。IPEとはもちろん「連携」のための教育である。

 いま、総合診療医が地域包括ケアにおける多職種連携の担い手として期待されていることも確かであろう2)。しかし、連携の真の目的は「統合的なアプローチ」で、多職種や住民の力を引き出しつつ、複雑な問題に対処することではないだろうか。

 「吉村達人は連携に一体何を見出し、どのように統合ケアを実践しているのか?」をテーマにして、達人の臨床現場から学ぶことが今回の訪問の目的である。

 本稿ではまず、達人の現場レポートと、達人へのインタビューを掲載し、最後に筆者なりの補足とまとめを加えたい。

GM Group Dynamics・6

日本臨床写真学会
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新たな学会が誕生した。2019年9月2日(日)、第1回日本臨床写真学会学術大会が、「Clinical Pictureを撮ろう」をテーマに国立国際医療研究センターで開催され、全国から84名が参集した。学会発起人にして大会長の忽那賢志氏(国立国際医療研究センター 国際感染症センター)は開会の辞において、臨床写真を撮る理由また同学会の意義として、❶病態の診断、❷知識の蓄積・共有、❸論文掲載をあげた。

 須藤博氏(大船中央病院)の特別講演「臨床写真とワタシ」に始まり、「Clinical Pictureクイズ」、シンポジウム「NEJMへの道」、「臨床写真鑑賞会」まで、多領域にわたる計34名が画像症例を提示。クイズや鑑賞会では、画像と簡潔な病歴から、参加者が“snap diagnosis”にトライ。和気あいあいとしながらも、主体的に真剣に発表に耳を傾け目を凝らし、参加者はこの日だけで40症例以上を疑似体験した。

What's your diagnosis?[193]

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病歴

患者:47歳、女性。

主訴:発熱、嘔気・嘔吐、全身の痛み。

現病歴:13日前より左胸部と左大腿内側皮膚に疼痛が、10日前より左眼痛が出現した。7日前に疼痛が改善しないため近医を受診したところ、感冒と診断のうえ、解熱鎮痛薬が処方された。帰宅後より吃逆が出現した。6日前より左眼痛が増悪したため、近医救急外来を受診し、頭部CTを撮像するも明らかな異常所見を認めず帰宅となった。

 4日前より左胸部皮膚の疼痛が増悪し、近医救急外来を再受診するも、プレガバリンを処方され帰宅となった。3日前より嘔吐を認め、その後も疼痛が遷延し、歩くこともままならない日々を過ごしていた。

 1日前より39℃の発熱を認め、近医を再々受診するも、セフトリアキソンを投与され帰宅となった。原因精査目的に当科を紹介され、精査加療目的に入院となった。

ROS(review of sistems)陽性:発熱、全身倦怠感、食思不振、左眼の眼痛・視力低下、頭痛、吃逆、嚥下困難感、嘔気・嘔吐、便秘、左上腕・左胸部・両大腿の疼痛。

ROS陰性:脱力、眼脂、羞明、咳嗽、喀痰、腹痛、排尿時痛、排尿困難、頻尿、残尿感、関節痛。

既往歴:10歳時;虫垂炎。

アレルギー:なし。

内服薬:特記なし。

生活歴:ADL(activities of daily living)完全自立。喫煙;なし。飲酒;機会飲酒。家族歴;なし。渡航歴・曝露歴;特記なし。居住;夫、子ども2人と4人暮らし。

総合診療専門医セルフトレーニング問題・19

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セッティング

都市部にある400床規模の総合病院。ほぼすべての診療科が揃い、必要時は人工呼吸管理などの集中治療も実施可能な環境である。後期研修医のあなたは外来にて、近隣施設から紹介となった高齢男性を診察することになった。当日の外来担当看護師より、「具合が悪そうなので、すぐ診察をお願いします」と申し送りがあった。

I LOVE Urinalysis|シンプルだけどディープな尿検査の世界・22

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Case

患者:71歳、女性。

現病歴:5日前からの発熱で、救急外来を受診した。体温38.1℃、血圧131/69mmHg、脈拍数99回/分、呼吸数32回/分。右呼吸音減弱を認める。

超音波検査にて右胸水を認め、胸腔穿刺を行った。血液ガスの装置がメンテナンス中であり、迅速に結果が得られないが、あなたはその脇に置いてある尿試験紙に目が留まった。

オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・25

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CASE

患者:女性、63歳。

主訴:発熱。

●day 1 38℃台発熱。

●day 3 解熱。

●day 4 県外から沖縄へ。

●day 6 38℃台発熱、クリニック受診。処方のロキソプロフェン、レバミピド、ジキニンで一時的に解熱があったものの発熱が続き、胃のムカムカ感が出現。

●day 10 当院受診(土曜午後、救急外来)。

受診時は嘔気・腹痛・下痢なし。咳嗽・喀痰・尿路症状なし。sick contactなし。

既往歴:Morquio症候群(ムコ多糖症Ⅳ型)、骨粗鬆症、湿疹。

内服:ロキソプロフェンNa1錠、レバミピド1錠、リセドロン酸ナトリウム(月1回)、ケトプロフェン貼付剤。

アレルギー歴:なし。

飲酒・喫煙歴:なし。

予防接種:不明。

健診歴:なし。

ADL(activities of daily living):車椅子。両下肢に拘縮・股関節脱臼あり。完全屈曲しての座位はとれない。車椅子操作は筋力低下し、ほとんどできない。

みるトレ Special・25

これが3大皮疹の1つ… 佐田 竜一
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患者:74歳、女性

主訴:発熱、皮疹

既往歴:C型肝炎/肝硬変(Child-Pugh分類B:中等度以上の腹水貯留+Alb3.0g/dL=8点)

職業歴・生活歴:主婦。夫と2人暮らし。海外渡航歴・動物曝露歴なし。不特定多数との性交渉歴なし。

薬剤歴:ラクツロース、酸化マグネシウム、アテノロール、フロセミド、スピロノラクトン

現病歴:ADL屋内自立の方で、受診2日前まで家事もできていた。1日前から悪寒が出現し、当日に39℃の発熱と動作困難も出現したため、救急外来を受診。腹水にWBC1000/μL(うちNeut560/μL)を認め、「特発性細菌性腹膜炎」の診断で入院となった。抗菌薬はセフトリアキソン2g/日を選択し、腹水培養からは大腸菌のみ検出された。入院5日目、患者が皮疹に気づきナースをコールした際には、体温も38.1℃と上昇していた。

身体所見:血圧132/68mmHg、脈拍数91回/分・整、体温38.2℃、呼吸数22回/分、GCS(Glasgow Coma Scale)E4V5M6、SpO296%(室内気)。頭頸部・胸部に明らかな異常なし。腹部に波動を触れ、shifting dullness陽性。体幹に膿疱を伴う紅斑が散在している(図1)。

血液検査所見(入院5日目):WBC8,400/μL(Neut92%、異型リンパ球なし)、Hb10.8g/dL、Plt7×104/μL、TP6.1g/dL、Alb2.4g/dL、AST45IU/L、ALT48IU/L、ALP389IU/mL、T-Bil2.1mg/dL、BUN11mg/dL、Cr0.6mg/dL、Na133mEq/L、K4.0mEq/L、Cl98mEq/L、CRP2.8mg/dL

投稿 GM Clinical Pictures

頭痛が悪化し意識障害 佐野 美香
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CASE

患者:20歳代、女性。

主訴:頭痛、意識障害。

現病歴:1週間ほど前から頭痛があり徐々に増悪し、受診当日、意識障害をきたし救急搬送となった。

身体所見:GCS(Glasgow Coma Scale)E3V4M5。項部硬直なし。

検査所見:血液;WBC8,510/μL、CRP0.14mg/dL、Glu110mg/gL。

頭部非造影CT;図1。

#総合診療

#今月の特集関連本❶

#今月の特集関連本❷

#今月の特集関連本

#医学書院の新刊

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 インターネットの普及で情報が溢れる世の中となって久しいが、「フェイクニュース」という言葉を目や耳にすることが増えたというのも、評者が最近感じるところである。何が正しい情報なのかを見極める眼力を得るのは「けっこう難しい」。自分自身の反省でもあるが、膨大な情報の海の中では、自分にとってわかりやすくて都合のいい情報だけを切り貼りしがちになる。一次文献の結果の要約がまるでニュースのようにインターネットやメールで配信されているが、そのような時代であるからこそ「正しく論文を読む」のは医療者にとって必須の技術であると思う。

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 国際頭痛学会による最新の分類・診断基準の日本語版がついに刊行された。国によって診断基準が異なっていては学術的に問題となるのと同様に、医師によって診断根拠が異なっていては日常診療に混乱が生じることは想像にたやすい。本書は、頭痛診療に関わるすべての医師が手に取るべき書籍である。

 専門家が集まり磨き抜かれた診断基準には多くのエビデンスや経験が集約されており、第1章では「片頭痛」の奥深い世界に感嘆する。過去には群発頭痛が代表的疾患であった自律神経症状を伴う頭痛は「三叉神経・自律神経性頭痛」としてまとめられ、持続性片側頭痛や神経性様頭痛発作(SUNA)といった疾患概念がより明確に整理された。

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読者アンケート

『総合診療』編集方針
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 1991年に創刊した弊誌は、2015年に『JIM』より『総合診療』に誌名を変更いたしました。その後も高齢化はさらに進み、社会構造や価値観、さらなる科学技術の進歩など、日本の医療を取り巻く状況は刻々と変化し続けています。地域医療の真価が問われ、ジェネラルに診ることがいっそう求められる時代となり、ますます「総合診療」への期待が高まってきました。これまで以上に多岐にわたる知識・技術、そして思想・価値観の共有が必要とされています。そこで弊誌は、さらなる誌面の充実を図るべく、2017年にリニューアルをいたしました。本誌は、今後も下記の「編集方針」のもと、既存の価値にとらわれることなく、また診療現場からの要請に応え、読者ならびに執筆者のみなさまとともに、日本の総合診療の新たな未来を切り拓いていく所存です。

2018年1月  『総合診療』編集委員会

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総合診療
29巻1号 (2019年1月)
電子版ISSN:2188-806X 印刷版ISSN:2188-8051 医学書院

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