保健師ジャーナル 75巻3号 (2019年3月)

特集 市町村保健師の人材育成—現場が求める支援とは

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近年,市町村保健師の人材育成に関する研究やモデル事業が進められ,2018年3月に「市町村保健師の人材育成体制構築支援に関する報告書」および「都道府県のための市町村保健師管理者人材育成研修ガイドライン(仮称)」が出されています。本特集ではこれらの内容やモデル県等の取り組みを紹介するとともに,市町村保健師の語りから現場が求める人材育成支援のあり方を探ります。

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日本看護協会では,「厚生労働省先駆的保健活動交流推進事業」の一環として,2年計画で自治体保健師のキャリア形成支援事業に取り組み,2018年3月に1年目の報告書として「市町村保健師の人材育成体制構築支援に関する報告書」を作成した。この事業ならびに報告書で示された「支援ポイント(案)」について紹介する。

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国立保健医療科学院では2017年度から2018年度にかけて,5つの県で市町村保健師管理者能力育成のためのモデル研修を実施し,「市町村保健師管理者能力育成研修ガイドライン」の開発に取り組んだ。市町村保健師の人材育成の現状と課題を整理するとともに,このガイドラインの内容を紹介する。

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岐阜県では,岐阜県立看護大学と連携・協力して現任教育体制を充実させてきた。その経緯や背景,大学との協力による市町村保健師の人材育成支援の内容や効果を紹介する。

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山梨県では,2007年度に「山梨県保健師現任教育マニュアル」を策定し,現任教育に取り組んできた,その現任教育マニュアルを2016年度に改訂した際のプロセスと,キャリアラダー,キャリアパスを活用した保健師人材育成支援の取り組みを報告する。

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山形県は市町村と連携して保健師の人材育成に取り組んできており,2018年には国立保健医療科学院「市町村保健師管理者能力育成研修」のモデル県として市町村保健師を対象とした管理者研修を実施している。同研修の概要を含めた現在までの実績を紹介する。

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市町村保健師の人材育成・現任教育に関して,現場には分散配置による課題や若手保健師の高い離職率等の問題がある。「自治体保健師の標準的なキャリアラダー」を取り入れた人材育成計画の策定が望まれる中,現場が求める人材育成・現任教育のあり方について市町村保健師の方々に語っていただく。

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予防的家庭訪問実習とは

 予防的家庭訪問実習(以下,本実習)は,大分県立看護科学大学(以下,本学)看護学部が2015(平成27)年度からの新カリキュラムで始めた統合科目で,各学年に1単位ずつの必修科目である1)。本稿では,この実習の概要と背景,現状と意義などについて紹介する。

 

 大分県立看護科学大学では予防的家庭訪問実習を行っている。実習では,看護学生たちが大学4年間を通じて継続的・定期的に70歳以上の高齢者の家庭を訪問し,健康状態や生活実態などの把握・心身の機能低下予防に向けた支援を行っている。

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はじめに

調査の目的

 わが国の母子保健の水準は,乳児死亡率,周産期死亡率等の統計を鑑みると,世界でトップである。わが国の母子保健対策は,思春期から妊娠,出産,育児期,新生児期,乳幼児期を通じて,一貫した体系の下に総合的に進めることを目指している。この一貫した母子保健対策が高水準に貢献していると言われている1)

連載 ナカイタ発 保健師へのつぶやき・69【最終回】

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 保健師は,住民一人一人を尊重し,個々の集合体としての家族システムを捉え,人々が主体的にかつ豊かに生き抜く力を支えることにこだわり続けてきました。切り口や制度,施策名が変わっても,この絶え間ない繰り返しから蓄積してきた知識や知恵,支援技術があります。しかし,多くの事業が積み上がり,しかも,分散配置・少人数配置のために,目の前で必要とされる個別支援や健康なまちづくりのチャンスに気付いても,それを拾い上げて生かす機会,つまり創意工夫を案出する機会が奪われているという声を随所で聞くようになりました。

 規定の事業を繰り返すだけでは,まさに今,声高々に要請される「地域共生社会」,さらには,年齢や障害を問わず包括的に相談できる体制(地域丸ごとを我がことに!)からは遠ざかるばかりではないでしょうか。公衆衛生従事者である私たちの対象には,保険制度では解決できない,複雑で,さまざまな世代にわたり多重する問題に苦悩する家族等も含まれます。生活困窮や家族機能不全,暴力環境にある家族などは,虚勢の裏で内実は罪責感や劣等感を抱いているものです。

連載 数式不要!はめ込み統計学 保健師のための統計これだけ・3

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 前回の連載第2回では「変数の種類」について勉強しました。おさらいすると,図1のようになります。そして,変数の種類によって,用いる統計解析の手法が異なることも勉強しました。連載第3回となる今回はいよいよ実際の統計解析を行います。

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 北九州市は保健師が170名(2018〔平成30〕年4月現在)で,地域保健部門,精神保健福祉部門,介護保険部門,感染症部門,障害・難病部門等,配置部署は多岐に渡っており,部署によっては,一人配置の職場もあります。保健師の活動をめぐる状況は大きく変化しており,法改正等のスピードも以前に比べ速くなっていると感じています。このような状況の中で,統括保健師部署として,人材育成は大きな課題であり,とても重要だと考えています。また,私は職員時代に,専門職の研修担当部署に配置されていたことがあり,さまざまな講師や人材育成の専門の方と話す中で,人材育成の重要性を身に染みて感じていました。

 本市における人材育成の課題として,「若い世代が多くなる」「中堅職員の役割が明確でない」などの意見が現場から挙がっていたため,統括保健師部署として,保健師の人材育成のあり方について各部署の保健師係長と検討会を開催しました。検討会では,市の現状を把握することから始め,国や県の通知等を参考に,これまでのマニュアルや手引きも整理し,北九州市保健師の将来像を思い浮かべながら,「北九州市保健師人材育成マニュアル」(以下,本マニュアル)を作成しました(2017〔平成29〕年に完成)。その内容は,①人材育成の目的や保健師の目指すところ,②保健師に求められる能力(到達目標や行動目標が記載された保健師が確認する「ふり返りシート」の活用),③研修体系,④国の通知「地域における保健師の保健活動に関する指針」「自治体保健師の標準的なキャリアラダー」等,⑤各種業務マニュアルとなっています。

連載 見たい統計 自在に分析! 保健医療福祉計画データウェアハウス・11

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 特定健康診査・保健指導は,医療費適正化計画の一環として2008年度から導入され,医療費適正化計画の策定・実施・評価を目的として「レセプト情報・特定健診等情報データベース」(いわゆるナショナルデータベース;以下,NDB)が構築された(高齢者医療確保法第16条)。特定健康診査・保健指導が以前の老人保健法の健康診査と制度上決定的に異なる点は,保険者の達成状況により後期高齢者医療制度への支援金が最大10%加減算される,という「利害」が絡むようになった点であろう。

 そのためか,老人保健法時代は市町村別のデータが公表されていたが,現在の特定健康診査・保健指導データは市町村国保のデータは公表されておらず都道府県別,保険者の種類別の公表にとどまっている。またNDBも統計法に基づく統計調査ではないためe-Statには収録されておらず,厚生労働省サイト上で公表されるのみである。NDBは申請により研究利用も認められているが,その集計結果の公表を求める声に答えて「NDBオープンデータ」という名称で公表されるようになった。

連載 地域・職域の健康課題の見える化と効果的な保健事業・7【最終回】

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これまでの連載を振り返る

 本連載では,2013(平成25)年から全ての医療保険者に対し推進されている,データヘルス計画,地域包括ケアシステムといった保健事業の立案,実施,評価の一助となるべく,レセプトや健診データ等の医療保険者が有する被保険者の健康関連情報をどのように分析し,健康課題を見える化し,エビデンスに基づき課題解決,評価するか,方法論の説明や事例を紹介してきました。

連載 ニュースウォーク・250

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 年明け早々,静岡県小山町の2018年度「ふるさと納税」額が,年度を3か月残す12月末日に248億8000万円に達したというニュースには仰天した。巨額過ぎる。町の今年度一般会計当初予算額の2倍,2017年度全国自治体でトップだった泉佐野市(寄付額約135億円)の2倍近い。

 人口減対策を進めるため町は寄付額アップ(2017年度は27億4000万円)を目指して返礼品リストにインターネット通販で使える商品券「アマゾンギフト券」を加えた。返礼率4割という高額返礼品だけに人気を集めた。

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保健師ジャーナル
75巻3号 (2019年3月)
電子版ISSN:1882-1413 印刷版ISSN:1348-8333 医学書院

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