調査報告
東日本大震災の被災地に派遣された保健師の心身の健康とメンタルヘルス対策に関する調査
山田 晴美
1
,
山口 一郎
2
,
吉田 浩子
3
,
青木 清
3
1山形県置賜保健所
2元山形県村山保健所
3人間総合科学大学大学院
pp.140-147
発行日 2015年2月10日
Published Date 2015/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200103
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はじめに
2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震災では,2012(平成24)年7月までに全国の自治体から累計約1万1000人の保健師が被災地に派遣された1)。
東日本大震災の被災者が被った害は甚大で,被災者を支援した者も「二次被災者」として心身の健康へ影響を受けたと推察される。
筆者が,東日本大震災発生後から同年4月末までに被災地に派遣された山形県の保健師について調査した結果(N=27)によると,派遣期間終了直後に,何らかの心身不調を感じた保健師は70%で,派遣中のストレスには,被災者との関わりに起因するつらさや労働環境が影響していた2)。しかし,派遣中の健康状態に関連した要因を探求するには,さらに対象者数を増やした調査が必要であった。
そこで,今後に備え,保健師が災害時に心身の健康を保って被災者を援助し続けられるための具体的方策を検討することを目的に,東日本大震災の際,全国の保健所から被災地に派遣された保健師を対象とした調査を行った。
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