連載 統括保健師の日々・32
—北九州市の場合③—人材育成の課題と取り組み—「北九州市保健師人材育成マニュアル」の作成と活用
丹田 智美
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1北九州市保健福祉局地域福祉部 地域福祉推進課
pp.261
発行日 2019年3月10日
Published Date 2019/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201148
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北九州市は保健師が170名(2018〔平成30〕年4月現在)で,地域保健部門,精神保健福祉部門,介護保険部門,感染症部門,障害・難病部門等,配置部署は多岐に渡っており,部署によっては,一人配置の職場もあります。保健師の活動をめぐる状況は大きく変化しており,法改正等のスピードも以前に比べ速くなっていると感じています。このような状況の中で,統括保健師部署として,人材育成は大きな課題であり,とても重要だと考えています。また,私は職員時代に,専門職の研修担当部署に配置されていたことがあり,さまざまな講師や人材育成の専門の方と話す中で,人材育成の重要性を身に染みて感じていました。
本市における人材育成の課題として,「若い世代が多くなる」「中堅職員の役割が明確でない」などの意見が現場から挙がっていたため,統括保健師部署として,保健師の人材育成のあり方について各部署の保健師係長と検討会を開催しました。検討会では,市の現状を把握することから始め,国や県の通知等を参考に,これまでのマニュアルや手引きも整理し,北九州市保健師の将来像を思い浮かべながら,「北九州市保健師人材育成マニュアル」(以下,本マニュアル)を作成しました(2017〔平成29〕年に完成)。その内容は,①人材育成の目的や保健師の目指すところ,②保健師に求められる能力(到達目標や行動目標が記載された保健師が確認する「ふり返りシート」の活用),③研修体系,④国の通知「地域における保健師の保健活動に関する指針」「自治体保健師の標準的なキャリアラダー」等,⑤各種業務マニュアルとなっています。
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