保健師ジャーナル 74巻5号 (2018年5月)

特集 「寄りあいワークショップ」の活用—住民主体のコミュニティ再生を目指して

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コミュニティの衰退が指摘される中,健康問題を含めた地域の課題に地域ぐるみで取り組み,社会資源の醸成やコミュニティエンパワメントを図ることが求められている。しかし,その手法は確立されていない。そこで本特集では,さまざまな分野の地域再生に用いられてきた「寄りあいワークショップ」の理論と方法,実践例を紹介し,その活用について考える。

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社会構造や家族形態の変化により,コミュニティの衰退が指摘されるとともに,地域づくりの必要性が唱えられてきた。その現状と課題を概説するとともに,コミュニティ再生や地域づくりにつながる保健師活動と保健師への期待を述べる。

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ワークショップや現地調査を行い,住民自らが地域の課題を把握して解決案を導き,実践まで行う「寄りあいワークショップ」。その具体的方法や,地域再生における協働の仕組みと原理を解説する。

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2010年に発生した子ども虐待死亡事例をきっかけとして,「寄りあいワークショップ」を用いて「子どもを産み育てやすいまちづくり」に取り組んだ静岡県函南町。その取り組みの経緯と実践を紹介する。

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「寄りあいワークショップ」を活用して,まちづくりを推進・展開していくには,参加者の意識の変化や,連携・協働が重要となる。静岡県函南町での取り組みにおいて生じた住民や行政職の意識の変化,連携・協働のポイントを紹介する。

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「寄りあいワークショップ」を活用した子育てワークショップの成功から新たに健康長寿ワークショップを展開した函南町のまちづくりにおいて,保健師は住民の暮らしや思いに寄り添って支援してきた。住民との協働における保健師の関わり方や思いを紹介する。

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2005年から「寄りあいワークショップ」を活用して農業・農村むら機能活性化支援事業に取り組んでいる和歌山県。その背景や実例,計画実行への支援体制について紹介し,「寄りあいワークショップ」活用の意義を述べる。

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はじめに

 鹿児島県日置市では,団塊の世代が75歳以上を迎える2025(平成37)年に向け,地域包括ケア体制構築の一環として地域・医療(専門職)・行政が協働し,住民主体の介護予防推進事業「筋ちゃん広場」に取り組んでいます。以下に,この取り組みの成果,課題,今後の展望について紹介します。

日置市では,住民が要介護状態にならず自立した日常生活を営めるよう,住民主体の健康づくりの場である「筋ちゃん広場」を,自治会単位で実施しています。週に1回重りを使った体操を行い,筋力の維持・向上を図っています。また,脳トレや茶話会など,地域住民が集うことが楽しくなり,支え合う仕組みが生まれています。その住民主体の教室を支援していく取り組みについて紹介します。

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わが国における健康づくりについて

■わが国の現状と健康日本21

 わが国では,急速な少子高齢化や生活習慣の変化により疾病構造が変化し,疾病全体に占めるがん,虚血性心疾患,脳血管疾患,糖尿病等の生活習慣病の割合が増加している。

 2000(平成12)年度から国は,国民が主体的に取り組める新たな国民健康づくり運動として「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」を開始した。さらに,近年の社会経済の変化の中で10年後の日本の目指す姿を「すべての国民が共に支え合い,健康で幸せに暮らせる社会」とし,「目指す姿」の実現に向けて2013(平成25)年4月から「21世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21〔第2次〕)」を開始した。

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■要旨

目的:本研究では,長崎県新上五島町で運動や集いの場となる高齢者サロンに参加している在宅高齢女性を対象に,サロンの主たる活動内容の違いが参加動機,主観的健康効果に影響を及ぼすのかを検討した。活動内容は,介護予防を意図した運動であるスクエアステップ,ストレッチや自重での筋力運動の転倒予防体操,レクリエーション・食事会を含むミニデイであった。

結果:スクエアステップと転倒予防体操では“身体機能”,ミニデイでは“交流”や“貢献”を動機としていた。主観的健康効果について,転倒予防体操では“身体機能”,ミニデイでは“自尊”に効果を得やすいことが示唆された。また,スクエアステップでは“精神的充実”を選択した者が多い傾向にあった。

結論:サロンの主たる活動内容の違いによって,参加動機や主観的健康効果にも違いがあることが示唆された。

連載 見たい統計 自在に分析! 保健医療福祉計画データウェアハウス・1【新連載】

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連載にあたって

●データを活用して保健活動を効率化

 2018(平成30)年度から,新たに第2期データヘルス計画がスタートし,介護保険事業(支援)計画では,保険者機能強化としてデータに基づく課題分析と対応が要請されている。特定健診やレセプトデータなどを分析し,被保険者の特性を踏まえて受診率などに関する目標を定めるなど,データヘルスの大きな波が押し寄せている。

 こうした状況から,今後の保健活動を効果的に行っていくためには,各種統計データの活用・分析のコツを知っておくことが非常に重要となる。また,事業計画だけでなく,関係機関,住民への説明などさまざまな場面でデータ分析の機会は増えていくことが予想される。

連載 ナカイタ発 保健師へのつぶやき・59

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 2018年3月11日,東日本大震災から7年が経ちました。被災県の岩手・宮城・福島では,今なお7万人強(2018年2月現在)が避難生活を送っており,当初避難した住民のうち1〜2割の人が住宅再建という段階に進めずにいると言われています。その後も,熊本地震や台風等による水害,噴火や暴風雪など,数々の災害に見舞われており,あらためて日本は自然災害の多い国だと実感しています。

 震災後7年目を迎える前日の3月10日,日本赤十字看護学会災害看護活動委員会主催の防災・減災セミナー「拡大する災害に備えて防災・減災の力を高めよう!—国連防災世界会議・仙台防災枠組を受けて」に参加させていただく機会を得ました。今年度のこのセミナーは,東日本や熊本などの震災やその他の災害も含めた過去の教訓を踏まえ,地域ぐるみでの防災社会構築を目指すことをテーマに進められました。

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 今回は統括保健師として駆け抜けてきた5年間の実践を振り返ります。

 2013(平成25)年4月に厚生労働省健康局長通知「地域における保健師の保健活動に関する指針」(以下,指針)が出ると同時に“統括保健師”に就任しましたが,内心は千々に乱れていました。というのも,本来,この指針で求められている「統括保健師の果たすべき役割」と実際の役割・権限とが大きく乖離していたからです。けれども着任早々,知事からの要請を受けた「保健師ネットワーク会議の立ち上げ」(前回参照)と同時に,指針を受けての奈良県版の指針づくりが待っていました。「奈良県の保健師が何を目指し,どこを向いて進むのかを示すこと」が,最初になすべき「統括保健師としての役割」であり,その根幹となる指針の作成が最優先課題と判断しました。

連載 ニュースウォーク・240

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 「3月11日」になると毎年読み直す資料が手元にある。2011年のその日,東日本大震災に際した政府緊急災害対策本部の「福島原子力発電所事故に対する政府の初期対応」を記録したA4版13頁の文書である。

 内容は3月13日までの3日間,官邸(民主党・菅直人政権)が国民に向けた広報で,時系列に記録されている。そのほとんどはテレビで中継放送された。それがそのまま文字化された。

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History and Now

どのような機関なのでしょう?

 本学は,看護学科,理学療法学科,作業療法学科,社会福祉子ども学科,健康開発学科の5学科で構成される保健医療福祉学部と,大学院保健医療福祉学研究科を擁する公立大学です。

 1999(平成11)年に開学し,2009(平成21)年から大学院を設置しています。本学の前身には1943(昭和18)年に設立された埼玉県保健婦養成所があり,埼玉県における保健師養成の歴史は75年以上になります。

 本学看護学科の地域看護学領域では,公衆衛生看護学および在宅看護学等を担っています。

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 本書を読めば多変量解析の手法だけではなく,統計学としてデータを扱う際の基礎的な考え方や,データの扱いといったプロセスをよく理解できる。近年,多くの看護学研究において多変量解析が用いられているが,その基本的な考え方や手法が非常に明快に記載されている。

 まず,第1章では,変数となるデータの種類を踏まえてデータの分布,代表値について丁寧に述べられており,初学者には特に貴重である。

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次号予告・編集後記

基本情報

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保健師ジャーナル
74巻5号 (2018年5月)
電子版ISSN:1882-1413 印刷版ISSN:1348-8333 医学書院

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