保健師ジャーナル 73巻12号 (2017年12月)

特集 これからのがん対策—保健師に求められる役割

  • 文献概要を表示

昨年12月,がん対策基本法が改正され,第3期がん対策推進基本計画も公表された。がん対策を取り巻く状況が大きく変わる中で,現場の保健師がどのように関係機関と連携し,課題に取り組めばよいか,事例を交えて紹介する。

  • 文献概要を表示

2017(平成29)年10月24日に,改正がん対策基本法に基づく,第3期がん対策推進基本計画が策定された。計画案が示され,本稿ではこの新たながん対策推進基本計画について,ポイントを解説する。

  • 文献概要を表示

7年間分の健康増進事業報告データを利用して,保健医療福祉計画データウェアハウス(DWH)を用ると,がん検診の精度管理(要精検率,精検受診率,がん発見率,陽性反応的中度など)が容易にできる。その方法について紹介する。

  • 文献概要を表示

国立がん研究センター社会と健康研究センター保健社会学研究部では,「希望の虹プロジェクト」として,自治体のがん検診受診率向上対策の支援を目的に,受診勧奨用資材の開発と提供を実施している。本稿では,その取り組みについて紹介する。

  • 文献概要を表示

山形県庄内地域では,職域に対するがん検診の受診率向上を目指す事業「働く人のがん検診受診向上モデル事業」を実施してきた。この事業では行政や保健・医療機関および職域機関などとの連携により受診率の向上を図っている。事業開始から現在までの取り組みと,県内他地域への波及についても報告する。

  • 文献概要を表示

がん医療・緩和ケアの地域診断の実際について,活用可能な資料とともに紹介する。また,がん診療連携拠点病院との共催による「がん患者在宅療養支援事例検討会」,地域医療推進対策協議会を通じた,保健所保健師の「がん医療体制」推進への関わりについて述べる。

  • 文献概要を表示

乳がん検診において課題となっている高濃度乳房(デンスブレスト)の通知に関する考え方と,米国,厚生労働省,学会の動向を紹介するとともに,全国に先駆けて通知を開始した川崎市の取り組みについても紹介する。

  • 文献概要を表示

三重県では,全国に先駆けてがん相談支援センターを開設し,がん患者・家族に対して,診断された時からの相談支援事業を実施している。三重県がん相談支援センターが取り組んできた相談や情報提供,情報交換,交流の場などについて報告する。

  • 文献概要を表示

 特定非営利活動法人ぎふ多胎ネット(以下,当団体)では,行政・医療など専門職と協働して妊娠期から育児期の多胎家庭への切れ目のない支援をしています。以下にこの取り組みと成果を紹介します。

多胎育児は,単胎育児と比べて情報も極端に少なく,育児の難易度・疲労度・緊張度が高い。そんな多胎家庭にとって,当事者としての経験と地域住民の視点を兼ね備えたピアサポーターは,身近な頼れる存在である。 NPO法人ぎふ多胎ネットでは,地域のピアサポーターと保健師・助産師など専門職が協働し,妊娠期から育児期の多胎家庭に切れ目のない支援をしている。その取り組みを紹介する。

  • 文献概要を表示

はじめに

 保健師は健康増進計画作成において,特定健康診査受診率,国民健康保険レセプトから得られる医療費,健康づくり地域参加者比率,運動習慣者の割合といった健康指標と,死因別標準化死亡比(Standardized Mortality Ratio:SMR)を関連付けて分析し,地域の健康課題を抽出し,その解決の方略を見いだしている。

 地域診断の範囲は,都道府県,二次医療圏域,市町村,受け持ち地域など,保健師の活動範囲に応じて多様であるが,多様な範囲に対して同じ分析方法を当てはめてしまい,得られる結果と日常の臨床イメージに齟齬があることも間々あった。

 かねてより空間疫学領域では,少数問題(small number problem)1),疾病集積性2)が指摘されている。しかし,この問題が保健師の臨床実践の場で検討されることはほとんど無かったように思われる。1つは概念的理解が進んでいなかったこと,もう1つは空間疫学の知見を取り入れた地域診断を行ってこなかったことがその原因にある。本報告では,保健師による統計解析を少数問題と疾病集積性という視点から再検討し,より精度の高い地域診断の在り方について示唆を得ることを目的とした。

連載 ナカイタ発 保健師へのつぶやき・54

  • 文献概要を表示

 児童虐待防止法の改正(2007〔平成19〕年)によって,国だけではなく,都道府県,指定都市,児童相談所設置市などにおいても虐待重大事例等の検証を行うことが規定されました。検証の目的は,「事件の事実関係の把握,発生原因の分析等を行ったうえで,必要な再発防止策を検討する」ことであり,言うまでもなく「犯人探し」でも「対応の間違い探し」でもありません。検証は「当該事件に直接関与した者を除いた」学識関係者等で構成する委員によって行われ,検証の対象となった事例に関係する市町村は,これに協力することになっています。

 中立性,客観性,第三者性の担保のために,こうした委員構成を取っていることは十分に理解しますが,一方で,当該事例関与者(機関)からの情報提示もやはり重要ではないかと考えています。家族を構成する一人一人の生活史,紡いできた物語は,今,事件となってしまった背景を考える上でも,そして,これからを考える上でも大変重要な情報です。事実確認,受傷機転とともに,その家族の葛藤やSOSを拾い上げることも,検証の一部であり,質の担保につながると言っても過言ではないように思います。

  • 文献概要を表示

はじめに

 記録の電子化により,保健師は対象者の多面的な情報を,関係者と迅速に共有・検討でき,的確な保健サービスを継続的に提供できる。また,日々の保健師活動について,組織的に評価と質改善を継続的に行うことができる。特に,子ども虐待や高齢者虐待などの緊急性・重大性の判断を要する事例に対して的確に対応するために,こうした情報基盤の整備の意味は大きい。

 長岡京市では,1965(昭和40)年から,全乳幼児に対し,妊娠から就学に至るまでの継続的な健康管理体制を構築してきた。そうした体制基盤をもとに,保健サービスの質向上に向けて,1998(平成10)年度から先進的に記録の電子化を検討し,2001(平成13)年度から健康管理システム「長岡京市健康情報ガイド総合システム(Nagaokakyo Information-Guide-of-Health, Total-System-2001:NIGHTS)」を本稼働させた1)

 長岡京市における記録の電子化に関する取り組みは,電子化に限らず,記録の改善に関する課題を示唆していると考えている。今回はNIGHTSのねらい,および活用による効果について紹介し,保健サービスの質保証に向けた記録の改善に関する課題について述べる。

連載 事例を通して学ぶ 悩める妊婦の相談対応・9

  • 文献概要を表示

 連載の第2回(5月号)で,悩める妊婦の9タイプ分類を紹介しました。第3回(6月号)からはそのタイプ別に,以下の点を踏まえながらケーススタディをまとめています。

●実際にマイクロ技法を用いることで相談への対応がどのように展開していくかを示すために,マイクロ技法階層表の11段階(次頁の表)に当てはまる個所に階層番号を付けました。

●まずは「相談力アップのポイント」を念頭に置いてケーススタディを読んでみてください。その後に,「対応上の注意点」「質的調査結果から見える支援の実態」をまとめています。これらを併せて読むことで,相談を受ける側の技量を向上させることができるでしょう。

 悩める妊婦には,いろいろな専門職や民間団体が関わります。保健師,助産師,看護師,医療ソーシャルワーカーなどが相談対応を行い,医療機関や児童相談所,学校,さらに円ブリオ基金センターのような民間NPO団体とも連携します。

 今回紹介するのは「イライラ精神不安定型」の1事例です。

  • 文献概要を表示

 京都府(以下,本府)の統括保健師長は,2014(平成26)年5月に職員規定で健康福祉部に位置付けられ,保健師の人材育成の企画,保健師活動指針の運用,保健師の人材確保・適正配置,保健師活動に係る所属間の横断調整,災害における保健活動,保健師関係団体調整等が業務となっています。これらの業務を通じて統括保健師長が,本府の全保健師に対し,「みる」「つなぐ」役割を担うことが,それぞれの力を活かすことにつながると考えています。今回はそのための取り組みを紹介します。

連載 鹿児島保健師ものがたり 地域包括ケア時代の保健師の役割を探る・3

  • 文献概要を表示

介護保険導入時から地域包括ケアシステム構築に先駆的に取り組んできた鹿児島の保健師たち。その取り組みを5回の連載で振り返り,時代とともに生きる保健師の役割を探ります。

連載 ニュースウォーク・235

  • 文献概要を表示

 突然の総選挙のおかげで話題にならなかった「政策の混乱」が幾つかある。自治体が高額返礼品を競った揚げ句,見返り目当ての“納税”が増えて制度の趣旨が変質しそうな「ふるさと納税」のあり方もその1つだろう。

 故郷自治体への特別の寄付制度で2016年度に全国自治体の受入額は2844億円に達した。高級肉,金券やパソコンなど豪華返礼品目を用意した自治体に寄付が殺到した。

  • 文献概要を表示

History and Now

どのような機関なのでしょう?

 本学は1987(昭和62)年4月に帝京技術科学大学として開学後,1995(平成7)年4月に帝京平成大学に改名,2004(平成16)年4月にヒューマンケア学部看護学科を開設,2013(平成25)年4月,千葉キャンパス(市原市)から現在の中野キャンパスに移転しました。開設当初から保健師教育を行ってきましたが,中野キャンパス移転を機に,看護学科の定員119名に対し,保健師コースは20名の選択制となりました。また,今年度4月には,新たに看護学研究科看護学専攻修士課程を開設しました。

--------------------

バックナンバー一覧

今月の3冊プラス1

次号予告・編集後記

基本情報

13488333.73.12.jpg
保健師ジャーナル
73巻12号 (2017年12月)
電子版ISSN:1882-1413 印刷版ISSN:1348-8333 医学書院

前身誌

文献閲覧数ランキング(
9月16日~9月22日
)