連載 時代が求める! 保健師記録の仕組みづくり・3
—長岡京市の取り組み—電子化記録の活用による母子保健サービスの質保証
吉本 照子
1
,
池田 裕子
2
,
藤崎 京子
2
,
栁澤 尚代
3
,
清水 洋子
4
,
菅原 京子
5
1千葉大学
2長岡京市役所
3弘前学院大学
4東京女子医科大学
5山形県立保健医療大学
pp.1042-1049
発行日 2017年12月10日
Published Date 2017/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200833
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はじめに
記録の電子化により,保健師は対象者の多面的な情報を,関係者と迅速に共有・検討でき,的確な保健サービスを継続的に提供できる。また,日々の保健師活動について,組織的に評価と質改善を継続的に行うことができる。特に,子ども虐待や高齢者虐待などの緊急性・重大性の判断を要する事例に対して的確に対応するために,こうした情報基盤の整備の意味は大きい。
長岡京市では,1965(昭和40)年から,全乳幼児に対し,妊娠から就学に至るまでの継続的な健康管理体制を構築してきた。そうした体制基盤をもとに,保健サービスの質向上に向けて,1998(平成10)年度から先進的に記録の電子化を検討し,2001(平成13)年度から健康管理システム「長岡京市健康情報ガイド総合システム(Nagaokakyo Information-Guide-of-Health, Total-System-2001:NIGHTS)」を本稼働させた1)。
長岡京市における記録の電子化に関する取り組みは,電子化に限らず,記録の改善に関する課題を示唆していると考えている。今回はNIGHTSのねらい,および活用による効果について紹介し,保健サービスの質保証に向けた記録の改善に関する課題について述べる。
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