訪問看護と介護 22巻12号 (2017年12月)

特集 看護基礎教育で新卒訪問看護師をどう育てるか

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滋賀医科大学の「訪問看護師コース」は、「卒業後の選択肢の1つに訪問看護を」という目標を掲げ、2014年に始まりました。現場の訪問看護師などによる60時間の講義・演習と5週間の実習を通し、じっくり訪問看護を学びます。附属病院看護部と大学看護学科、さらに県看護協会が連携することで、就職したあとも支援できる体制を整えました。このコースを受講しても単位として認定されませんが、開講以来、毎年10名近くの学生が訪問看護への熱い思いをもって取り組んでいます。

昨春、第一期生が卒業し、その成果と可能性が見えてきました。

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 本学では2015(平成27)年度から、看護学科の第3学年に、選択制の「訪問看護師コース」を新設しました。学部教育における新卒訪問看護師の育成をめざしたコースです。

 その背景には、滋賀県より地域医療介護総合確保基金を受けて開発した「新卒でも在宅看護の現場を選択できる教育プログラム」(以下、本教育プログラム)があります。これは滋賀県看護協会の「新卒訪問看護師育成プログラム」を卒後教育として活用した、卒前卒後の一貫した教育プログラムです。受講生の訪問看護への興味・関心を高めるとともに、新卒訪問看護師としての実践力を身につけた看護師を輩出することが目的です。

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現場で活躍する新卒訪問看護師が増えてきた一方で、「新卒で訪問看護は難しい」というイメージは、在宅現場・教育現場を問わず根強く残っている。

そんななか、滋賀医科大学では、学部教育に選択制の「訪問看護師コース」を設置した。同コースを選択した学生は、3年次の冬休みから春休みにかけて、計60時間の講義・演習および1か月以上の実習で訪問看護を学んでいくという。

看護基礎教育で、訪問看護に重点を置いた教育を行なうねらいはどこにあったのか。その結果、学生や大学、病院、地域にどのような成果が得られたのか。

新卒訪問看護師を育てる立場・新卒訪問看護師として育てられた立場である、2人の聞き手がお話を伺った。

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滋賀医科大学医学部看護学科の学生として、訪問看護師コースで“学んだ側”からどんなことを感じたのか。第1期生であるお2人に本プログラムを受講しようとしたきっかけから、実際に学んでみてどうだったのか、また課題として感じたことなどをふり返ってもらった。

大学を卒業して、訪問看護ではなく、ともに大学病院での勤務を選んだお2人だが、話を聞いているうちに、将来の訪問看護師像をそれぞれ自分なりに描きながら、学び続けていることがわかった。

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 私は2015年まで滋賀医科大学附属病院看護部長を務め、2017年には副病院長として、看護臨床教育センターの設立と訪問看護師コースの立ち上げに関わりました。その道のりをふり返り、この取り組みに込めた思いを書いてみたいと思います。

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小田原福祉会は、創始者である時田純理事長の、人の尊厳を守るという徹底した考えのもと、利用者目線に立ち、地域にどっしりと根を張りすでに40年。地域のニーズに応え続けることが、最大のミッションだといい、現在の幅広い事業展開が、その証左となっている。同会の理念経営におおいに学びたい。

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 筆者が所属する「きらきら訪問ナース研究会」は、地域できらきらと輝くように活躍している新卒訪問看護師を「きらきら訪問ナース」と名づけ、新卒訪問看護師の育成および推進を目的に活動しています。2014年に、訪問看護事業所・看護系大学の教員・全国訪問看護事業協会の有志が集まって立ち上げられました。

 2015年度は「新卒訪問看護師教育プログラムセミナー」を開催、2016年度は「地域で育てる——新卒訪問看護師のための包括的人財育成ガイド」を作成し、ワークショップを開催しました。

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 岡山県看護協会(以下、協会)は、2015(平成27)年度から「岡山県新卒訪問看護師育成事業」(以下、新卒育成事業)を始めました。県内の訪問看護ステーション(以下、ST)は慢性的な人材不足であり、継続して人材を確保・定着することが目的です。

 現在、岡山県内には145か所のSTがあり、約750人の看護職が働いています。岡山県訪問看護ステーション連絡協議会(以下、連絡協議会)の実態調査では平均年齢は40歳台後半で、20〜30歳台が少なく、看護職常勤換算数5人以下が約7割を占め、若手訪問看護師の参入促進とSTの大規模化が課題となっています。

連載 地域包括ケアのまちを歩く—コミュニティデザインの視点で読み解くケアのまちづくり・第13回

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障害児入所や就労継続支援、グループホーム、高齢者通所介護などの介護・福祉施設と、温泉、サービス付き高齢者向け住宅、学生向け賃貸やカフェなどが混在するShare金沢(以下、Share)。そこに暮らす人々と同様に、多種多様な用途の建物がごちゃまぜになって、不思議な一体感と居心地のよさをつくりだしている。そんなまちは、どうやってつくられたのか。

連載 在宅ケア もっとやさしく、もっと自由に!・99

最期の日々が輝くために 秋山 正子
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 マギーズ東京での相談支援には、がん患者やその家族に加え、ご遺族の方への対応があることも以前、紹介しました。今回は、がん療養中にマギーズを訪ねてこられ、さまざまな相談をするなかで、自分自身で時間の使い方を選び、やりたいことを成し遂げて逝かれたNさん、妻のHさん(ともに50代)のエピソードを紹介します。

 妻のHさんは、Nさんのがん療養中だけでなく、Nさんが亡くなられた後も「1人でいると悲しくなるので誰かと話したい」と、マギーズに通うようになりました。介護休暇を取り、復職するまでの間、Hさんにとってマギーズはグリーフケアも兼ねた居場所となりました。生前のNさんを知り、話を聞いてくれる人がいる場所にくると、「Nさんとつながっている気持ちになる」のだといいます。

連載 認知症の人とその家族から学んだこと—「……かもしれない」という、かかわりの歳月のなかで・第8回

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 「高齢者」と「老人」は同義語といわれることが多いが、言葉に宿っているものまでもが同じとはいえないだろう。「高齢者」が社会としてあるべきことや、するべきことを伝えやすいのに対して、「老人」は個別の経験から普遍的なことを語る世界に馴染みやすい。本稿では、あえてこの2つの言葉を1つにせずに使わせていただくことにする。

連載 どう読む!? 在宅医療・看護・介護政策・第24回

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 社会保障審議会介護給付費分科会(田中滋分科会長)は10月27日、2017(平成29)年度介護事業経営実態調査の結果について厚生労働省から報告を受け、2018年度介護報酬改定に向けて意見交換した。

 同調査によると、全介護サービスの平均収支差率は前回26年調査より4.5ポイント低下し、3.3%に落ち込んだことがわかった。

連載 シンソツきらきら・第12回

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 訪問看護ステーションを運営する法人はさまざまですが、今回は「学校法人立の訪問看護ステーション」という特色のある事業所で働いている黒澤栞さんに執筆していただきました。専門看護師・認定看護師など多くの専門家と一緒に働くなかで、新卒としてどのような意識をもって訪問看護を行なっているのでしょうか。(小瀬)

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次号予告・編集後記 栗原 , 小池
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特集のインタビュー収録に「夜勤明けです」と登場された新卒のお2人。笑顔も言葉も文字通りキラキラしていて、とてもまぶしく感じました。連載「シンソツきらきら」でも感じますが、悩みながらも希望をもって働いている新卒の方に触れると自分も元気づけられます。そんな新卒パワーは、利用者さんや先輩方にもきっと届いているのでしょうね。徐々に新卒訪問看護師さんが増えているのがその証拠。来年も、たくさんのきらきらナースさんに誌面にご登場いただけたらうれしいです●今年もたくさんの方に支えていただき、12月号まで発行することができました。どうもありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします!…栗原

かつてはただ難しいと思われていた新卒訪問看護師の養成。学会などに参加すると、最近では議論の焦点が「では、どうすれば育てられるか」に移り、「ウチはこうしている」という具体的なディスカッションがされる段階に移ってきたように感じます。それも本号で登場している方々のように、既存の思い込み・枠組みにとらわれずにチャレンジする人々がいたからこそ。こうした現場の柔軟かつ強かな試みにはワクワクしてしまいます。●時間が経つのは早いもので12月号を迎え、ひとまず1年のひと区切り。ご縁をいただいた皆さま、ありがとうございました。来年も、現場の実践の質向上に資する情報から、現場のニーズに応じて自由な発想で行なわれるケアの姿まで、追いかけます!…小池

基本情報

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訪問看護と介護
22巻12号 (2017年12月)
電子版ISSN:1882-143X 印刷版ISSN:1341-7045 医学書院

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