訪問看護と介護 18巻4号 (2013年4月)

特集 ご家族も一緒に! 在宅フィジカルアセスメント

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在宅療養が長い利用者さんでは、アセスメントもどこかマンネリ化しがちに。

「はい大丈夫、いつもどおり」と異変のサインを見逃していませんか?

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「看護」とは

 看護の「看」の字は、「手」と「目」から成り立っています。また「護」の字は、「護る」という意味です。つまり「看護」とは、手と目をもって護るのです。

 では、何を護るのでしょうか? 看護は暮らしを支えるという使命をもつと言われます。すなわち、「生活」を護るのです。

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 私は、10年間の訪問看護経験のあと、2009年より、当法人が区から受託した地域包括支援センターにて在宅経験のある看護師として保健師枠で仕事をしています。本稿では、「寝たきり」および「低ADL」のフィジカルアセスメントについて、その経験のなかからまとめます。

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 訪問看護師による在宅でのフィジカルアセスメントは、病院で言う「外来診察」「検査」、検査結果からの「診断」を同時にしているようなものである。しかし検査器具のない在宅では、“目の前の状況=情報”から、まず予測することが必要だ。病名・既往歴はもとより、的確な「問診」「視診」「触診」「打診」「聴診」をして、「バイタルサイン」などと総合して状態をアセスメントしていく。

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 私の訪問看護歴は10年、病院に勤めていたころから経管栄養法の患者さんに多く関わってきた。時代の流れのなか、経管栄養法は「経鼻栄養」から「胃ろう」や「腸ろう」に形を変えつつある。しかし、経管栄養法の選択に隠れた問題があることは、今も30年前も変わらないと感じている。

 当ステーション(常勤換算3名)には、現在、経管栄養中の利用者(全利用者数73名)が5名いる(うち胃ろう2名、腸ろう1名、経鼻栄養2名)。経管栄養法の訪問看護は、カテーテル管理などの技術的課題にとどまらない。「在宅」という、家族や介護職など非医療職による介護環境にあるからだ。訪問看護師は、医師のいない現場で自分1人で、その方の心身の状況を適切に判断・対応するのに加えて、家族や介護職に対して、利用者の命を守るための「指導」「教育」もしていかなければならない。

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 厚生労働省*1によると、国民の60%は終末期には自宅での療養を望んでいると言われている。しかし、2010年の自宅での死亡者数は12%にとどまっている。人々が自分の望む場所で療養し、穏やかな死を迎えるために、私たち訪問看護師に求められる役割は大きい。

 当ステーション(現在常勤換算8.8名:看護師5.8名、理学療法士・作業療法士3名)ではとくに終末期ケアに力を入れており、2011年度は94名の終末期利用者を訪問し、40名を在宅で看取った。緩和ケア病棟への移行は13名で、看取りのためだけに病院搬送されたケースは5名だった。本稿では、その経験から「終末期」のフィジカルアセスメントについて振り返る。

巻頭インタビュー ケアする人々・19

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いま、「腰痛」についての考え方が転換期を迎えている。いわゆる慢性腰痛の多くを占める非特異的腰痛(明らかな原因が特定できない腰痛)の危険因子として、脊椎(腰)への負荷だけでなく、「心理社会的ストレス」が重要であることが明らかになってきたからだ。一方で、仕事に支障をきたすほどの腰痛は、とくに看護や介護などの仕事で起きやすいこともわかっている。本号では、最新の研究成果と豊富な臨床経験に基づき腰痛治療の“新常識”を提示する松平氏に、非特異的腰痛の捉え方と、それを踏まえた対策について聞いた。あなたも「腰痛持ち」から脱脚できる!

ほっとらいん ふろむ ほんごう

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 さる2月4日(月)、第3回訪問看護支援事業報告会が開催された(全国訪問看護事業協会主催)。「訪問看護支援事業」は、訪問看護サービスの安定的供給と在宅医療の充実をめざした厚生労働省老健局による総計10億円の国庫補助事業。2009年度から4年間の計画で始められ、本年度をもって終了する。各自治体での実施期間は2年間で、1年目は11道県、2年目は4府県、3年目は15府県市が参入し、計30自治体が取り組んだ。本報告会では、11自治体がそれぞれの成果と課題、支援事業終了後も継続している取り組みについて報告した。

 各自治体からの報告に先立ち、八田睦美氏(厚生労働省老健局老人保健課)が近年の訪問看護事業の動向について概説。2012年10月の介護給付費実態調査で、全国の訪問看護事業所数が同年4月の報告より約300か所増え6333か所に、訪問看護利用者数が約2万人増え32.2万人になったことを指摘した。

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 千葉県看護協会では、安定した質の高い訪問看護を提供するための人材育成に関する基盤整備を行なう目的で「訪問看護実践センター事業」を2012年度から開始した。この事業の背景はすでに本誌2012年9月号*1で述べたが、千葉県の地域医療再生計画の柱のひとつである「在宅医療の充実のための新たな人材の確保・定着」の方策として、新卒訪問看護師の育成プログラムと学習支援体制を構築するものである。

 第2報となる今回は、実際に新卒者を受け入れてほぼ10か月が経過した訪問看護ステーションで、管理者・指導者らがどのように新卒者を育てる「学習支援体制」をつくり上げてきたかを、新卒者の成長過程も含めて報告する。

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 介護職員の手洗い実施を促進する方法を明らかにするための基礎資料を得るべく、高齢者施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設)で働く介護職員に「手洗い」についてのインタビュー調査を半構成的面接法にて実施した。

 介護職員6名から得られたインタビュー内容を逐語録として文書化し、手洗いの意識に関して意味のあるセンテンスを抽出したところ、136のコードが得られた。そのコードは、手洗い実施に関連する意識として22のカテゴリーに分類された。

 介護職員は、手洗いを「専門職としての責任」と意識して実施していた。一方で、単に「習慣」として実施されている側面もあった。手洗いは、感染予防として意識し、適切に行なう必要がある。

 「適切な手洗い」を行なう動機づけとして、「専門職としての責任」に効果的に働きかける具体策について示唆を得た。

連載 在宅ケア もっとやさしく、もっと自由に!・43

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 新宿区介護サービス事業者協議会の研修会で、最も要望の多いテーマは「医療との連携」です。とくに、医師との連携がうまくいかないので、議題として取り上げ、デイスカッションできないかと。

 そこで、今年1月の研修会では、あらかじめ用意しておいた台本を使ってロールプレイを行ないました。医師・訪問看護師・訪問入浴事業所職員・薬剤師・ケアマネジャー・ショートステイ担当者の方々に対して、進行役の私が質問をするというかたちで進行したのです。以下に、その一部を紹介します。

連載 介護することば 介護するからだ 細馬先生の観察日記・第21回

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 ある日、ビニールの買い物袋を三角折りにしていたときのこと。

 あ、サワダさん、うまく折りますね、へえ、と差し出した私の手に、サワダさんがちょっと震える手でぴしりと折ったビニール袋を差し出し返してくれるのを受け取ろうとして、あれ、これ珍しいな、と思った。

連載 一器多用・第23回

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 最近、「情弱(じょうじゃく)」という言葉をよく目にします。「情報弱者」の略で、本来は、僻地などでインターネット環境が整っていなかったり、うまく使いこなせなかったり、技術不足のために情報格差が生じている状態を表わしています。そこから転じて、主にネット上では、情報に疎く、うまく立ち回れない人を揶揄する意味で使われるようになりました。

 あまり品がいいとは言えない言葉ですが、介護現場には、思わず「情弱!?」とツッコミたくもなる状況が少なからずあります。家庭介護ではなく、プロであるはずの介護職員の方々のなかにです。もちろん一部ではあるのですが、全国の介護施設・事業所を研修で回り、実際に現場にも入らせていただくと、どうしてもそうした実態が目に入ってきてしまうのです。

連載 「介護」「看病」は“泣き笑い” ウチの場合はこうなんです!・第25回

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母さん 私、現場のスタッフさんについて、以前からずっと気になっていることがあるのよ。

杏里 何が気になってるの?

連載 地域のなかの看取り図・第3回

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 最近、『毎日がアルツハイマー』という映画(配給:シグロ社、全国各地で劇場および自主上映中)を観て、関口祐加監督(編集室註:本誌本年1号巻頭参照)の大ファンになりました。YouTubeにアップされているインターネット版の映像も毎日チェックしつつ、関口監督とお母さんのアルツハイマーな日々に癒されています。

 関口監督はオーストラリアに長年住んでいたのですが、お母さんが認知症になったのをきっかけに、日本に戻って来ます。そして、お母さんと娘のドタバタな日々が始まりました。監督のおおらかな人柄が全編に満ちあふれていて、こんなに生活を楽しめる家族って素晴らしいなあ、と思う映画です。

本連載はWebマガジン「かんかん!」http://igs-kankan.com/article/2013/04/000747/index.htmlにて順次無料公開中

読者の声

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早めに訪問看護師になってよかった!

匿名希望 神奈川・訪問看護師

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ニュース―看護と介護のこのひと月

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次号予告・編集後記 杉本 , 多淵
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JSPEN(静脈経腸栄養学会)をはじめ、立て続けに「胃ろう」関連の取材をしました。「あなたは胃ろうをしますか?しませんか?」。そう問われると、ある会場では、男性(医師が多いと思われる)は「する」、対照的に女性(看護師らが多いと思われる)は「しない」に挙手する傾向に意味深なものを感じました。胃ろうケアの質向上や倫理的課題が盛んに議論されるとともに、共通して問題視されたのはマスコミ報道による胃ろうへの「誤解」。胃ろうを回避し、あえて経鼻胃管を選ぶケースが増えているとも。本人の苦痛も介護の負担も大きい経鼻胃管が胃ろうに取って代わるというのはあまりに本末転倒です。そんな苦境が、特集・大澤さんの原稿からも垣間見えます。「胃ろう」をテーマとする懸賞論文の〆切が間近です。駆け込み応募もお待ちしています。…杉本

いま、体幹トレーニングがブームです。サッカー日本代表の長友選手が取り入れていることで話題となり、関連書籍もたくさん発行されています。体幹トレーニングでは、深い部分にある筋肉を鍛えることで体の軸が安定し、競技力の向上が期待でき、腰痛予防の効果もあるようです。最近弊社でも、毎朝始業前に有志で実践しており、始めて1か月足らずですが、サッカーの競技中など少しずつ効果を実感しています。さて、本号の巻頭インタビューでは、そうした手法とは全く違う角度から腰痛へアプローチする、松平浩先生にお話をうかがいました。「腰痛の原因の1つは、ストレスからくる身体化徴候」というお話は、まさに目からウロコ。「腰痛持ち」の方は必見の内容です。僕もストレスを溜めない生活を目指すべく、山下達郎を聴きはじめました。…多淵

基本情報

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訪問看護と介護
18巻4号 (2013年4月)
電子版ISSN:1882-143X 印刷版ISSN:1341-7045 医学書院

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