特集 在宅神経難病療養者の意志決定を支える
在宅療養における意思決定の現状と看護師の役割
櫻井 恵美子
1
1八王子保健生活協同組合城山訪問看護ステーション
pp.284-290
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100654
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はじめに
神経難病は進行性の疾患で原因不明,治療法未確定で,社会通念では不治の病であるとされてきた。したがって,告知は死の宣告に等しく,療養者,家族の絶望感は測り知れないものがある。その気持ちを乗り越え,病気に立ち向かう勇気は,我々に感動を与え,人間に与えられた全ての生命力を使い尽くして過ごさせたいと願う気持ちを起こさせる。しかし,悲痛な日々の生活に追い打ちをかけるように,生命と向き合い決断を迫られる時が次々にやってくる。我々はその過程に立ち会い,療養者・家族の意思決定に参加せざるを得ない状況になる。療養者・家族を支援する役割とは,ともに決断を迫られることのようにさえ感じる。
ここで3つのケースを紹介し,医師の告知の後,症状悪化に伴いどのような対応がとられたのか,意思決定の現状と看護師のかかわりについて述べる。
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