LiSA 26巻8号 (2019年8月)

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Nagasaka We recognize and discussed differences in philosophy where guideline stands between the two countries;Japan and the USA. We might want to mention practical aspects as well—?

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筆者は,在宅訪問診療に携わっていた時期がある。担当していた訪問先で,さまざまな事情や背景の人々に会った。

 脳出血で寝たきりの高齢者を介護する高齢の配偶者。若くして癌を患い,腹水を抜きながらも毎日,自宅兼職場の工務店で働くお父さん。サービス付き高齢者住宅で,たった一人で息を引き取る心不全の身寄りのない資産家。手術で病巣摘出はしたものの,退院してからもただ痛みに耐えつつベッドで過ごす日々の方。筆者自身が数年前に麻酔を担当した患者を,自宅で看取ったこともある。実は,本当に辛いことは急性期を乗り越えた退院後にあるという事例を,在宅訪問診療に携わった短い期間でたくさん勉強させてもらった。

 私たち麻酔科医は,こと手術室の中ではどのような危機にも対応し救命する技術と知識がある。また,術後病棟での鎮痛管理もお手のものだろう。しかし,患者の退院後までを考えて麻酔計画を練っているだろうか?

 今回の症例カンファレンスは,治療自体の適応や予後までを考慮に入れる必要があるケースを取り上げた。各PLANに共通するキーワードは「家族」である。いち麻酔科医としてだけではなく,患者の家族であると想像して,どのように管理するかも考えてみていただきたい。

予告編
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次号の症例カンファレンスの提示症例を,一足先に紹介する。

自施設にこのような症例が来たら,どのような麻酔計画を立てるか,事前に考えておいてほしい。

次回,各施設のPLANをお楽しみに!

徹底分析シリーズ JSA PIMSと新専門医症例登録—専門医 維持したければ これを読め

巻頭言 讃岐 美智義
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20年以上前に筆者が開発し,フリーソフトウエアとして配布した統合型手術室業務支援システムASA-OSの機能限定版が,JSA麻酔台帳であった。2003年に日本麻酔科学会(JSA)の麻酔関連偶発症例調査の詳細データを収集する目的で,JSA麻酔台帳の配布は始まった。2010年にはJSA PIMSと名称が変更され,何度かの修正と機能追加がなされてきた。そして,JSA PIMS 2019では,麻酔科専門医申請の電子データ(麻酔科学会認定病院の年次報告)の作成機能が追加され,2019年から麻酔科認定病院への導入が義務づけられた。この導入必須化は,JSA PIMSがこれまで以上に活用される予感を抱かせるだけでなく,日本の標準麻酔台帳となったことを意味する。

 JSA PIMSが標準麻酔台帳であるとすれば,本誌2019年2月号で特集したAIMS〔anesthesia information management system(麻酔情報管理システム)〕に内在している麻酔台帳機能との連携や,その位置づけが重要であり,JSA PIMSの変貌ぶりを詳細に知っておくべきである。AIMSは,各施設が自由にカスタマイズを繰り返し,麻酔台帳機能もガラパゴス化している施設も多いが,JSA PIMS 2019におけるさまざまな変化は,今後のAIMSのあり方を変える起爆剤になると確信する。そこで,JSA PIMS 2019を全国の麻酔症例統計データという観点からだけではなく,日本の麻酔の質向上に向けて,麻酔科医各自が関与すべき行動目標を示すために,本徹底分析を企画した。

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麻酔科専門医の申請あるいは更新のためには,JSA PIMSへの麻酔症例登録が2019年4月1日から必須になった。今回のJSA PIMSの必須化の背景には,2019年度以降,麻酔科専門研修プログラムの専攻医の症例登録が必要になったことが大きい。専門医申請の電子データは,病院ごとにJSA PIMSからの提出となるため,資格申請時には麻酔科責任者の署名などが不要になる。また,麻酔関連偶発症例調査だけでなく,日本麻酔科学会(JSA)認定病院の年次報告にも利用される。

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「理想」——最近の医療現場にいると忘れてしまいそうな言葉である。本稿の執筆で「理想」という言葉を目にして,改めてその視点でJSA PIMSについて考えてみた。

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2019年度から日本麻酔科学会(JSA)認定病院においてJSA PIMSを使用することが必須化された。筆者をはじめとしたJSA PIMSワーキングのメンバーは,10年以上前からJSAに対してこれを必須化することを主張しては却下され続けてきた。今回は専門医制度がJSA認定から日本専門医機構による認定に移行するのに伴い,機構から資格申請に必要な症例情報を正確に収集し,かつ審査において疑義がでた場合に該当症例をすみやかに提出することを求められたため,ようやく必須化されたのである。つまり主たる目的は,専門医認定手続きのためである。しかしながらJSA PIMSはそもそも電子麻酔台帳であるから,これを機に各施設においてJSA PIMS本来の機能が活用されることが望ましい。

 本稿では,JSA PIMSの必須化によって何ができるようになるのか,JSAおよびJSA会員にどのようなメリットがあるのか,またJSA PIMSの更新によるデメリットにどう対応すべきか,などに関して話を進める。なお,今回のVer.6.0から日本心臓血管麻酔学会の専門医取得に関する入力も可能となっているが,本稿では取り扱わない。

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日本麻酔科学会(JSA)の麻酔台帳(JSA PIMS)は,電子化された麻酔台帳としての機能がその基本であるが,一方で開発当初から麻酔関連偶発症例調査のデータ報告として利用されている。加えて,麻酔科専門研修プログラムや専門医の新規・更新認定の臨床実績記録,証明書類作成に用いられ,必要麻酔管理件数や必須麻酔症例経験の表示などの機能が盛り込まれるように改良されてきている。筆者は,一病院の麻酔科管理者としてもこのJSA PIMSをこれまで利用してきた立場として本稿に考えをまとめる。

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2018年12月1日に開催された第36回日本麻酔・集中治療テクノロジー学会では,JSA PIMSをテーマとするシンポジウムを企画した。このシンポジウムに先立って,JSA PIMSの現状を知るためにウェブアンケートを実施した。アンケートは2018年10月11日〜11月18日の期間,第36回日本麻酔・集中治療テクノロジー学会の公式ホームページ上で公開し,74件の回答を得た1)。アンケート回答者が所属する施設のプロフィールを図1に示す。なお,回答者の68%はJSA PIMSの管理を行っている麻酔科医,残りが一般ユーザーであった。2017年時点でJSA PIMSの運用施設は約600であり2),同一施設から重複回答がないとすれば,運用施設の10%以上から回答が得られたことになる。

 本稿では,このアンケートの集計からみえてくるJSA PIMSの現状やユーザーが抱えている問題点を提示し,これらを解決するにはどうすればよいかを考えたい。

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2018年にリリースされたJSA PIMS 2019 Ver.6.0は,術前の患者合併症から,手術の内容および術中の使用薬剤,輸液量,周術期の合併症,偶発症の入力を求められ,麻酔科専門医の新規および更新申請の際に必須となった。

 JSA PIMSは麻酔領域の最大のデータベース1)であり,入力方法や合併症の内容に関して病院情報システムhospital information system(HIS)や麻酔情報管理システムanesthesia information management system(AIMS)との連携が重要である。大学病院では,独自のカスタマイズによるAIMSの肥大化とガラパゴス化が背景にあるだけでなく,麻酔科管理症例数や関与する麻酔科医数が多く,術式も多様化しているため,データ入力にはさまざまな問題が存在する。

 また,1日あたりの手術症例数が多いため,術後に生じる重篤な合併症については,術後経過を含めて十分にフォローできていない可能性がある。確定されたJSA PIMSの入力内容はわかるが,入力作業は麻酔担当医に任されており,指導医が必ずしも確認できていない。また,活用に関していえば,専門医申請時に各麻酔科医が麻酔実績を報告する際に検索する程度で,麻酔台帳としての機能を活用できていない事実も見逃せない。

 本稿では,AIMSを利用する大学病院のユーザーとして,JSA PIMSとの連携について現状と問題点について論じる。

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日本麻酔科学会(JSA)は,認定病院に対し偶発症例調査を行っており,多くの施設でJSA PIMSを用いて報告を提出してきた。今回,新専門医制度が始まるにあたって,症例登録と偶発症例調査,年次報告のすべてをJSA PIMSを用いて提出するよう義務化された。果たしてJSA PIMSによる今までの偶発症例調査は意味あるもので,JSA会員にとって有意義なものであったのか。ユーザー側からみた今までのJSA PIMSについて私見を述べる。

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JSA PIMS 2019についてメーカーの立場から問題点を,というお題を頂戴しました。正直なところ,各社の考えをまとめたわけではないので,個人的なつぶやきという域を超えません。しかし個人的にも,麻酔情報管理システムanesthesia information management system(AIMS)とともに歩んだ20年。2017年末からのベンダー会議に参加していた立場として,自分自身の力不足に対する反省点も含め,今後の日本麻酔科学会(JSA),そしてJSA PIMSの発展に役立つ議論ができるように問題提起いたします。

こどものことをもっと知ろう 第5回

ウイルス性発疹症 伊藤 健太
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心室中隔欠損症がある6か月の男児が手術室に入ってきました。いつものとおり,看護師がモニターを装着しようと手術着を脱がせたその時……

diary

高知県高知市 山下 幸一
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当院は1928年に日本赤十字社高知県支部療院として開設され,1943年に高知赤十字病院と改称されました。ベテラン麻酔科医であれば20年前に当院が,臓器移植法施行後,初の臓器提供施設となったことを記憶しているかもしれません。設立91年の今年,そして元号が令和に変わった直後の5月7日,南海トラフ巨大地震による大規模災害に備えるため,新築移転しました(写真1)。

 当院は規模としては中規模ですが,三次救急まで担う救命救急センターを併設しており,急性期医療を得意としています。医師が迅速に現場に向かい,早期に診療を開始するラピッドレスポンスカーも移転を機に新規に導入しました(写真2)。麻酔科の特徴を一言で表すならば“救急部との協調性”です。というか,「麻酔科と救急部は同一の組織」と言えます。麻酔科スタッフは全員,救急科専門医を取得していますし,救急部スタッフも半数近くが麻酔科専門医を取得しています。救命救急センターに手術が必要な患者が来院すれば,救急部スタッフが初診から手術適応の判断を行い,そして麻酔も担当します。全身状態が不良であれば,麻酔科スタッフが応援に入り,麻酔の質を維持します。このように,救急部と麻酔科が協調して診療することで,緊急手術に対するストレスを軽減する体制づくりを実践しています。また,育児中の女性麻酔科医・救急医,そして男性育休も,みんなで協力してサポートしています。

クラシック音楽談義 ゆるりと音楽の話をしませんか 第4回

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前回は,バッハとヘンデルの音楽について紹介しました。今回は,彼らの運命を変えた眼科手術についてお話しましょう。

連載

THE Editorials
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Anesthesiology

Editorial:

Pirracchio R, Gropper MA. Heterogeneity in intensive care:low severity does not mean low risk! Anesthesiology 2019;130:190-1.

Article:

Pham T, Serpa Neto A, Pelosi P, et al. Outcomes of patients presenting with mild acute respiratory distress syndrome:insights from the LUNG SAFE study. Anesthesiology 2019;130:263-83.

■急性呼吸促拍症候群(ARDS)の現状

ARDSは集中治療室でよく遭遇する病態で,肺炎,誤嚥,敗血症などが誘因となる。ARDSネットワークからは,肺保護戦略を代表として,さまざまな薬物治療,輸液療法,経管栄養などに関する研究成果が発表されている。しかし,ARDSになった場合,その原因疾患の関係もあり,死亡率は依然として40%程度と高いままである。

 ARDSは2012年の定義(Berlin定義)では,PaO2/FIO2(P/F)比により重症度が分けられ,P/F比が200〜300mmHgは軽症ARDSと分類されている。軽症ARDSは,しばしばARDSの研究対象から外されるなど,自然歴や死亡率に関係する因子などについての大規模な前向き研究は行われていない。

Enjoy! ワイン

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こんにちは!ワイン安部です。

消費増税までいよいよあと2か月。ワインを買うなら今のうちですよ!わが家は在庫がどんどん増えています。

さて,先日主催したワイン会で状態不良,いわゆる「ブショネ」のワインがありました。

今回はワインの状態不良について解説します。

Tomochen風独記

(55) 留学斡旋 山本 知裕
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読者の中には,海外留学に興味をもっている人もいると思います。所属している医局が,海外に留学先のツテをもっていて,順番待ちでレールに乗れてしまう場合は超ラッキーですが,そのレールの行き先が,必ずしも自分のやりたいことと一致しているとは限りません。まずは自分が修業したい分野,方向性,いうなれば将来の専門性を考えて,自分の希望する修業ができる留学先を見つけ出す必要があります。

 今回は,自分が留学相談を持ちかけられるようになってみて改めて感じる,他人の留学先探しを気軽に請け合ったり,無責任に斡旋したりすることの是非について,考えてみました。

Medical Books 自薦・他薦

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基本情報

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LiSA
26巻8号 (2019年8月)
電子版ISSN:1883-5511 印刷版ISSN:1340-8836 メディカル・サイエンス・インターナショナル

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