徹底分析シリーズ 「抜管」と向き合う
抜管後に気道が閉塞する可能性のある症例の抜管—抜くべきか 抜かざるべきか
新山 幸俊
1
Yukitoshi NIIYAMA
1
1秋田大学大学院医学系研究科医学専攻 病態制御医学系 麻酔・蘇生・疼痛管理学講座
pp.384-388
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202893
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頭頸部手術,長時間の腹臥位手術,困難気道を合併している症例では,組織の浮腫,血腫,声帯麻痺などにより抜管後に気道が閉塞し,陰圧性肺水腫を含む低酸素血症,さらには生命に関わる状態に陥る可能性がある。本稿では,これらの症例における抜管後の気道閉塞の予測とその対策について解説する。
なお,本稿執筆時点(2024年1月)で,抜管が困難な患者への対応について言及しているガイドラインは,英国Difficult Airway Society(DAS)の『Difficult Airway Society Guidelines for the management of tracheal extubation』1)とインドAll India Difficult Airway Associationの『All India Difficult Airway Association 2016 guidelines for the management of anticipated difficult extubation』2)しかない。これらのガイドラインはエビデンスも十分に検証されてはいるが,専門家の意見をまとめたコンセンサス・ステートメントの意味合いが強い。現在,日本麻酔科学会も,『全身麻酔からの覚醒・抜管を安全に行うためのガイドライン』を作成中である。そこでは,本稿で解説する内容とは異なる見解が示されるかもしれないが,ご了承いただきたい。
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