徹底分析シリーズ JSA PIMSと新専門医症例登録—専門医 維持したければ これを読め
JSA PIMSとAIMS連携—大学病院ユーザーからみた問題点
山本 俊介
1
Shunsuke YAMAMOTO
1
1大阪大学大学院医学系研究科 麻酔・集中治療医学教室
pp.784-788
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201447
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2018年にリリースされたJSA PIMS 2019 Ver.6.0は,術前の患者合併症から,手術の内容および術中の使用薬剤,輸液量,周術期の合併症,偶発症の入力を求められ,麻酔科専門医の新規および更新申請の際に必須となった。
JSA PIMSは麻酔領域の最大のデータベース1)であり,入力方法や合併症の内容に関して病院情報システムhospital information system(HIS)や麻酔情報管理システムanesthesia information management system(AIMS)との連携が重要である。大学病院では,独自のカスタマイズによるAIMSの肥大化とガラパゴス化が背景にあるだけでなく,麻酔科管理症例数や関与する麻酔科医数が多く,術式も多様化しているため,データ入力にはさまざまな問題が存在する。
また,1日あたりの手術症例数が多いため,術後に生じる重篤な合併症については,術後経過を含めて十分にフォローできていない可能性がある。確定されたJSA PIMSの入力内容はわかるが,入力作業は麻酔担当医に任されており,指導医が必ずしも確認できていない。また,活用に関していえば,専門医申請時に各麻酔科医が麻酔実績を報告する際に検索する程度で,麻酔台帳としての機能を活用できていない事実も見逃せない。
本稿では,AIMSを利用する大学病院のユーザーとして,JSA PIMSとの連携について現状と問題点について論じる。
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