症例ライブラリー 腰背部痛のレッドフラッグを見逃すな
腰は痛いし…手はふるえるし…便秘もつらいです…
若泉 謙太
1,2
Kenta WAKAIZUMI
1,2
1慶應義塾大学医学部 麻酔学教室
2慶應義塾大学病院 痛み診療センター
キーワード:
Parkinson病
,
ドパミン神経
,
非運動症状
Keyword:
Parkinson病
,
ドパミン神経
,
非運動症状
pp.674-677
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320070674
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■症例
82歳の女性。身長148cm,体重46kg。主訴は腰椎の変性側弯症(図1)を伴う腰痛であった。下肢痛の訴えはなく,腰痛のためパートナーに付き添われて院内は車椅子移動であったが,明らかな下肢の運動障害や膀胱直腸障害はなかった。背部叩打痛はなかったが,腰椎横突起の圧痛があった。高齢であり,本人の手術希望もないことから,保存加療目的に整形外科から痛みセンターに紹介された。
変性側弯症に伴う椎間関節症と診断し,椎間関節ブロックを行った。痛みは軽減したが,歩行は引き続き困難であるため,ブロック療法を継続しながらセレコキシブ,アセトアミノフェン,トラマドールを処方し,対症療法を行った。
2か月程度経過して,手のふるえを訴えるようになった。もともと表情に乏しく,やや弱い声で淡々と話す患者だった。ちょうど年末であったため,年賀状について質問すると,字が書けなくなったとのことだった。普段から院内は車椅子で移動していたが,歩かせてみると小刻み歩行だった。
さて,あなたならどうする?

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