徹底分析シリーズ JSA PIMSと新専門医症例登録—専門医 維持したければ これを読め
巻頭言
讃岐 美智義
1
1国立病院機構 呉医療センター・中国がんセンター 麻酔科
pp.757
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201441
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- 文献概要
20年以上前に筆者が開発し,フリーソフトウエアとして配布した統合型手術室業務支援システムASA-OSの機能限定版が,JSA麻酔台帳であった。2003年に日本麻酔科学会(JSA)の麻酔関連偶発症例調査の詳細データを収集する目的で,JSA麻酔台帳の配布は始まった。2010年にはJSA PIMSと名称が変更され,何度かの修正と機能追加がなされてきた。そして,JSA PIMS 2019では,麻酔科専門医申請の電子データ(麻酔科学会認定病院の年次報告)の作成機能が追加され,2019年から麻酔科認定病院への導入が義務づけられた。この導入必須化は,JSA PIMSがこれまで以上に活用される予感を抱かせるだけでなく,日本の標準麻酔台帳となったことを意味する。
JSA PIMSが標準麻酔台帳であるとすれば,本誌2019年2月号で特集したAIMS〔anesthesia information management system(麻酔情報管理システム)〕に内在している麻酔台帳機能との連携や,その位置づけが重要であり,JSA PIMSの変貌ぶりを詳細に知っておくべきである。AIMSは,各施設が自由にカスタマイズを繰り返し,麻酔台帳機能もガラパゴス化している施設も多いが,JSA PIMS 2019におけるさまざまな変化は,今後のAIMSのあり方を変える起爆剤になると確信する。そこで,JSA PIMS 2019を全国の麻酔症例統計データという観点からだけではなく,日本の麻酔の質向上に向けて,麻酔科医各自が関与すべき行動目標を示すために,本徹底分析を企画した。
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