呼吸と循環 46巻3号 (1998年3月)

特集 手術はどう呼吸を損なうか

気道反射と誤嚥 西野 卓
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 はじめに

 周術期に発生する合併症のなかで呼吸系合併症は最も頻度の高いものである.呼吸合併症の原因は様々であるが,気道反射の低下に伴う誤嚥が原因となるいわゆる“嚥下性肺炎”は因果関係が明らかなものとしてよく知られている.気道反射低下は麻酔によって容易に生じるが,誤嚥は麻酔中だけではなく周術期全般にみられる現象であり,誤嚥および嚥下性肺炎を麻酔にのみ関連した合併症とみなす考え方は誤りである.

 本稿では気道反射と誤嚥についての基礎的および臨床的問題を概説する.

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 はじめに

 気道の粘液線毛輸送系は呼吸器系の防御機構において重要な役割を果たしており,気道に侵入した異物や細菌を除去する働きを有する.粘液線毛輸送能は線毛上皮細胞と気道粘液との相互作用により規定され,線毛運動周波数(ciliary beat fre—quency:CBF)とそれらの継時波(metachronalwave)が重要な要素となっている.

 本稿では線毛の基本構造と線毛運動の基本メカニズムを解説するとともに,麻酔ならびに手術により線毛運動がどのような影響を受けるかについて明らかにしたい.

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 はじめに

 開胸手術によって受ける肺胞領域の障害の主たる病理組織学的所見は,肺水腫,肺胞炎,肺間質の線維化,終末細気管支の線維化による閉塞などである.臨床的には低酸素血症や胸部X線写真上のびまん性陰影を認める.この肺胞領域の病変は種々の要因が絡み合って生じるものと考えられる.すなわち,手術そのもの(開胸操作,縦隔郭清,肺切除,肺の再膨張)のみならず手術に関連したこと(人工心肺,人工呼吸,高濃度酸素吸入,麻酔,免疫抑制剤,感染など)などが要因になりうる.

 胸部手術による肺胞領域の障害として代表的なものとしては肺切除後肺水腫と再膨張性肺水腫があるが,その他のものも含めて表1に示した.なお,本稿では移植肺に認められる末梢気道障害についても触れた.

 胸部手術の術操作の中心となるのは,もちろん肺切除(腫瘍切除),縦隔郭清であるが,それにより肺水腫が生じることは古くより知られている.肺水腫は肺胞腔内,肺間質内への水分の蓄積と定義されるが,図1に示したように,この肺内水分蓄積は肺血管から肺間質への水分漏出とリンパによる排出のバランスより成り立つ.しかし,リンパ流量は正常状態の数倍まで達し得る1)ため,リンパ系が安全弁となり種々の原因で生じた過剰の水分漏出が生じても容易には肺水腫とはならない.肺毛細血管を構成する内皮の細胞間隙を通して流入する漏出水分量はスターリングの式で規定され,主に毛細血管静水圧と透過性の因子が重要である(図1).したがって,肺水腫は①内皮の透過性亢進および毛細血管静水圧の上昇による肺間質内流入水分量の異常増加と,②リンパによる水分排出機構の障害,によって生ずることになる.

 毛細血管静水圧の上昇は臨床的には過剰輸液や心不全,肺血管床の減少などによって生じる.理論的にはリンパ郭清2)はリンパ系による肺間質からの最大水分除去量を低下させ得る.しかし,図1に示したように壁側胸膜を介した水分除去機構も存在するため,リンパ系の障害をそれ自体では臨床上問題となるような肺血管外水分量の増加は生じないと考えられる.

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 呼吸筋は心臓と同様に日夜休みなく働いており,その機能障害は肺でのガス交換の障害,感染などを通して結果的に他の臓器に多大な影響をもたらす.実際,呼吸筋が呼吸器のみでなく様々の周術期合併症に大なり小なり関与しているにもかかわらず,臨床の現場ではその重要性はあまり認識されていないというよりむしろ不当に過小評価されていると言ってよい.

 本稿では,呼吸筋の正常な機能と特徴について述べ,手術という侵襲によってこれらが如何に障害されて行くかを明らかにできたらと思っている.

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 はじめに

 医学の進歩に伴い,最近の手術は従来適応とされていなかった危険度の高い症例や超高齢者にまで行われている.その結果,臥床が長引き,様々な合併症に悩まされることが多くなってきている.手術後の重篤な合併症の初発臓器は肺であることが多く,肺合併症を予防することが術後管理において重要である.したがって,医療従事者は臥床が呼吸に与える生理学的影響を十分認識しておく必要がある.

 本稿では臥床により生じる病態生理および呼吸に対する影響因子について概説する.

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 体の一部に加えられた手術侵襲は,人体のあらゆる組織・臓器,そして,それらを統合する液性・神経系のネットワークに様々な影響を及ぼす.術後の呼吸障害は,そのひとつの表現形に過ぎないが,通常この呼吸障害により招来される低酸素血症は,全身のあらゆる臓器機能を損なう可能性が高いという点から,この治療は術後の患者管理において最も優先されるべきである.もちろん,同じ手術侵襲が加えられても,すべての患者で同等の呼吸障害が起こるわけではなく,これには,患者自身の有する素因・患者を取り巻く危険因子が大きく関与する.

 従来,術後の低酸素血症は,覚醒時に行われる動脈血血液ガス分析により評価されてきた.この覚醒時の低酸素血症状態は,短時間の間に大きく変化することはなくほぼ一定で(constant hypox—emia),数時間おきの血液ガス分析でも経過観察は可能である.通常,手術直後より始まり,第2あるいは第3病日をピークとして約1週間持続する.現在では,その大きな原因は,機能的残気量(FRC)低下による酸素化能の障害であると考えられている.血液ガス分析の普及,人工呼吸管理の発達など,多くの研究がこの病態解明・治療法の確立のためなされ,術後患者管理は大きく進歩した.

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 レジオネラ肺炎は,その性質から集団発生をみることが多く,また重篤に陥りやすく,死に至る者も少なくない.温水の存在するところならばどこでもLegionella属菌繁殖の危険があり,近年特に全国の温泉の浴槽や24時間風呂からのレジオネラ属菌の高頻度の検出が報告されている.今回,1996年6月24日から7月1日にかけて岩手県の同一地区で3名のレジオネラ肺炎の集団発生をみた.最初に発見された患者は57歳の男性である.1996年6月23日頃より発熱,関節痛,頭痛を自覚し,6月26日A病院を受診したところ細菌性肺炎の診断を受け,同日入院した.セフェム系抗生物質の投与にもかかわらず悪化し重篤となり7月4日A病院より私どもの岩手医科大学附属高次救急センターに搬送された.エリスロマイシンの投与により劇的に呼吸不全は改善しLegionella pneumophila血清型1に対する抗体価がペア血清で2倍の上昇を認めたため,レジオネラ肺炎の疑診となった.夫人よりA病院に同様の肺炎患者が入院しているとの情報を得て,A病院の担当医に照会したところ,更に2名の患者が確診とされた.いずれも同町内の男性で,同町のB温泉施設を利用していた.センターの担当医から報告にもとづき,1996年9月25日所轄保健所と県衛生研究所がB温泉施設に通知した後,立ち入り調査を行った.空調施設,冷却塔,給水施設,給湯施設からはレジオネラ属菌は検出されなかったが,温泉の貯湯槽および浴槽注ぎ口よりLegionella pneumophila血清型1が検出された.モノクローナル抗体を用いた抗原因子型別により患者血清抗体の型別と一致したため,温泉水が感染源として極めて疑わしいと断定した.結局汚染源は,温泉施設に付随する上流の貯湯槽の汚染によるものと考えられた.これまで意識障害下での温泉水誤嚥によるレジオネラ肺炎発症例はあり,外国でも渦流浴槽の展示会にての集団発生が報告されているが,本症例は日本の温泉入浴により集団発生した最初の報告と考えられた、しかし,私たちの限られた力では,それ以上に患者が発生しかた否か,死者が出たか否かは結局検討できなかった.

 今回の集団発生は,地域の病院と保健所の連携によって感染源を特定し得た.また県も積極的な取り組みを行い,レジオネラ症検討会も結成し専門家も交えて結論を得るのに役割を果たした.しかしそれにもかかわらず,患者発生から集団発生確認までに50日,施設の改善を得るまでに140日,公表までに273日を要した.一方,このちょうど1年前の6月の米国豪華客船の渦流浴でのレジオネラ肺炎集団発生においては,異型肺炎発症2日後にレジオネラ肺炎確定の報告を受けた米国疾病管理センター(CDC)は,直ちにその専門集団による調査に乗り出し,発生3日目にはニューヨーク停泊中の当該船舶の施設の調査および閉鎖を行い,発生5日目には公表と極めて迅速な対応を行っている.日米の対応の差を比較すると,患者発生から確認までに25倍,施設の改善までに47倍,公表までに55倍の日数を要している.私たちの検討会のメンバーも,そのほとんどがレジオネラ症に関しては,経験も知識も深いとはいえなかったし,また強制捜査の権限も与えられたものではなかった.またさらに地域の観光や産業とも関連しているとなれば,発生源の確定・発表の時期の決定には,慎重の上にも慎重にならざるをえなかった.しかし,県民や国民の健康を守ることが政府や県や私たちの至上命令であることを考えれば,更なる患者や死者を発生させないためにも,一刻も早い対応が要請されている.米国のAtlantaにあるCDCは,公的機関としてemerg—ing infectionsへの対応が極めて迅速・着実・果敢なものであるが,日本にはそれに対応する機関が欠けていると実感した.輸血による血友病患者へのエイズ感染対策が遅れたこと,水俣病への対策が遅れたこと,近年ではO-157の発生の対応に手間取ったことを反省として,私たちは何を学んだのであろうか.

綜説

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 はじめに

 心筋の興奮収縮連関において細胞内カルシウムイオン(Ca2+)は中心的な役割を果たしている1)(図1).心筋収縮は細胞内Ca2+濃度に依存して変化し,同じ細胞内Ca2+濃度でもCa2+に対する収縮蛋白系の反応が異なるために,収縮力が変わる場合がある.このような場合,Ca2+に対する収縮蛋白系の応答性(responsiveness)が変化したと表現される2).Ca2+応答性はCa2+がCa2+受容蛋白,トロポニン(Tn)に結合する過程だけでなく,収縮発生に至るまでの他のステップに原因があっても変化する.

 Ca2+とTnが結合する過程は,Ca2+が細胞内に増加してから収縮が発生するまでの中心的なステップであり3),Ca2+に対するTnの親和性は収縮を規定する要因である.したがって,Ca2+に対するTnの親和性が厳密な意味でCa2+感受性といわれる2)

 本稿では,心筋の収縮発生におけるCa2+感受性変化の生理学的意義と,それに影響する種々の因子について考察する.

Bedside Teaching

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 はじめに

 原発性肺高血圧症(PPH)は,その発生頻度は少ないが発症すれば極めて重篤で,そのほとんどが診断の時点から5年以内に死亡する1).30歳を中心とした若年女性に好発し,原因不明の肺血管収縮を伴う肺血管抵抗の上昇が主たる病因であり,常に進行性で右室不全を併発して死亡する.突然死することもある.最近,新しい肺血管拡張薬が相次いで開発され,PPHの治療が注目を集めるようになった.これにはプロスタサイクリン(PGI2)をはじめとしたプロスタグランジン(PG)とその誘導体およびNO(内皮由来血管弛緩因子:EDRF)ガス吸入法がある2)

 本稿では,これら新しい肺血管拡張薬の作用とPPHに対する臨床応用の進歩について述べる.

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 はじめに

 急性心筋梗塞症(acute myocardial infarction,以下AMI)は,CCU体制が確立され,冠動脈形成術や血栓溶解療法などの再灌流療法が早期に施行されるようになるにつれ,死亡率の改善は著しい.最近の報告では,AMIによる死亡率は約10%程度にまで低下している1).これは,致死的不整脈による急性期の死亡が激減したためである.しかし,今なお左冠動脈主幹部(left main trunk,LMT)を責任病変とするAMIでは,多くの症例が発症直後に心原性ショックに陥り死亡している.ここでは,われわれの自験例を中心にその対応策をまとめてみた.

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 肺血栓塞栓(PTE)の一大要因である下肢静脈血栓症(DVT)10例の治療をAHA勧告と比較した.Warfarin単独使用が5例,Heparin併用は5例であったが,そのHeparin投与日数は14日,Heparin初回量は2,000単位,維持量583単位/時で,HeparinはAHA勧告に比し極めて少量でしかも投与期間が長かった.Warfarin開始も遅く,Warfarin開始日は入院後10日目で導入量はl0mgであった.DVTと診断されるまでに24日もかかり長時間たっていることが問題である.入院期間も45日と圧倒的に長かった.DVTはBMIの大なるものに多く肥満は危険因子の一つと考えられる.10人中3人が整形外科術後に発生しており,整形外科にはDVT患者が潜在している可能性がある.DVTの治療には正確で迅速な診断と十分かつ適切な治療および初期管理が必須であると考えられる.

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 パルスオキシメーター異常により発見された遺伝性メトヘモグロビン血症の症例を経験した.骨折手術のため全身麻酔が施行された.パルスオキシメーターが92%と低値で,100%酸素投与下でも酸索飽和度は上昇せず,血液ガス所見では,PaO2 536mmHg,SaO299.9%であり,パルスオキシメーターとの間に解離が認められた.メトヘモグロビン血症が疑われ,その濃度は14%と高値であり,精査の結果,NADH-diaphorase活性低下の遺伝性メトヘモグロビン血症と診断された.パルスオキシメーターは,麻酔導入前に測定することが大切であり,予期せぬ低値を認めた場合,メトヘモグロビン血症を含めた鑑別診断が必要である.

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 症例は61歳,男性で,早朝の胸部圧迫感を訴え受診した.冠動脈内のエルゴノビン負荷試験などにより多枝冠攣縮性狭心症と診断した.201T1 SPECTでは前壁と下壁で集積低下がみられたが,123I-β-methyl-iodophenylpentadecanoic acid(123I-BMIPP)の心筋集積はみられなかった.フローサイトメトリー法によるCD36はI型CD36欠損であった.

 CD36は長鎖脂肪酸の輸送蛋白として知られているので,123I-BMIPPの心筋への取り込みにCD36が重要な因子となる.CD36欠損,特にI型CD36欠損が123I-BMIPP心筋無集積の重要な一因子であるとわれわれは考えている.また,本症例は冠攣縮に遺伝的因子も関与する可能性が示唆された.

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 症例は55歳,女性.1995年4月頃より眩暈,失神が出現するようになった.同年7月当科受診し,軽度心不全,肥大型心筋症,洞不全症候群と診断された.初診時の心電図では低電位傾向肢誘導,V1〜4でr波の減高と軽度ST上昇,II,III,aVF,V4〜6にて陰性T波を認め,心エコーでは心室中隔17mm,左室後壁14mmであった.同年8月上旬DDDペースメーカが植え込まれたが,同年11月心不全症状出現し再入院した.経過中イレウス,胆?炎なども併発したが保存的治療にて軽快した.イレウスが発症した時点で臨床経過,心エコー所見などによりアミロイドーシスを疑い直腸,胃生検を行ったところ本症と診断された.その後心不全症状は軽快せず,1996年2月2日心室頻拍よりペーシング不全となり死亡した.剖検所見では心重量510gで,心筋では筋層内,血管壁へ,肺では血管壁,肺胞壁ヘのアミロイド沈着があり,特に肺で沈着が高度であった.免疫組織化学的検索にてALアミロイドが検出され,本症は原発性アミロイドーシス(Aλ型)と診断した.

Topics Respiration & Circuation

呼吸器疾患とアポトーシス 栂 博久
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 ■最近の動向 アポトーシス(apoptosis)は1971年Kerrらが発表した概念であり,ネクローシス(necrosis)とは異なり,遺伝子によって制御された能動的な細胞死である.アポトーシスは形態学的に細胞核の濃縮化,断片化が起こることにより認識される.過剰のアポトーシスにより起こる病態として,AIDS,アルツハイマー病,心筋梗塞を始めとする再灌流性組織障害,劇症肝炎などが,アポトーシスの抑制により起こる病態として,悪性腫瘍,膠原病などが知られている.呼吸器疾患では,アポトーシスの研究対象は主として肺癌であったが,最近,一般の培養肺細胞や急性呼吸窮迫症候群(ARDS)におけるアポトーシスの誘導に関する報告がみられるようになった.培養肺細胞ではマクロファージ由来細胞のアポトーシスが確認されており,誘導機構としてp53やBax遺伝子があると報告されている.また,線維芽細胞はそれ自身のアポトーシスも報告されているが,肺胞上皮のアポトーシスを誘導している可能性がある.NO—活性酸素もアポトーシスに関連することが知られているが,マクロファージ由来細胞ではp53の誘導によりアポトーシスを促進したのに対し,ヒト臍帯静脈内皮細胞ではプロテアーゼ(ICE,CPP 32)活性の阻害によりアポトーシスを抑制した.最近,ヒト急性肺傷害や急性肺傷害動物モデルにおいてもin vivoでアポトーシスの誘導が報告されてきている.アポトーシスは,ARDSなどの難治性疾患において病態の進行や組織のリモデリングに関わっている可能性が高く,現在アポトーシスの誘導機構の解析と介入研究による治療の方向性が検討されている.

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 ■最近の動向 心エコー図は形態学の診断から,心機能の診断へとその守備範囲を広げてきた.左室流入様式には,様々な因子が影響を与えているにもかかわらず,流入様式の解析により,左室の拡張機能がかなり明確に示されてきている.急速流入期の血液流入速度(E波)と心房収縮期の血液流入速度(A波)は,左房圧や左室拡張特性を反映していることが,カテーテルとの同時記録により証明されている.しかし,非侵襲的な心エコー図法により得られたこれらの指標が臨床的な意義をどの程度有しているかは未だ議論が多い.実際に臨床の現場でこの指標が幅広く用いられているとはいえない。急速流入期には,左室に血液が流入し左室は拡大するにもかかわらず,左室圧は低下する.左室の弛緩とリコイルが終了すると左室圧は血液の流入により増加しはじめる.このことが,左房左室圧較差を減少させ,急速流入期の持続時間を決定する.よってこの持続時問(減速時間)を決定している因子は,左室へ流入する血液量と左房と左室の伸展性である。減速時間が左室の固さの関数であることを実験的に実証した研究と,それらが実際に心不全患者の病態予後に密接に関連していることを示した研究を紹介する.これらの研究は,左室駆出率よりもドプラ指標が心不全の病態予後に対するより強力な予知因子であったということを示している.しかし,これらの指標は,血行動態を反映しているだけで,左室の心筋の特性を表わしてはいないのではないかという疑問は解決していない.

基本情報

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呼吸と循環
46巻3号 (1998年3月)
電子版ISSN:1882-1200 印刷版ISSN:0452-3458 医学書院

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