特集 必携!外傷と外科疾患への対応
迅速な判断を必要とする疾患 肥厚性幽門狭窄症 診断と治療のポイント 硫酸アトロピン療法と手術療法
金 聖和
1
,
臼井 規朗
1大阪府立病院機構大阪母子医療センター 小児外科
キーワード:
Atropine
,
超音波診断
,
腹部X線診断
,
幽門狭窄症-肥厚性
,
幽門筋切開術
Keyword:
Atropine
,
Ultrasonography
,
Pyloromyotomy
,
Radiography, Abdominal
,
Pyloric Stenosis, Hypertrophic
pp.225-228
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2021147506
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<Key Points>(1)生後2~3週ごろから出現する非胆汁性噴水様嘔吐を伴う症例は、本症を念頭におく。(2)超音波検査による診断が主流となっており、幽門筋の厚さが4mm以上、幽門管長15mm以上で診断基準を満たす。(3)初回超音波検査で診断基準を満たさない症例であっても、後に診断基準にいたるケースがあるため、嘔吐症状が続く場合などはとくに超音波検査をくり返し行うことが重要である。(4)脱水やアルカローシスの評価およびそれらの輸液による補正は、本症に対する初期治療で必要不可欠の手順である。(5)本症に対する治療は、幽門筋切開手術のほかに硫酸アトロピンによる内科的治療も行われており、両者の特性を理解したうえで診療にあたる。
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