病院 39巻10号 (1980年10月)

特集 救急医療その院内体制・2

救急部門独立の現状と課題 小林 国男
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 昭和40年代のモータリゼーションの普及に伴った交通外傷患者の激増が,救急医療体制の重要性を国民に強く印象づけた.昭和51年には「救急医療緊急整備3か年計画」が樹立され,翌52年度より実施に移されたが,整備3か年計画は更に2年間延長され,昭和56年度に計画を達成するべく努力しているようである.確かにこの整備計画の実施により,救急医療体制が全国的に大幅に改善されたことは事実であり,かつて毎日のように新聞をにぎわした患者のたらい回しの記事は最近ではほとんどみられなくなった.しかし,実際の現場の問題がすべて解決されているかといえば,決してそうではなく,本当に国民が安心できる救急医療体制ができるのにはほど遠い感じがある.その一つが救急患者の受け入れ側である病院の救急患者に対する対応の遅れである.ここ数年間に,全国各地の大学病院や総合病院で救急部あるいは救急センターの設置が相次ぎ,それぞれの病院に合った運営方針を取っているが,いずれの病院もその運営には苦労しているのが実状であろう.

 ここで帝京大学病院での場合を振り返り,救急部門運営の問題点についての私見を述べてみたい.

救急患者の統計の取り方 内藤 裕史
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 救急患者の正確な統計は,救急医療態勢や,医療機関整備のための具体的資料として,必要欠くべからざるものである.しかるに,救急統計もまた,福祉や医療関係の他の統計と同じく,その整備は著しく遅れている.例えば,最近は救急患者の中に占める急病患者の割合が増えている,などという報告にしても,ガス中毒,食中毒,二日酔い,日射病,乗物酔い,窒息,薬物アレルギーなどを,それぞれ急病に含めているか否かは,消防庁,警察庁,厚生省,医師会,学会を含め,報告書によって百人百様と言っても過言ではない.

 そこで,救急患者の統計の取り方について,傷病の種類,傷病の原因,重症度の三つに分けて解説する.これらについては,昭和51年以来,日本救急医学会の中の救急統計基準作成小委員会において,検討が行われてきており,傷病の種類及び傷病の原因についての統計の取り方は,既に一部発表されている1).重症度については,目下委員会において鋭意検討が行われている.いずれの場合も,その共通基準作成に当たって基本とした考え方は,①現場で,だれでもが使えるよう,簡単であること,②簡単であると同時に,詳細な分析にもたえうること,③国際疾病分類の第9回改訂に基づいて改訂され,昭和54年から発効した我が国の傷病分類にも対応し,したがって国際比較も可能なものであること,④従来,消防庁や警察庁で行ってきた救急統計とも,大きな変更なく,継続性がもてるものであること,などである.

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はじめに

 近年,救急医療に対する需要の増加が注目されているが,その中には,時間外診療施設として救急施設が利用され,現実問題として救急施設がその業務に支障を来たしている場合も少なくない.

 東京都医師会調査1)によると,救急車による救急施設への来院は全救急受診者数の22%であるが,救急車搬送による受診者の50%は軽症であり,また入院のケースは5%以下であるとのことである.更に,来院患者のなかには,時間外診療施設の受診が当然と考えられる例がかなり含まれているといわれる.

アンケート

「救命救急センター」の現状
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 厚生省は,52年度から救急医療体制の整備を計画し,第三次救急医療を担当する「救命救急センター」を54年度末までに47か所指定した(全体計画は78か所程度).本誌では47か所に別掲のアンケートを送付し回答を得た(誌面の都合でアンケート項目の中から一部割愛).回答をお寄せいただいた各施設の方々に御礼申し上げます.

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 「救急医学」があるか,ないか,ということは議論のあるところでるが,現実には,"救急"は社会的な問題となっている.川崎医科大では,「救急医学」の必要性を認識し,全国の医科大学に先がけて,医学教育の面から「救急医学」の講座を設け,附属病院でも設立当初から積極的に救急医療に取組んできた.

 川崎医科大学は「豊かな人間性を持つ医師の教育」を開設のひとつの理念にしている.患者を人間として総合的に診断・治療ができる医師づくりには,「救急医学」が最も適切であるとし,まず昭和51年6月に,附属病院に一つの独立科として救急部を設置した.ここに部長以下のスタッフを置き,各科の協力を得て,昼夜診療,年中無休を標榜して診療を開始した.この救急部では救急患者の診断・治療を行い,入院を要する患者のために,一般病棟内に救急用病室を有していた.昭和52年には「救急医学」の講座を設けたが,これに伴い,救急部は救急医学の臨床教育の場として重要な位置を占めることになった.

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 東京都下旧三多摩は,都内に近く環境に恵まれた療養地として以前から結核療養所や精神病院の多い地域だったが,一般病院は少なく,近年の通勤圏拡大による人口増に伴い,その不足は更に深刻になった.旧三多摩の中央に位置する八王子市が同様の事情に悩み,医療施設誘致を決めたのが昭和50年.この誘致に応え,51年東京医科大学が土地の提供を条件に進出を決定し,本年4月,研究・教育・診療のかたわら24時間応需の第三次救急を行う循環器専門診療施設,東医大八王子医療センターを開設した.

 当センターは,高機能施設でかつ救急医療を行うことという市民・行政側の要望と,入院診療及び紹介を原則とする外来診療を行う特殊専門病院であり,医師会員の卒後教育を実施してほしいという地元医師会の要望に応えるとともに医薬分業方式も採用しており,構内には地元薬剤師会と東京薬科大学の協力による薬剤センター薬局が設けられている.このように大学が,自治体・市民・医師会・薬剤師会と広く協力関係をもつ例は珍しく,大学が地域医療に参加するモデルケースと言えるだろう.

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 医療社会事業家(MSW)という言葉は医療に従事する者には耳慣れた言葉になっているはずだが,案外,この職種の病院への根づきは良くないようだ.米国マサチューセッツ総合病院という民間病院から起こり,15年近くの産みの悩みを経て出来上がり,世界中に広がっていった国柄と,官から民へと広げられていった日本の国柄との違いのためなのであろうか.

 中島さつき先生は数少ない我が国MSWの草分けの一人である.日本女子大学を卒業して,聖路加国際病院で米人シップス,浅賀ふさのご二人の指導を受け,社会事業といえば危険視された時代にこの分野に踏み込まれた.事情があって,その後家庭の人として15年を過ごされた.昭和26年東京都衛生局にMSWの制度が出来て,再びこの道に入られ,医療社会事業協会の設立(昭和28年)に尽力され,全国のMSWの育成指導に努められた.

焦点 対談

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 20世紀初頭に始まった医療への工学技術の応用は多くの患者に恩恵をもたらした.特にここ30年間の工学技術による医療技術の革新は驚異的であり,この技術の普及は病院医療を大きく変貌させてきた.他方,様々な危険もはらんでいる.この対談では,ここ4,5年の「明日」の技術の発展を念頭に,正しい技術の導入と有効的利用について語っていただく.

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 「精神医療夏季大学・駒ケ根'80—これからの精神医療を求めて」が,去る7月25〜26日の三日間,駒ケ根高原で開催された.この夏季大学は,長野県立4病院の精神科医師が実行委員となって,毎年同じ時期に開かれるが,今年はその建学の年であった.北は青森から南は熊本と全国から,医師・看護婦を中心に,保健婦,ケースワーカー,臨床心理士,作業療法士などの各職種おりまぜて約200名が参加した.

特別企画 慢性疾患の増加と病院

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 我が国の病院数は昭和53年度医療施設調査によれば,8,580施設,前年度の8,470施設に比べ110施設1.3%増で,年々増加の傾向を示している.人口10万対の病院数は7.4施設,1病院当たりの人口は約13,400人であると報告されている(厚生の指標第27巻第9号昭和55年特集号).

 また病院の種類別では,昭和53年末の全病院中の87.7%(7,524施設)が一般病院で,次いで精神病院11.2%(960施設),結核療養所,伝染病院,その他の順となり,開設者別では,一般病院をみると個人38.8%,医療法人27.8%,病床規模別では50〜99床2,025施設,20〜29床939施設であり,1病院の平均病床数は144床,学校法人が500床で最も多く,文部省490床,厚生省447床,個人は66床の規模をもっている.また,全国の病床数は1,232,779床で,そのうち一般病床は805,663床,平均病床利用率は総数で82%,一般病床79.9%,平均在院日数は総数で56日,一般病床では37日となっている.そのような現況の中で,現在大きな社会的問題として医療問題が論じられているが,確かに国民が病気になった時,いつでも,どこでも,だれもが適正な施設に入院し,適正な医療,看護を受けることができるのかどうかについて,だれもが不安をもっていると言わざるを得ない.

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リハビリテーションでのチームワーク

 三好先生の病院では,カンファレンスを開かなくてもチームワークが非常によく,うらやましく思います.チームワークの重要なことには異論ないのですが,カンファレンスは目的と効果を考えて行われなければならないと思います.ニューヨーク大学のカンファレンスも儀式化していて非能率だと感じました.1人の患者が入院してくると,5〜6種の職種の職員がそれぞれ評価し,数日後に初期カンファレンスを開いてプログラムを組んでいました.複雑な患者も簡単なのもそうです.

 経験を積んだ医師なら,カンファレンスの前から結論は分かっていると思いますね.例えばMOSKOWITZ教授は非常に優れた臨床家でしたが,患者が入院してきたら,その日にプログラムを立てて,その日に治療を始めるべきだと言っていました.

設備機器総点検

グローブフィッシャー 南 郁子
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 当院では昭和47年,この器械を購入し,現在1日平均180〜200枚のゴム手袋の乾燥・散粉に利用している.このゴム手袋は,手術用を初め,病棟,外来での小切開,感染症患者の処置時に使用されている.

 その取り扱いは,毎日規則的に出てくる業務だけに中材,手術部混合とする.多忙な中では,器械がしてくれることは,器械に行わせることで大いに助かっている.また操作法も極めて簡単でだれでも動かせる.ここでは,14人の看護婦と2人の看護助手が交代で操作している.8年余使用した現在,大きな故障はないが当院での問題は置き場所である.今,中材の一角に置いてあるが,中材業務が年々拡大するのに対してスペースが極めて狭く,粉が飛び散ることで,どこにでも置くわけにはいかないことである.最近では,外部に粉が舞い出るのを防ぐような器械が考案されたと聞く.

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民間病院勤務の医療従事者の所得(承前)

1)人事院「民間給与の実態」(承前)③規模別・職種別平均給与月額の比較(表3)

 54年の規模別,職種別平均給与月額の比較を表3に示す.

 一般の企業(事業所)の場合は,大企業ほど給与水準が高いことはよく知られている.例えば,支店長を例にとると,企業規模500人以上の455,124円に対して,企業規模500人未満では339,976円と74.7%の水準にとどまっている.事務課長も同様で,500人以上の351,537円に対し,500人未満では277,619円とやはり79.0%の水準にとどまっている.

医療の周辺 人間工学—病院建築への提言・6(最終回)

物の流れと搬送系 古川 俊之
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 病院では診療機能を遂行するために,人だけでなく多くの物品を移動する必要がある.このことは病院が3食ルームサービスと医療行為のついたホテル業務であることから,むしろ当然と考えられる.病院内で搬送される対象には,物品の他に情報の媒体があり,更に移動に他人の介助を要する患者があることに留意しなければならない.のみならず健康人,なかでも医療スタッフの移動にも,医療器材同様なんらかの便宜を工夫しておくことが望ましい(表1).

 搬送を円滑化するにはなんらかの機械システムを導入する必要がある.もっとも原始的であるが有効かつ確実なのは運搬車で,車いすやストレッチャーもこれに含まれるが,いずれも人力による移動を容易ならしめる工夫である.これと対極に位置するのは,交換機能をもった搬送系で,指定した場所に自動的に配送される(表2).そこで病院の機能遂行上,どのような搬送システムが望ましいかを人間工学的立場で考えてみよう.

講座 解説・新しい医療機器・4

最近の循環器X線検査システム 鈴木 純
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 我が国における最近の死因統計をみると,脳卒中,がん,心臓病の合計が全死亡の60%を占めている.そのうち,脳卒中および心臓病を合わせた循環器疾患は全体の40%に達しており,がんによる死亡の2倍近くになっている.このことが循環器系の診療の重要度を端的に物語っていると言えよう.

 このように,近年,循環器X線検査の重要度が増加するにつれて多くの病院で同システムを導入しているが,諸般の事情から我が国においてはすべての対象部位の検査ができる万能システムに対する要求度が高く,必要度に応じて冠状動脈専用あるいは脳血管専用といった専用システムが増設される場合が多いようである.

実務のポイント 医事

医事の待ち時間短縮と改善 赤畠 健
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 病院人としての事務的錬磨を究めた医事課職員は,患者に対する誠意ある応対はもちろん,患者の立場にたって,診療に関わる諸問題を的確に処理することが大切である.なかでも,待ち時間の解消のための"検討と改善"は医事課職員のみならず,患者のためにある病院として全員が十分認識しなければならないことである.ちなみに,病院として可能な範囲で改善を行ってきた事柄を当院の診療関係の中にみれば,診療開始時間の統一・内科専門外来分野での総合外来(振り分け外来)の開設・医師階級別診療時間表の実現等がある.今日までに改善を行った待ち時間短縮の基準とするためのデータを参考に記す.

 ここに示す円グラフは,改善の試みを始あて4年目の昭和54年4月から5か月間で,無差別に新来患者330人を対象に患者1人ずつエスコートして診療にかかる待ち時間を調査したものである.

実務のポイント 検査

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 戦後,我が国における医療は,近代医療と病院管理の合理化を促進するため副医療部門の分業化が急速に行われた.中でも最も顕著なものが,臨床検査の中央化システムの確立であった.したがって検査部の著しい中央化に伴い技術員の不足から,新しく技師法が誕生し,その教育内容の中での病院実習の指導法などが問題となり専門家によって何回も討議されてきた1〜2).したがって臨床検査技師教育は,曲りなりにも一応目的を果たすことができたと言えよう.ところが,臨床検査技師の卒後教育については,大学を初め各医療機関の管理者が,その指導方法などを模索しながら実施しているのが現状であると言える.

 今回筆者が,経験した新人教育と中堅技師及び職場リーダーの再教育の方法とそのポイントについて簡単に述べる.

実務のポイント 購買・倉庫

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 従来より倉庫は,物品の入出をする場所程皮の認識しかなく,経済的に重要な機能をもつ倉庫に高齢者層や,他部門の枠から外れた者等が配置され,そういう人たちの救済部門として考えられて来た観が強く残っている.一般企業においては,在庫管理が経営状態を大きく左右するものと早くより考えられ,生産部門と独立した資材部,物流部等の確立がみられている.しかし病院における在庫管理の重要性については,理解は少なく,未だ用度部門において,購買担当者等の兼任の形が多く,少数の人員でしか構成されていない.

 このような現状から,今回当院における在庫管理を「在庫ゼロ実践の工夫と留意点」というテーマに沿って紹介したい.

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 ライフ・プランニング・センター(理事長:日野原重明氏)は,①病気の予防と早期発見,②生活指導と自主管理の教育,③医療従事者の新しい役割設定とそのための教育,④医療を支える医療システムの研究,を目指して,1973年に発足し,毎年内外の学者を集めて,「医学と医療に関する国際セミナー」を催すなど,時代を先取りする活動を行っているが,今回はここで働く医師の荒井園枝さんを訪ねてみた.

新病院建築・34

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 燕市は,新潟県のほぼ中央にある商工業都市で,日本の洋食器製造地として,全国的に有名である.燕市の人口は約45,000人で,そのうち金属関係にたずさわる人が大半を占めている.そういう職業がらプレスなどによる切断事故,有機溶剤,粉塵等による職業病が多い.しかし,この町は全国有数の医療過疎地帯でもある.

 そこに労災病院の計画が行われた.それは,地域住民の強い要求によるものであった.そのため「燕労災病院」の設計は,労災病院の本来の性格のほかに,地域住民と密着した病院となる計画が要求された.すなわち,労災病院でありながら,燕市におけるコミュニティ・ホスピタルの役割をも果たす計画が進められた.

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 名古屋市の中心部よりやや東,近くに繁華街の今池を控える当院は,昭和27年11床の外科診療所として出発以来,「今池の原外科」として市民に親しまれてきた.現在許可病床数83,診療科は外科,内科,小児科,整形外科,形成外科等.当院は最新医学情報の消化・実行と各職種の教育を熱心に行っているが,川原院長(写真)は以前ある文章の中で「看護婦の教育を一所懸命にしても,何年かで辞めていくことが多い.一病院として考えれば,それはとても残念なことだが,日本の看護・医療という視野でみると,彼女らがいつか医療人として働いてくれれば,それで私どもの責は果たせたのだ」と述べていた.このような考えは更に発展し,日本の医療にとどまらず,世界の医療の向上に尽力されようとしている川原院長に,病院運営の実際とともに,来年竣工予定の愛知国際病院についてお話し願った.

読者の声

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 医療危機が言われ,検査公害がマスコミをにぎわしている.80年代の臨床検査は,どうなるであろうか.

 大学病院に入って驚くことは,検査件数の多さである.特に臨床化学部門がはなはだびっくりするぐらい多い.MEの発達によって多項目自動分析装置が導入され,山のような検体検査をさばいていく.しかし,年々増加する臨床側からの依頼検体を処理するのが精一杯である.

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UCLA見学

格差きわだつ給食サービス

 適温給食,セレクトメニュー,いずれも欧米の病院ではそれがごく当たり前のように実施されているに反して,我が国の病院では最も実施が困難な問題点となっている.また欧米のダイエティッシャンの知識の高さはよく知られていることであるが,積極的な医療への関わりあい等,今回のUCLA大学病院の見学でも,私ども病院栄養士として指針とすべきものが多々あり,どの一つを取り上げてみても反省させられる事柄ばかりで,フードサービスについては今更ながらアメリカとの格差を痛感せざるを得なかった.

研究と報告【投稿】

癌研病院の麻酔マンパワー 浅山 健
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 一般に麻酔の需要は2,3次医療に関与し,特に大都市で高度に専門分化した病院医療では欠かし得ない専門科目のひとつである.

 ここで筆者の東京・癌研病院を例にとると,患者は広く北海道から沖縄方面に至る広い範囲より集まる上,血縁者の住いの関係で東南アジアなどの海外駐在員もここに集まる.したがって3次医療機関の中でも,更に特殊な医療需要が生まれ,これに対応する麻酔の供給には特殊な状況が生じている.1977年7月に増床工事が完成して1年半経ち,麻酔の需要増に一応対応できる目途がついたのを機会に,過去の実績を反省し,外国の麻酔マンパワーと比べた上で将来の展望を記してみる.

ほんねたてまえ

夜勤専門ナースの有効性と現状
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 夜勤専門ナースが病院に導入されるようになって10数年経った.看護婦不足と勤務条件の改善による夜勤回数の増加を軽減するのが目的であったこの制度が現状で定着しているのかどうかを考えるとき,最大の欠陥が夜勤という,生活サイクルに馴染めない勤務に専念するためか永続性が保たれないところにあるようである.

 昭和36年にニッパチ体制が人権問題として取り上げられるようになってから,夜勤回数の多いことが問題視され,労使間の最大の争点になったことは周知のとおりである.それまでも看護婦の絶対数が不足であるのに加え,勤務要員の増加を招くこの制度の普及は,看護婦不足に拍車をかけた感を持ったのは筆者だけではないだろう.

基本情報

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病院
39巻10号 (1980年10月)
電子版ISSN:1882-1383 印刷版ISSN:0385-2377 医学書院

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