特別企画 慢性疾患の増加と病院
入院患者の実態から見たこれからの病院—厚生科学研究一次〜四次調査より
松澤 孝子
1
1神奈川県看護専門学校付属病院看護部
pp.865-870
発行日 1980年10月1日
Published Date 1980/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207268
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我が国の病院数は昭和53年度医療施設調査によれば,8,580施設,前年度の8,470施設に比べ110施設1.3%増で,年々増加の傾向を示している.人口10万対の病院数は7.4施設,1病院当たりの人口は約13,400人であると報告されている(厚生の指標第27巻第9号昭和55年特集号).
また病院の種類別では,昭和53年末の全病院中の87.7%(7,524施設)が一般病院で,次いで精神病院11.2%(960施設),結核療養所,伝染病院,その他の順となり,開設者別では,一般病院をみると個人38.8%,医療法人27.8%,病床規模別では50〜99床2,025施設,20〜29床939施設であり,1病院の平均病床数は144床,学校法人が500床で最も多く,文部省490床,厚生省447床,個人は66床の規模をもっている.また,全国の病床数は1,232,779床で,そのうち一般病床は805,663床,平均病床利用率は総数で82%,一般病床79.9%,平均在院日数は総数で56日,一般病床では37日となっている.そのような現況の中で,現在大きな社会的問題として医療問題が論じられているが,確かに国民が病気になった時,いつでも,どこでも,だれもが適正な施設に入院し,適正な医療,看護を受けることができるのかどうかについて,だれもが不安をもっていると言わざるを得ない.
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