病院 35巻10号 (1976年10月)

特集 事務の精度管理

保険請求事務の精度管理 安藤 秀雄
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 診療報酬の請求は,病院全職員の働きの成果の集約であり,あすのより良い医療を確保するための大切な財政基盤となるものである.日常行われる診療行為のすべてを適正に料金化(保険者への請求を含めて)する仕事は,医事部門だけではなかなか難しく,診療の中心になる医師をはじめ,看護,薬剤,検査,レントゲンなどのパラメディカル部門の職員がそれぞれの立場で適切な事務的処理を行い,集約の作業に協力することによってはじめて請求事務の精度確保が可能となる.

 医事部門としては,診療行為に関するすべての情報の正確な伝達を受け,これを適正に算定し,誤りなくまた漏らすことなく保険者への請求をすることによって,院内各人の働きが経済的に正当に評価されることになる.医事部門における適正な精度の高い事務処理は,経済的に影響が大きいだけに,各病院ともその精度を高めることを目標としている.しかし実際的には,実医療行為を目の前にしての算定,評価でない上に,日に日に複雑高度化する医療行為のすべてを,完壁に表現することは至難といわざるをえない。このような立場において,少しでも高い精度の医療事務を目指しかつ確保するには,どのような点にポイントをおいたら良いのかについていくつか述べてみたい.

会計経理事務の精度管理 針谷 達志
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 現代の企業会計では「財務諸表によって,利害関係者に対し必要な事実を明瞭に表示し,企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない」とされている.いわゆる明瞭性の原則である.すなわち,財務会計は経営体の資本主その他の利害関係者に対しどのような質と量の財務情報を公開するかを問題としているわけで,戦後の会計学の歴史は,この意味ではディスクロージュアの歴史とさえいわれる.会計原則は,このために必要な会計事実もしくは必要十分な会計事実の範囲と限界を定めるための基準を示しているわけである.

 そこで,これら財務諸表とその作成過程での会計数値や,かかる会計数値を生み出す会計行為の精度とは何かが問題となる.まず,テーマの精度ということばを,現在の企業会計上の会計数値の適否または正否といいかえて考えてみたい.

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 「入るを計って出つるを制す」ということは,経営の通念的基本原則であって,病院経営においても金科玉条であることは当然である.ただ収入源である医療費が公定価格であるため,積極的に「入るを計る」にはおのずと限界があり,結局「出つるを制す」の面に関する管理の適否が,病院経営に重大な影響を与えることになる.

 購買面での技術的な手法の研究,物品(薬品を含めた)の在庫適量管理などに鋭意努力することは当然であるが,最も重要なことは購入されたものがルールに従って使用され,料金化されるべきものが,確実に料金化されいてるかどうかをチェックできる精度上の管理方式が基本的に確立されていることである.すなわち購入—入庫—出庫—使用(使用チェック,料金化チェック,供給)のリンクシステムの確立があって,はじめて購買,倉庫の管理事務の精度が生きてくることを理解した上で,購買と倉庫の精度管理について述べてみたい.

人事事務の精度管理 内藤 均
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 人事事務の精度化を考察する前に,事務全般に関する精度管理を観察してみたい.なぜならば,それらの技法は,人事事務の精度管理に活用することができるからである.

 一般事務の中で,精度管理が進んでいるものは経理・会計事務や物品管理事務である.それは古くから,「帳尻を合わせる」ということで,現金と帳簿,現物と帳簿とが常に同じでなければならないからである.もうひとつの側面としては,不正を防ぐ,あるいは誤りを早く発見し,早く是正するという機能を,仕事の流れの中でごく自然に行われるような制度を採り入れている.その方法として,現金と帳簿は別々に,また発注と受入れ,支払はそれぞれ別々に行われるという方法である.これはひとつの事務に対して複数の人間が関与することにより,複数照合(ダブルチェック)が自然に行われるような制度である.

事例 精度管理をこう進めている—医事事務

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 病院の事務管理は,ここ数年の間に急速に変りつつある.電算化(コンピュータ)ばやりの現在,病院の事務管理においても例外ではない.今回は当病院における健保請求について考えてみたいと思う.

その1として—伝票のみの処理でよいかその2として—医事課の学習についてその3として—特定治療材について

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 医事業務は病院特有な業務で,フロント業務,点数算定およびレセプト作成業務など,いずれも迅速で正確であることを要求されている.

 最近の医学の著しい進歩と社会保障制度(保険関係)の繁雑,複雑化が一層深まっているなかで,病院における医事業務の役割は,病院経営の上で重要な専門職として,認められる方向にある.

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 保険請求事務の精度評価というものは意外に難しいようである.

 一体,この仕事の遂行には現行社会保険診療報酬制度というものを,度外視してはならないことになっているが,全病院的にこの制度の内容が浸透しておらず,特に医療担当部門におけるこの面の知識の欠如は,私ども医事担当者にとってまさに決定的な打撃である.

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 無床診療所として出発した井手医院は,着実な積み重ねで前進し,昭和42年には総合病院として大きく発展した.この過程については,すでに「地域に密着した病院活動」と題して紹介した(弊誌29巻11号,1970年11月)が,今回はその後の活動を紹介したい.

 聖マリア病院は,現在,内科,小児科など17科を有する総合病院で,特に救急医療センター,新生児センター,人工腎臓センターなどの活動がその重要な位置を占めている.また,救急医療センターなどの活動を通して看護婦不足の問題が生じ,他の看護学校に依存できない現状を考慮し,昭和48年に高等看護学院を,さらに今春から3年課程の看護学院を設置した.しかしこの発展の裏には,治療成績の向上と患者の生命に関係のない部分では,できる限り「無駄をはぶこう」という院長自身の信念があり,それに協力する職員全体の多くの犠牲とが払われている.こうした協力体制によって,母子救急医療を中心とした專門病院への第一歩を踏み出したのである.

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 こんな美青年軍医がいるだろうか!これが当時海軍々医大尉の軍服を着た土屋呂武院長と私との出会いの初印象であった.一風変った"呂武"なる名前も一度で脳裏にこびりついて離れぬものとなった.それから20年,その呂武さんが済生会福岡総合病院長として颯爽と登場したのが昭和39年.私は内心大抜擢ではあるが,あんな難しい病院を引き受けなくても,と思っていた.当時,組合運動が激しく,田代英太郎院長が退陣されたあとだからである.ところが後に,あるインタビューに答えて,「私は就職したあとで気がついで愕然としています.済生会というものの持つ宿命的目標と私の先天的性格の志向とが余りに一致しているので.どうも天は私を済生会に差し向けたようです云々」と.この使命感に燃える情熱と若さとで見事難局を打開した.また救急医療を済生会のあるべき方向の一つとして捕え,数年来市における年末年始急病対策に卒先して取り組む.「医療のデマンドを住民サイドで考えてみると当然そうなるのではないでしょうか,救急医療を避けて通ろうとする医療人の存在が不思議でなりません」と.これが彼の医の哲学であろう.

 県と市の医師会理事は久しく,今年から県病協の専務理事となり互いのパイプ役として一段と活躍.昨年第28回済生会学会長.現在済生会全国病院長会副会長.他公職多数.大正6年中州生れの生粋の博多男.九大卒後第二外科講師,九州中央病院外科部長を経て現職に至る.

ホスピタル・トピックス 地域保健

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 このセンターは,厚生省の「健康増進センター」構想に基づいて,国からの助成を得て長野県が設立した施設であり,昨年7月開所された.現在全国各地に,県レベルのもの4,市レベルのもの3施設ができている.

 定員は医師2,臨床検査技師その他の技術者等23人だが,地元の医師会からの強力な支持を得ている.

ホスピタル・トピックス 自治体病院

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 全国自治体病院協議会では,昭和51年4月15日現在で全病院を対象に休日・夜間における診療の実態について調査を行った.その結果によると,救急指定病院(一般病院)は全病院の58.0%となっている.これを病床規模別にみると,99床以下は31.6%と少ないが病床規模が大きくなるほどその割合は増加し,400床以上の病院では84.3%となっている.

 救急指定病院の1日平均の時間外患者数は,一般病院では7.4人となっており,これを科別にみると,内科2.6人,小児科1.6人と内科系の患者が4.2人に対し,外科系は外科1.5人,整形外科0.5人,脳外科0.2人で合計2.2人と内科系の約半数となっている.

ケース・レポート 看護教育

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 現代社会のめまぐるしい変化と,科学の進歩,医療の発展に伴って,看護業務も複雑高度の知識が要求されるようになった.この時代に対処してゆくためには,たえず勉強をし改善してゆく必要に迫られている.このための現任教育の必要性は今さらいうまでもないが,これを実際に計画し,リードしてゆく看護部の責任者として,総婦長は重要な課題を担っている.現任教育の目指すところはこの進歩に遅れない看護婦を育てると共に,看護婦自身の能力を伸ばし,自己啓発を促すように計画されなければならない.現在,学校における基礎教育だけでは,実務をする上で不十分であり,また最近の教育の多様化により,種々の教育背景を持った者が採用される.学院卒業後,当分は学校での知識技術をどのように職場に適応させたらよいのか,またチーム活動に慣れないせいもあり,看護チームの中での活動にとまどいがみられる.新カリキュラムでの学校教育では,将来のびる看護婦を育てることが一つの目標であるが,卒業後もこの芽を伸ばすような現任教育と相まって,本人自身の努力のいかんが大きく影響することは当然である.学校側の要求と職場での要求との多少の差はあるにしても,よい看護婦を育て,よい看護をしてゆくための努力は,基礎教育,現任教育双方が協力してゆかねばならない.このたび現任教育をどうすすめているか,とのテーマをいただいた.

一頁評論

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 これからの薬剤師の新しい活動フィールドとして,薬剤師が調剤室のみにとじこもらず,病棟にも進出し,医師の欠くべからざるパートナーとして患者のベッドサイドで医療活動に積極的に参加し,真の薬の専門家としての任務を果たすべきであるという考えから,clinical pharmacistについての問題はアメリカを中心に10数年前から真剣に取り組まれてきた.患者の治療というゴールを目指してゆくうえで,医師が患者を診断し,薬物療法に必要な処方を出し,その処方に従って薬剤師が薬を調剤し,その調剤薬を患者に渡すといった,これまで薬剤師が果たしてきた調剤業務中心の,いわば消極的な医療活動への関与の仕方が反省され,医薬品について高度の専門知識をもった薬の専門家,また医療チームの一員としての薬剤師のあるべき姿に目が向けられてきたわけである.

 日本でもここ数年来,特に薬学教育関係者や病院薬剤師の間でclinical pharmacyへの関心が高まってきており,従来の患者不在の薬学教育の改善,チーム医療の中での薬剤師の寄与などが要請されるに到ってきた,この背景には,薬剤師という職能がこれまでは薬とのつながりという面だけに特に重点がおかれて捉えられてきたが,患者と薬とのつながりをまず考え,その上で薬と薬剤師とのつながりを考えるという,医薬品に関する諸情報の専門家として従来よりも一層医療に貢献できる薬剤師のあり方が問題とされるようになってきたという事実がある.

院内管理のレベル・アップ 労務

労務担当15年の歩みから・16

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 筆者の労務担当在任期間中に,3件の不当労働行為救済中立てがあった.

 その1つは「看護婦集団脱退強制容疑ならびに第2組合結成幇助容疑」で,今1つは「赤ちゃん争議処分事件」,さらにもう1つは「副部長組合加入に対する支配介入容疑事件」であった.

院内管理のレベル・アップ 給食

病院給食をおいしくするポイント・4

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 病人がどんな時に,どんな物を,どんな状態で,おいしいと断を下すかは,個人のその時によって十人十色である.病人食は,多種少量品目のフードサービスとはいえ,全体評価は常に厳しい.おいしさが食欲を満足させるだけでなく,栄養との関係で対比されるとき,どちらを優先するか,させるかによって大きなひらきが出てくるだろう.病院の責任者にとって,病人食をどのように扱うかの姿勢の違いは,この辺がはっきりしているものである.

 今日の病院給食が抱えている諸問題の中で,結局は「おいしくなければ駄目」という一語で片付けるとすれば,おいしさの焦点の一つとして,食事回数,食事時刻,つまり配膳時刻の改善(?)とその周辺にまつわりついている垢を落とすことを今回は提案し参考に供したい.

院内管理のレベル・アップ 精神病院

精神病院管理の諸問題・3

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組合設立の目的

 われわれの協同組合は,県下精神病院の経済的地位の向上,特に組合病院における基準寝具の早期実施を目的として設立したものである.

 昭和35年頃は,持込寝具は普通のこととして考えられていたが,整理に手数もかかり,かつ患者の貧富の差も現われ病棟管理上からも面白くないので,その解消と,実施する以上は病院側にもある程度のメリットのある方法と考えて企画したものである.たしか28年頃の療養担当規則の一部改正で完全看護,給食寝貝設備ができたと思うが,当時,寝具については健保患者のみが対象とされ,生保患者は非適用であった.

院内管理のレベル・アップ 看護

病棟日誌・2

老人病棟 城 恵美子
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老人病棟の様子

 ○月○日

 昭和44年に成人病棟として4階建のこじんまりとした建物が増設され,当病棟はその4階に48床の病床が設けられた.明るくて,冷暖房設備の整った病室と,ナースステーション,倉庫,トイレ,洗面所等の付属設備を中央に置き,それをはさんで両側に病室を設置したのは非常に便利だし,機能的である.正面ホールにはいつもきれいな花を欠かさないようにして心の慰めとし,また病棟を明るくしている.

 患者数は48名で当院では少ない病棟だ.ほとんどが大単位で70床から88床を有しているが,当病棟はちょうど管理しやすい単位の病棟である.

院内管理のレベル・アツプ 購買・倉庫

購買・倉庫管理のポイント・3

倉庫管理(2) 竹原 秀三
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当院用度課倉庫配給係の業務(つづき)

 物品要求書などを受理した際のチェックリスト:正規の手続を経ているか(たとえば要求部室責任者の印もれなど)を点検し,規格,数量,銘柄など不審な点があれば,問い合わせ,発注,補給時に支障のないようにする.

 正規の各種上記要求書(9号,p.52参照)を受けてから行動を開始する.

イギリス精神医療の旅・10

イギリスの新聞論調から 金子 嗣郎
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 今月は,私の滞英中の新聞記事から精神医療関係の記事を主として書き出してみようと思う.新聞は主としてThe Times, The Guardianその他,夕刊誌のThe Evening Standard,その他日曜新聞数紙である.

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脳生理学の立場から生命の意義を解く

 著者は本書で,脳生理学を繰り返し解説され,生命の機構を明らかにし,物質としての生命の木質にふれ,さらに人間の精神と身体の接点にまで論議を進めている.また実証面からは人間性を探求し,生命の尊厳性に迫っている.私はこれらの点につき感銘を受けると共に深甚の敬意を表したい.卒直にいって,さらに分子生物学,ホルモンならびに酵素化学を克明に導入したならば,脳,神経系の木質的機構ならびに驚嘆すべき生命のしくみが一層明確に把握され,生命の尊厳性がさらに理解されるであろう.しかし,これらのことによって生命の仕組みがすべて解明されるものではなく,人間学研究のようやく原点に立つことができたということではなかろうか.

病院建築・88

浴風会病院の設計 陳 慧玉
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病院の概要

 浴風会は,軽費老人ホーム(100名),有料老人ホーム(400名),特別養護老人ホーム(100名)の各種福祉施設と300床の病院を合わせ持つ,民間でも最も大きい総合老人福祉施設である.この浴風会病院は典型的な施設内に付属している老人病院であるばかりでなく,わが国の老人医療の先駆者でもある故尼子富士郎博士の偉業を継いだ伝統のある老人専門病院でもある.

 建築前には建築界の大先輩でもある内田祥三先生が大正14年に設計された建物を病棟として使用しており,離れた所に木造の診療部門と医局があったが,建物が老朽化し,狭隘化を来たしたため,建替えをすべく努力を重ねてきた結果,昭和49年に東京都の補助を受けられることになり,老人専門病院の新築が実現した(建築概要参照).

医療への提言・4

老人問題をどうとらえるか 水野 肇
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寿命は伸びたか

 これから21世紀にかけて,日本にとって最大の課題は「老人問題」である.日本のように急激に"老人大国"に突入する国は世界でも初めてのことである.しかし,老人問題の認識は,国はもちろん,医療関係者の間でも必ずしも十分ではない.主として経済の角度からのみとらえられているが,もっと広く,深く考え,ユニークな施策を展開しないと,日本全体が老人の重みで圧迫されるようなことになりかねない.これをうまい形で処理し,前向きの老人大国にするためには,老人医療について正しい認識をもたねばならない.そのためには「老化」という現象をはっきりと見つめる必要がある.

 寿命が伸びたというのは確かに間違いのないことである.そして人々は,だれもが昔の人に比べてはるかに長寿になったと考えている.ところが実際にはそうではないのである.一定の年齢(70-75歳)まで生きる人の数は増えたが,1人の人間が長生きするということではないのである.ここには2つの問題があって,ひとつは国全体が老人国になりはじめたということ,もうひとつは人間の寿命はさして変らないということなのである.

私的病院運営のポイント

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 看護婦不足も3,4年前に比べて最近ではかなり解消されてきたという.ことに大学病院,公立病院では看護婦売手市場の時代は去ったとも聞くが,私的中小病院ではまだまだ深刻な問題である.優秀な看護婦にどうしたら定着して働いてもらえるか,そのコツを実際に沿って紹介していただいた.

レセプトを読む・10

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 カルテが医療情報の宝庫というならば,レセプトは病院の経営管理の情報の宝庫といえよう.したがって,このレセプトに多角的な分析を加え,頭脳的な諸作表を作成し,関係者に提供すると同時に,これを活用し評価することは筆者自身の責務であるが,医事課というところは,日頃,慢性的な多忙に追われ,ついこれらのことが疎かになりがちなことは否めない.今回,「レセプトを読む」の稿をまとめつつ,このことを痛切に感じ,同時に勉強になったことは事実であった.

 まず,最初におことわりしておきたいことは,病院の医療構造,疾病構造などによって紹介する各表の数値にいくらかの差異を生じることは当然であるが,基本的には,厚生省の「社会医療調査報告」および全国公私病院連盟の「病院経営分析調査報告」の中で同一規模の病院集団の平均的諸資料と比較することが望ましいと考え,また尾口,黒田両氏の稿の中で,これらを活用されていたので,筆者もこの一部資料と比較報告をすることとした.

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救急医療懇談会の提言

 近年,人口の老齢化に伴う循環器疾患の増加や,都市への人口集中化,核家族化の進行等救急医療をとりまく条件は大きく変化しつつあり,このような実態の変貌に対応した救急医療対策のあり方について早急な検討が迫られていた.

 本年4月,厚生大臣は冲中重雄氏を座長とする「救急医療懇談会」を設け,今後の救急医療対策の基本的方向について検討を依頼した.同懇談会は,去る7月13日中間報告として,救急医療施設等の体系的整備,救急医学教育の充実,国民の理解と協力等を柱とする「当面とるべき救急医療対策について」の提言を行った,厚生省においては,この提言に基づいて総合的な救急医療対策を樹立し,今後3年間を目途に整備を促進するため,昭和52年度に総額124億円の予算要求を行っている.

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はじめに

 外科治療における成績,予後に重大な影響をもたらす感染の予防において,無菌消毒法は化学療法とともに重要な支柱をなしている.

 外科的無菌の達成には,①手術環境の無菌化,②器材の滅菌消毒法,③手術従事者の手指消毒法,④手術野・皮膚・粘膜消毒法,および⑤創消毒が重要である.

基本情報

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病院
35巻10号 (1976年10月)
電子版ISSN:1882-1383 印刷版ISSN:0385-2377 医学書院

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