ケース・レポート 看護教育
九州厚生年金病院の看護婦現任教育
桜木 カツ子
1
1九州厚生年金病院
pp.43-47
発行日 1976年10月1日
Published Date 1976/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206036
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現代社会のめまぐるしい変化と,科学の進歩,医療の発展に伴って,看護業務も複雑高度の知識が要求されるようになった.この時代に対処してゆくためには,たえず勉強をし改善してゆく必要に迫られている.このための現任教育の必要性は今さらいうまでもないが,これを実際に計画し,リードしてゆく看護部の責任者として,総婦長は重要な課題を担っている.現任教育の目指すところはこの進歩に遅れない看護婦を育てると共に,看護婦自身の能力を伸ばし,自己啓発を促すように計画されなければならない.現在,学校における基礎教育だけでは,実務をする上で不十分であり,また最近の教育の多様化により,種々の教育背景を持った者が採用される.学院卒業後,当分は学校での知識技術をどのように職場に適応させたらよいのか,またチーム活動に慣れないせいもあり,看護チームの中での活動にとまどいがみられる.新カリキュラムでの学校教育では,将来のびる看護婦を育てることが一つの目標であるが,卒業後もこの芽を伸ばすような現任教育と相まって,本人自身の努力のいかんが大きく影響することは当然である.学校側の要求と職場での要求との多少の差はあるにしても,よい看護婦を育て,よい看護をしてゆくための努力は,基礎教育,現任教育双方が協力してゆかねばならない.このたび現任教育をどうすすめているか,とのテーマをいただいた.
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