助産婦雑誌 47巻2号 (1993年2月)

  • 文献概要を表示

順調なり,わが助産婦外来

はじめに

 昭和30年代まで,助産婦は助産婦独自の活動を実践してきた。しかし今,あたりまえの助産婦活動がどうしたら行なえるか,悩む時代になってしまった。

 分娩が医療のなかに組み込まれ,施設分娩が増加するとともに,多くの開業助産婦が施設へ就職せざるをえなくなった。

  • 文献概要を表示

当院における「助産婦外来」の実践活動について

はじめに

 私たちは,当藤沢市民病院(以下,当院)助産婦としての専門性をいかし,妊娠・分娩・育児までの一連の経過を専門職として援助していかれるよう,日常業務の改善やテーマ別の研究への取り組みなどを通して,少しずつ努力してきました。

 そして,これらの努力を,さらに実りあるものにしていきたいと考えていた時,病院が増改築されることになりました。そこでこの機会をとらえ,専門職である助産婦の本来の役割を発揮できる場所,妊産婦にとっては,親しみやすく安心して相談ができる場を設けたいと,1989(平成元)年4月に「助産婦外来」を開設いたしました。

  • 文献概要を表示

はじめに

 半月ほど前,外来に「助産婦さんいますか」という電話が入った。助産婦の私が電話に出ると,「そちらではラマーズ法はやっていますか,会陰切開を行ないますか,立ち合い分娩はできますか」と質問してきた。応答をしながら,この人は助産婦の独自性と主体性を認識してくれているのだ,病院に求められているのは医師だけではない,我々助産婦も共に求められているのだと実感でき,うれしくなった。

 施設内の助産婦外来が徐々に紹介されるようになって10年余が経った1,2)。助産婦外来は,古典的な助産技術と医師の介助に甘んじてしまっていた施設内助産婦を覚醒させ,助産婦業務の確立のための大きな足がかりとなっている。こうした努力が,一般にも少しずつ認められてきたのではなかろうか。

  • 文献概要を表示

名実ともに充実した助産婦外来

はじめに

 すてきな生命の誕生と,その健全な育成の援助は,周産期看護を原点とする私たち助産婦の役割であり,妊産婦の心身の健康は私たちの手中にあるといっても過言ではない。

 総合保原中央病院は,1985年10月より助産婦外来を開設し,その詳細は本誌44巻10号で報告させていただいた。1991年12月からは産科部門が「セイントクリニック」として病院から独立し,現在に至っている。

  • 文献概要を表示

はじめに

 岩手県立中央病院の助産婦外来は,1970(昭和45)年岩手県立衛生学院助産婦養成課程が開設されるに当たり,主たる臨床実習施設となるのを契機に始められた。以来,正常妊産褥婦,ローリスク妊婦に対しては,すべて助産婦が主体となって今日まで検診,保健指導を行なっている。

 医師は,妊娠期の各ターニングポイント,ハイリスク妊産褥婦,異常発生時の診療を行なうというシステムである。すなわち,正常経過をとる妊婦には助産婦が主体となって管理をし,もし異常が発生した場合は産科医師と相談の上,きめの細かい周産期管理を行なうことを目標としてきた。

  • 文献概要を表示

はじめに

 「おはようございます,よろしくお願いします。今日はおばあちゃんも一緒なんですけど,よろしいですかね」と声をかけながら妊婦さんが入ってくる。

 私は,「はいはいどうぞ。じゃあ,こちらの椅子におかけくださいね」と答える。

  • 文献概要を表示

はじめに

 出生前診断(prenatal diagnosis)の知識の普及に伴い,検査を希望する妊婦は増加の一途をたどっている。出生前診断の方法としては,羊水穿刺(amniocentesis)や臍帯穿刺(cordcentesis),絨毛採取(chorionic villus sampling,CVS)等があり1),筆者も長期にわたり遺伝相談(genetic counseling)の一環としてこれらに携わってきた。出生前診断の方法では,安全性と診断技術の向上から羊水穿刺が一般的であり,1991年の全国統計をみても,約90%(3834例中3328例)は羊水検査で診断が行なわれている2)

 ところが近年,高齢出産の妊婦や,前回染色体異常児出産を経験した妊婦であっても,出生前診断(羊水検査)をせずに出産に臨みたいという妊婦もしだいに増えつつある。

  • 文献概要を表示

 昨年11月,東京で開かれた「全日本高校英語スピーチコンテスト」(朝日新聞社他主催)では,時代を反映して,性教育,エイズなどをテーマにしたスピーチが多かった。

 優勝した大越寛子さん(フェリス女学院高校・横浜)のスピーチは「いつか親になるために」と題するもので,性教育では家族の愛情についても教育なされるべきと主張した。

連載 おニューな地球人・11

  • 文献概要を表示

 タイの首都バンコクから,車で東へ5時間半。カンボジア国境のほど近くにカオイダン難民キャンプがある。

 難民たちが祖国カンボジアを追われて13年。それ以降に生まれた子供たちは,祖国はもちろん,キャンプの外の世界をまだ見たことがない。

連載 とらうべ

  • 文献概要を表示

 分娩なしでは人類は存在しえない。しかし,分娩への医学的干渉は人類の歴史からみるとごく最近のことである。医学的干渉は主として難産への対応であり,難産に対していかに対処し,予防するか,そのためには正常の分娩がどのような経過をたどるか,を知る必要があった。古典産科学において正常分娩の分析によって到達したのが分娩の三要素(産道,児頭,娩出力)である。われわれ産科医は,三要素が正常であり,均衡がとれていれば,分娩は正常に円滑に進行するものであるとして,異常が認められない限り,自然の経過に任せて“待つ”ことが,分娩取り扱いの極意と教えられてきた。

 三要素の評価は分娩経過の予測上きわめて重要な位置を占め,分娩前も分娩中もこの三要素を注意怠りなく監視するように教育され,分娩に臨んだものである。

連載 産科免疫学十二話・10

  • 文献概要を表示

 あなたのまわりにこんな人はいませんか。目が大きくて潤いがあり,チャーミングで皮膚がしっとりとしなやかで,スタイルもよい。さらに,がんばりやで頭もよく,天が二物を与えたと評判の美人……。このような人はバセドウ病の可能性があります。なぜかというと,バセドウ病では眼球突出,発汗,体重減少が起こり,また精神的不安感のため,絶えずがんばる性格が形成されるからです。

 このバセドウ病も自己免疫疾患の1つですが,つい最近までは夢にも自己免疫性の病気とは孝えられていませんでした。それは,他の多くの自己免疫疾患のように,病変のまわりにリンパ球をはじめ免疫担当細胞が集まり,いかにもそれらが組織を壊しているような像が見られなかったからです。

連載 りれー随筆・103

われ助産道を行く 賀久 はつ
  • 文献概要を表示

オランウータンのようなピーナツ

 九州の宗像市に住むようになって30年,故郷の千葉で暮らした年月を5年も越えました。私の性格はオランウータンそっくりですからなじんだ所への愛着が強く,九州行きの結婚にもなかなかふり向けずにおりましたのに,何か,天命めいたものを感じてそれに従い,九州にきました。

 オランウータンはいったん仲間と手を結んだら自ら離れることはありません。相手が勝手に離れると長期にわたって号泣するといわれますが,私もいっしょに仕事をした仲間が去った時は,髪の毛が細くなる程胸を痛めたものです。

ニュース・プラス・ワン

  • 文献概要を表示

エイズ検査を強制できるのか

 全国の病院の約25%に当たる約2500病院で組織している日本病院会が,昨年厚生省に要望書を提出している(12/2朝日)。

 その内容は,手術の際に病院側が患者のエイズ検査をできるように求めたものであった。

私の提言

  • 文献概要を表示

中高生の性教育

 性教育という言葉から何を思い浮かべますか。また,なぜ性教育が学校の授業の一環として行なわれているのでしょうか。

 この質問への答えは,きかれた人の年齢に応じて異なるかもしれません。ある年齢以上の方の中には「中高生がそんな話をするなんて……」と眉をひそめる方もいらっしゃるでしょう。

  • 文献概要を表示

はじめに

 今回,切迫早産で長期入院をしている若年初産婦に出会った。

 Mさんは未婚であり,19歳という年齢で望まない妊娠をしてしまった。妊娠についての知識もなく,疾患に対する病識不足,母親としての自覚も持っていなかった。また,Mさんは,相手の男性が協力的でなく,週に1度だけの面会であること,親に依存していることなどの不満があった。そして,Mさんの母親は,相手の男性を嫌っており,妊娠,入籍について反対していた。このような状況下でのMさんの心の葛藤は大変なものであったろうと推測された。

ちょっとサイエンス

  • 文献概要を表示

◎エイズより怖いインフルエンザ

 毎年,寒さが厳しくなると流行するインフルエンザ。くしゃみや咳などによる飛沫感染によって簡単に拡がり,毎年冬になると何十万という患者が発生します。エイズが特定の接触によってしか感染しないのとは対照的です。健康な人なら1週間か10日ほどで回復し,一生涯を通して何度もかかるため,命に別状のない軽い病気と見られがちです。しかし,老人や慢性の疾患をもつ入の場合,風邪が命取りになることも少なくありません。

 人ごみでくしゃみや咳をしている場面に遭遇しただけで感染する可能性があるほど,強い感染力をもつインフルエンザ・ウイルス。感染力の弱いエイズとはちがう怖さがあります。この冬も100万人近い大規模流行が予想されています。

MEDICAL SCOPE

  • 文献概要を表示

 先月は,分娩時の臍帯血ガス分析がどうして必要なのかという点についてお話ししました。今月はその実際について解説します。

 血液ガス分析というのは,血液中の酸素分圧PO2,炭酸ガス分圧PCO2とpH(酸性かアルカリ性か)の3つを測定することをいいます。したがって,分娩直後の臍帯血では胎児のからだから出てきたばかりの血液が検査に適しているので,臍帯動脈中の血液(臍帯動脈血)を検査することになるのです。Rh式の血液型不適合妊娠などの場合を含めて,一般に出生時における新生児の臍帯血検査では臍帯静脈血を用いますが,このガス分析では臍帯動脈血が必要です。この点をよく理解して下さい。

基本情報

00471836.47.2.jpg
助産婦雑誌
47巻2号 (1993年2月)
電子版ISSN:2188-6180 印刷版ISSN:0047-1836 医学書院

継続誌

文献閲覧数ランキング(
10月11日~10月17日
)