Medical Scope
オキシトシン・チャレンジ・テスト
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.374
発行日 1976年6月25日
Published Date 1976/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205057
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前回にIUGRのことを述べましたが,子宮内での胎児の発育が悪い場合に,いつ分娩にもっていこうかということを決定するのに,尿中のエストリオールをはじめとする多くの胎児胎盤機能検査成績が非常に役に立つことはすでに理解されたことでしょう。最近では,もうひとつ新しい検査法ができて脚光をあびています。それがこの「オキシトシン・チャレンジ・テスト」です。
実際にはどんなことをするのかというと,まず,妊婦を仰臥位に寝かせて分娩監視装置(外測法)をつけて,10分間にわたり子宮収縮と胎児心拍数の記録をとります。ただ監視装置をつけるだけではなく,記録をとらなくてはいけません。この10分間の記録がその妊婦のコントロール・データーとなるのです。この時,すでに分娩監視装置に記録されるような子宮収縮がきているなら,そのまま様子をみてオキシトシンを用いることはないのですが,多くはまだ陣痛がきていないので子宮収縮はおこっていませんから,5%ブドウ糖50mlにオキシトシン1単位を混合して,1分間5滴のスピードで15分から20分間点滴静注します。このようにして,子宮にわずかに収縮をおこさせるようにします。10分間に3回の軽い子宮収縮が分娩監視装置でチェックされる時までこのオキシトシン投与をつづけるのですが,多くは15分から20分の間に子宮収縮がみられてきます。
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