連載 とらうべ
自然分娩と管理分娩の調和
森川 信博
1
1森川病院
pp.91
発行日 1993年2月25日
Published Date 1993/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900738
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分娩なしでは人類は存在しえない。しかし,分娩への医学的干渉は人類の歴史からみるとごく最近のことである。医学的干渉は主として難産への対応であり,難産に対していかに対処し,予防するか,そのためには正常の分娩がどのような経過をたどるか,を知る必要があった。古典産科学において正常分娩の分析によって到達したのが分娩の三要素(産道,児頭,娩出力)である。われわれ産科医は,三要素が正常であり,均衡がとれていれば,分娩は正常に円滑に進行するものであるとして,異常が認められない限り,自然の経過に任せて“待つ”ことが,分娩取り扱いの極意と教えられてきた。
三要素の評価は分娩経過の予測上きわめて重要な位置を占め,分娩前も分娩中もこの三要素を注意怠りなく監視するように教育され,分娩に臨んだものである。
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