連載 産科免疫学十二話・10
妊婦と自己免疫疾患(2)—甲状腺疾患とITP
梅咲 直彦
1
1大阪市立大学医学部産婦人科
pp.162-169
発行日 1993年2月25日
Published Date 1993/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900749
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あなたのまわりにこんな人はいませんか。目が大きくて潤いがあり,チャーミングで皮膚がしっとりとしなやかで,スタイルもよい。さらに,がんばりやで頭もよく,天が二物を与えたと評判の美人……。このような人はバセドウ病の可能性があります。なぜかというと,バセドウ病では眼球突出,発汗,体重減少が起こり,また精神的不安感のため,絶えずがんばる性格が形成されるからです。
このバセドウ病も自己免疫疾患の1つですが,つい最近までは夢にも自己免疫性の病気とは孝えられていませんでした。それは,他の多くの自己免疫疾患のように,病変のまわりにリンパ球をはじめ免疫担当細胞が集まり,いかにもそれらが組織を壊しているような像が見られなかったからです。
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