助産婦雑誌 27巻6号 (1973年6月)

特集 沐浴を再点検する

対談

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■愛育病院での実施例

 山内 それでは,はじめに愛育病院でやっている沐浴の方法について,お話ししたいと思います。

 当院は,赤ちゃんが生まれますと,すぐに沐浴をさせないで,汚れたところをきれいにふきとり計測だけすませ,あとは安静にして休養にはいります。1日ぐらいは吐き気がとれない赤ちゃんもいますので,ゆっくり休ませます。2日目ぐらいから,1日おきにおふろに入れるようにいたします。毎日入れる病院もありますし,隔日の病院もあります。あるいは1週間入れない病院もあると思いますけれども,愛育病院では1日おきに入れる方法をとっています。

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1.はじめに

 当院未熟児室のスキンケアーは,従来通り,オイルバスにひき続き沐浴を行なう方法がとられている。オイルバスは未熟児の皮膚養護に,必要欠くことのできない手技の1つであることは,いうまでもないが,一方近年,オイルバスは往々にして皮膚を刺激し,皮膚炎を生じ,感染をきたしやすいため,必ずしもオイルバスは必要ではなく,乾燥療法からひき続き,沐浴でも良いという意見がひろがりつつある。

 当院未熟児室では,従来のスキンケアーに疑問をもち,オイルバス児と,オイルバスしない児について,皮膚異常の調査をし,その結果,肉眼的にも感染とおもわれる,膿疱疹を主体とし,調査,検討したので,その結果について報告する。

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1.はじめに

 当院産科病棟においては,昭和42年より沐浴法を清拭法にきりかえて3年目になる。その動機は新生児の体力が消耗の点で沐浴より清拭による方法が,より児の哺育条件に適しているのではないかという諸文献を得て施行されたのである。また沐浴には,相当の看護力が費やされているのが現状であり,この発表を機会に調査した。

 体力消耗が少ないといっても,ものいわぬ新生児の看護にあたってはデータとしてまとめることは容易ではなかったが,カルテ4年間分のチェック・アップをもとに諸結果を得たので報告する。

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1.はじめに

 看護業務の中には単に長年の経験や習慣のみに基づいてなされているものが意外に多く,その1つに沐浴法がある。沐浴法は"うぶ湯"としてわが国では古くから行なわれてきているものであるが,沐浴法の新生児におよぼす影響についての論文はあまり多くない。沐浴は新生児の安静を妨げ,代謝を亢進させ,エネルギーの不要の消耗をもたらすのではないかという懸念があり,事実,未熟児や病児では沐浴をさけて乾燥法や清拭法が行なわれている。

 私たちは,沐浴法が新生児におよぼす影響について知るために,主として新生児の体重減少の程度と,生下時体重への復帰との2点を,沐浴法と清拭法とについて比較検討を試みたので,その成績を報告する。

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1.はじめに

 褥婦に対して入院中に行なわれる沐浴指導は,首のすわるまでの3か月間はベビーバスを使用することがのぞましいとして指導されることが多い。しかし,最近は生活様式の合理化が著しいことや,家庭風呂の普及率が高まりつつあることなどから,ベビーバスを使用する期間は短縮される傾向にあるように思われる。

 そこで,生後1か月以後における乳児の沐浴の実態を知り,乳児の清潔法に関する指導内容の検討をするために調査したので,ここに報告する。

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1.はじめに

 近時,看護サービスの向上と看護業務の合理化を目ざし,いろいろの工夫改善がなされ,機会あるごとにその成果が発表されてきた。

 私たちが日常使用する看護用具についても,使用者の意見を加味したさまざまの新製品がメーカーから販売されているが,脚光をあびていない分野がまだ多く残されている。私たちはこの分野に目を向け,机上でなく直接看護にたずさわる者として,3種の看護用具を試作してみた。

今月のトピック

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新生児にチアノーゼが多発

 北九州市のある産婦人科医院で,今年7月2日から3目にかけて,新生児11人のうち10人にチアノーゼが発生したが,別にひどい呼吸困難も,発熱もなかった。4日には赤ちゃんの一部の者は色も元に戻りはじめた。同日,九州厚生年金病院石井敏武小児科部長によりメトヘモグロビン血症と診断された。6日,筆者らも同様症状で,同じ貸しオムツ使用後発症の田川地区の3か月の乳児を診察し,血中2.5g/dl(正常0〜0.89/dl)のメトヘモグロビン血症であることを確認,同日国立小倉病院小児科神田享医長,翌日飯塚病院の同一症状乳児でも証明された。

 これまでにおむつ使用の39名屯25名の発症児があるが,①いずれも一業者が台湾から仕入れた貸しオムツを使いはじめてから発症しており,②同じ新生児室でもそれをしていなかった乳児では起こっていない,③使用後1〜2日後に起こっている,ようである。

グラフ

小鹿田の里 川上 重治
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 コットン,しばらく間隔をおいてコットンと陶土をくだく水車の音が響いてくる小鹿田の里は,素朴な山村である。

 百姓が農閑期に,土をひねり,窯をたく。この民窯から出る焼きものは,芸術家が創り出す作品と違い,遠いふるさとの香りがある。

連載 合併症と妊・産・褥婦

腎・泌尿器疾患 山口 龍二
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1.はじめに

 女性においては解剖学的に性器,泌尿器,肛門がきわめて近接した位置にあり,相互間の汚染・感染の機会が男性よりはるかに大きい。尿道の短いこと,前立腺の存在しないことは細菌の膀胱内上昇を容易ならしめるし,また不随意尿失禁の原因ともなる。そして妊娠・分娩・産褥時においては上記の条件が悪化して諸種の泌尿器合併症を更に増すことになる。

連載 新生児の異常

体温 武田 佳彦 , 長野 護
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1.はじめに

 新生児の体温は成人にくらべ体表面積比が大きく,表皮がうすく,また体温調節機構は未発達であるために,熱の発生と喪失のバランスを保つ機能は不安定であり,その結果として容易に環境に影響され体温の変動が生じやすい。また比較的軽度の脱水により発熱を来たしたり,それとは反対に乳幼児では高熱を発すると思われる重症の感染症でも発熱を認めないことがしばしば経験される。そこで本稿では,1.新生児の正常な体温,2.新生児の体温異常,1)適応不全による体温異常,2)感染による発熱およびその治療,について概略を述べてみる。

ケース・レポート

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1.はじめに

 年々医療は進歩し,異常の早期発見や鑑別診断なども容易になってきた現在,Blumbergらにより,オーストラリア抗原がウイルス肝炎と関連が深いこと,肝炎患者の血清中に特異的に出現することが報告され,明らかになってきた。そのオーストラリア抗原出現頻度も,北米や欧州人の健康者では稀で0.1%以下なのに対し,大河内や村上らによれば,目本人の健康成人の1%前後といわれている。また,全妊婦の1〜2%がオーストラリア抗原陽性であるという。しかしその本態および治療法などにはまだまだ不明の点が多く,管理不十分のままである。

 たまたま分娩実習で,肝炎は治癒しているにもかかわらず,オーストラリア抗原陽性産婦のばあいを経験したのでここに報告する(以下,Au抗原と略す)。

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 Au抗原の問題は,いま世界の話題をよんでいる。ウイルスの一種であることはわかったが,まだ解明されない部分が多い。しかし,今後その患者はどんどんふえていくことが予想されるという。このケーススタディは,その意味で,さまざまな問題を提起している貴重な資料である。

基本情報

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助産婦雑誌
27巻6号 (1973年6月)
電子版ISSN:2188-6180 印刷版ISSN:0047-1836 医学書院

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