連載 新生児の異常
体温
武田 佳彦
1
,
長野 護
1
1岡山大学医学部産婦人科
pp.44-48
発行日 1973年6月1日
Published Date 1973/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204540
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1.はじめに
新生児の体温は成人にくらべ体表面積比が大きく,表皮がうすく,また体温調節機構は未発達であるために,熱の発生と喪失のバランスを保つ機能は不安定であり,その結果として容易に環境に影響され体温の変動が生じやすい。また比較的軽度の脱水により発熱を来たしたり,それとは反対に乳幼児では高熱を発すると思われる重症の感染症でも発熱を認めないことがしばしば経験される。そこで本稿では,1.新生児の正常な体温,2.新生児の体温異常,1)適応不全による体温異常,2)感染による発熱およびその治療,について概略を述べてみる。
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