特集 沐浴を再点検する
今月のトピック
貸しオムツとメトヘモグロビン血症
山下 文雄
1
1久留米大学医学部小児科
pp.20-21
発行日 1973年6月1日
Published Date 1973/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204533
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新生児にチアノーゼが多発
北九州市のある産婦人科医院で,今年7月2日から3目にかけて,新生児11人のうち10人にチアノーゼが発生したが,別にひどい呼吸困難も,発熱もなかった。4日には赤ちゃんの一部の者は色も元に戻りはじめた。同日,九州厚生年金病院石井敏武小児科部長によりメトヘモグロビン血症と診断された。6日,筆者らも同様症状で,同じ貸しオムツ使用後発症の田川地区の3か月の乳児を診察し,血中2.5g/dl(正常0〜0.89/dl)のメトヘモグロビン血症であることを確認,同日国立小倉病院小児科神田享医長,翌日飯塚病院の同一症状乳児でも証明された。
これまでにおむつ使用の39名屯25名の発症児があるが,①いずれも一業者が台湾から仕入れた貸しオムツを使いはじめてから発症しており,②同じ新生児室でもそれをしていなかった乳児では起こっていない,③使用後1〜2日後に起こっている,ようである。
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