ケース・レポート
オーストラリア抗原陽性産婦の分娩介助にあたって
曽我 悦子
1
1新潟大学医学部付属助産婦学校
pp.50-53
発行日 1973年6月1日
Published Date 1973/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204541
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1.はじめに
年々医療は進歩し,異常の早期発見や鑑別診断なども容易になってきた現在,Blumbergらにより,オーストラリア抗原がウイルス肝炎と関連が深いこと,肝炎患者の血清中に特異的に出現することが報告され,明らかになってきた。そのオーストラリア抗原出現頻度も,北米や欧州人の健康者では稀で0.1%以下なのに対し,大河内や村上らによれば,目本人の健康成人の1%前後といわれている。また,全妊婦の1〜2%がオーストラリア抗原陽性であるという。しかしその本態および治療法などにはまだまだ不明の点が多く,管理不十分のままである。
たまたま分娩実習で,肝炎は治癒しているにもかかわらず,オーストラリア抗原陽性産婦のばあいを経験したのでここに報告する(以下,Au抗原と略す)。
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