薬局 74巻3号 (2023年3月発行)

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特集　ここが変わった！関節リウマチの治療

特集にあたって田中　良哉 74巻3号 , 2023年3月 , pp.346-347

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情報のアップデートできてる？あらためて関節リウマチ治療を学び直す①　関節リウマチ治療，いまむかし竹内　勤 74巻3号 , 2023年3月 , pp.350-356

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Key Points

薬物治療の中心は抗リウマチ薬へ．

メトトレキサートは，アンカードラッグ．

生物学的製剤，ヤヌスキナーゼ（JAK）阻害薬は多数の選択肢あり．

情報のアップデートできてる？あらためて関節リウマチ治療を学び直す②　端的に理解する！最新の薬物治療アルゴリズムと薬剤が変更されるとき川人　豊 74巻3号 , 2023年3月 , pp.357-361

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Key Points

『関節リウマチ診療ガイドライン2020』は，薬物治療アルゴリズムと非薬物治療・外科的治療アルゴリズムの双方を併せもつ包括的な診療ガイドラインである．

薬物治療アルゴリズムでは，段階的で理想的な薬物治療の戦略が示されている．

患者と情報を共有して協働的意思決定に基づき，ガイドラインのアルゴリズムに沿って，リスクとベネフィットを考慮した治療を行うことが推奨される．

抗リウマチ薬の使いかた，リウマチ処方箋の目のつけどころ①　もう一度整理する！従来型合成抗リウマチ薬の作用と薬学管理宮崎　徹 74巻3号 , 2023年3月 , pp.363-368

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Key Points

従来型合成抗リウマチ薬（csDMARDs）の禁忌の確認と患者教育は，毎回行いたい．

メトトレキサートの特徴と葉酸の役割を整理して理解する．

治療の経過を見守り，症状増悪や副作用には迅速に対応する．

抗リウマチ薬の使いかた，リウマチ処方箋の目のつけどころ②　もう一度整理する！生物学的治療薬，分子標的治療薬の作用と薬学管理小林　俊介 , 北岡　晃 74巻3号 , 2023年3月 , pp.369-374

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Key Points

生物学的製剤（bDMARDs）は，投与間隔，メトトレキサート併用の有無，自己注射用デバイスの選択，効果判定のタイミング，生殖年齢期における投与，また有害事象として感染症などに注意する．

分子標的型合成抗リウマチ薬（tsDMARDs）であるヤヌスキナーゼ（JAK）阻害薬は，各種ワクチンの接種歴，悪性腫瘍の既往，長期投与，また有害事象として感染症，悪性腫瘍などに注意する．

抗リウマチ薬の使いかた，リウマチ処方箋の目のつけどころ③　もう一度整理する！補助的治療の目的と薬学管理小林　俊介 , 北岡　晃 74巻3号 , 2023年3月 , pp.375-378

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Key Points

補助的治療薬は疾患の原因そのものを治療するものではなく，抗炎症・解熱・鎮痛・骨びらんの進行抑制作用などにより関節リウマチ（RA）を補助的に管理する薬剤である．

副腎皮質ステロイドの投与は，『関節リウマチ診療ガイドライン2020』薬物治療アルゴリズムのフェーズⅠのRAに対して，必要最小量を短期間（数ヵ月以内）で漸減・中止することが推奨されている．

非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）は，疼痛緩和目的に必要最小量の短期間の投与が望ましい．主にフェーズⅠ～Ⅱでの使用が推奨されている．

抗RANKL抗体は，フェーズⅠの中程からの使用が推奨されている．

抗リウマチ薬の使いかた，リウマチ処方箋の目のつけどころ④　副作用・合併症対策！薬剤師のための検査値の読みかた・活かしかた田村　直人 74巻3号 , 2023年3月 , pp.380-384

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Key Points

抗リウマチ薬投与前に患者の副作用リスク（血球数，腎・肝機能，肝炎ウイルスや結核など感染症）などの検査が行われる．

メトトレキサート投与中は，血球数，肝機能のモニタリングが重要である．

ブシラミン投与中は尿タンパクの有無についても定期的にチェックする．

抗リウマチ薬の使いかた，リウマチ処方箋の目のつけどころ⑤　リフィル処方箋の対象になるリウマチ処方，ならないリウマチ処方平林　泰彦 74巻3号 , 2023年3月 , pp.385-389

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Key Points

リフィル処方にした方が診療報酬上のメリットになるかどうかは，医療機関の区分による．

関節リウマチで症状が安定している状態とは，腫脹関節がないことである．

抗リウマチ薬のなかで実際にリフィル処方が可能な薬剤はサラゾスルファピリジンのみであり，29日処方でリフィルは2回までとなる．

抗リウマチ薬の使いかた，リウマチ処方箋の目のつけどころ⑥　コラムジョイクル^®関節注に安全性速報発出小嶋　俊久 74巻3号 , 2023年3月 , pp.390-391

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関節軟骨は，関節に平滑な運動をもたらす重要な機能をもつ．主な成分はⅡ型コラーゲン，アグリカン，ヒアルロン酸である．ヒアルロン酸は，軟骨基質における水分保持に重要な役割を果たすアグリカンと結合し，アグリカンを軟骨基質内に保持する役割を果たしている．そして，軟骨基質代謝へも影響を与え，抗炎症作用など生理活性をもつとされている．

抗リウマチ薬の使いかた，リウマチ処方箋の目のつけどころ⑦　コラム日本で初めてのMTX注射製剤であるメトジェクト^®皮下注シリンジが承認亀田　秀人 74巻3号 , 2023年3月 , pp.392-393

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2022年9月26日にメトトレキサート（MTX）注射製剤であるメトジェクト^®皮下注7.5mgシリンジ0.15mL，同10mgシリンジ0.20mL，同12.5mgシリンジ0.25mL，同15mgシリンジ0.30mLが，関節リウマチへの効能・効果で厚生労働省から製造販売承認を取得し，11月16日に薬価収載および発売開始となった．

製造販売元は日本メダック株式会社，販売元はエーザイ株式会社である^1）．本剤は国内初の自己投与可能なMTX皮下注射製剤であり，通常，成人にはMTXとして7.5mgを週に1回皮下注射する．患者の状態，忍容性などに応じて4週を目安に増量の可否を判断し，2.5mgずつ最大で週15mgまで増量できる．

リウマチ患者さんの「困った！」「大丈夫？」に対処する①　「関節が痛い」はすべてリウマチ？岸本　暢将 74巻3号 , 2023年3月 , pp.395-401

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関節痛などの筋骨格系の症状では，以下に示す症状の詳細や随伴症状を問診で明らかにすることで，診断に必要な情報のほとんどが得られるといわれている．

問診の最大の目標は，患者が訴える症状を正確に理解することである．例えば，「指が痛い，手がこわばる」という主訴の患者が来院したとする．評価の第一段階は，その患者が本当に関節痛をもつかどうかを見きわめることである．初診時，患者は場合によっては症状をうまく表現できず，よく聞けば「手が腫れぼったい」「握りにくい」「しびれる」など，その訴えは一様ではない．もちろん関節リウマチ（RA）の場合もあるが，冷感刺激で起こるレイノー現象によるものであったり，頸椎の疾患による神経根症状や，手根管症候群に伴うしびれ，糖尿病に伴う手掌屈筋腱炎，あるいは変形性関節症であったりもする．「あちこちが痛い」という主訴でいくつもの病院を転々としたが診断がつかず，最終的に甲状腺機能低下症や線維筋痛症であった，という症例もときどき経験する．

真に「疼痛」であった場合は，それが①関節痛（関節型）なのか，②関節周囲の問題（腱・靭帯・滑液包・筋肉・骨などの非関節型）なのか，③神経痛や放散痛なのかが次に問題となる．必ず患者に疼痛部位を指差してもらい，その部位を詳細に診察する．このとき，解剖学的知識が必要になってくる．

関節型と非関節型の疼痛を見分けるポイントとして，関節型の疼痛をもつ患者では，疼痛は関節に限局し，自動ないし他動運動により痛みが増強される．一方，非関節型の疼痛，例えば腱鞘炎や滑液包炎であれば，圧痛などの他覚所見が関節周囲の傷害部位で認められ，痛みは自動（能動）運動で増強するが他動運動では増強しないことが多い．次に，診断において重要な問診のポイントを紹介する．

リウマチ患者さんの「困った！」「大丈夫？」に対処する②　治療はいつまで続くの？患者さんに治療目標と治療原則を伝える平田　信太郎 74巻3号 , 2023年3月 , pp.403-407

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関節リウマチ（RA）は全身の諸関節に炎症を来す自己免疫疾患である．炎症病態の主座は関節内および腱鞘に分布する滑膜組織にあり，朝のこわばりおよび多発性かつ対称性の関節痛・関節腫脹を来す．発症早期より骨および軟骨に対する破壊が始まり，炎症が制御されずに遷延すると関節破壊，関節変形を呈し，機能障害が進行する．

RAは関節機能の廃絶と慢性炎症の遷延による二次的臓器合併症により，高頻度に寝たきりに陥り，生命予後不良となる難治性疾患の代表であった．しかし，今世紀に入り薬物治療の劇的な進歩を迎え，多くの症例で長期にわたり良好な日常生活動作（ADL）を保つことが可能となった．現在の薬物療法の中心はメトトレキサート（MTX）と分子標的薬〔生物学的製剤（bDMARDs）および分子標的型合成抗リウマチ薬（tsDMARDs）〕であり，これらを用いた積極的治療によって，臨床的寛解への導入と関節破壊の阻止が現実的な治療目標となっている．しかし，現在に至ってもなお原因不明であり，治癒困難で継続的な治療が必要なことに変わりはない．

本稿では，RAの治療目標と治療原則について概説し，継続的な治療の重要性に関するエビデンスとRA患者に対する説明のヒントについて述べる．

リウマチ患者さんの「困った！」「大丈夫？」に対処する③　薬は減らせないの？疾患活動性と希望に応じて減薬を処方医に相談する久保　智史 , 田中　良哉 74巻3号 , 2023年3月 , pp.408-410

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関節リウマチの治療目標は持続的な臨床的寛解あるいは低疾患活動性の到達であり，抗リウマチ薬（disease-modifying antirheumatic drugs：DMARDs）以外では到達不可能である．そのため，関節リウマチと診断したらすぐに抗リウマチ薬によって加療を行うことが原則であり，これらは欧州リウマチ学会（EULAR）が発表している関節リウマチの治療推奨に明記されている^1）．

臨床的寛解あるいは低疾患活動性へ到達するための治療戦略については非常に多くのエビデンスがあり，分子標的薬ごとに複数の臨床試験が組まれ，実臨床での効果も確認されている^2,3）．ところが，すべての抗リウマチ薬は寛解を治療のゴールとして設定されており，その先の休薬についてはエビデンスが少ないのが現状である．そこで本稿では，寛解到達後の休薬について概説する．

リウマチ患者さんの「困った！」「大丈夫？」に対処する④　薬は減らせないの？患者さんの経済負担を考慮して処方変更を処方医に相談する越智　小枝 74巻3号 , 2023年3月 , pp.411-413

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免疫抑制薬や分子標的薬の開発により，関節リウマチ（RA）患者の生命・機能予後は劇的に改善した．生活活動度が高く長期に治療を受けるRA患者が増加した結果，RA診療は単に疾患を治療するものでなく，さまざまな身体的，精神的，経済的，社会的側面に配慮したケアを要するものへと変化している．特に高額な分子標的薬の開発により治療コストが急騰した現在，女性や退職後年齢の多いRA患者にとって経済負担の軽減は無視できない課題となっている．

もちろんRAの治療中断は，生産性の低下や機能予後の悪化，手術や入院回数の増加により治療コストを上回る間接的な経済損失を生みうる^1）．また，有効な治療は患者の満足度を上げ^2），かつ間接的コストも減らすため^3），一見して高額な薬であっても高い経済性が得られる場合が多く，疾患活動性と有効性に応じた適切な減薬を行う必要がある^4）．これについては他稿（p.67，p.72）を参照いただきたい．

本稿ではこれに加え，RA患者の経済負担を考慮したその他の処方の工夫について述べる．

リウマチ患者さんの「困った！」「大丈夫？」に対処する⑤　手術はみんな受けるの？小嶋　俊久 74巻3号 , 2023年3月 , pp.415-417

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現在の関節リウマチ（RA）治療における手術治療の状況，治療成績，位置づけについて，考えてみたい．

リウマチ患者さんの「困った！」「大丈夫？」に対処する⑥　挙児希望をもつ男性・女性でもリウマチ治療はできる？岡本　奈美 74巻3号 , 2023年3月 , pp.418-421

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生殖に影響の少ない治療薬の登場により，関節リウマチ（RA）の治療中でも，妊娠・出産は可能である．ただし，疾患活動性を十分コントロールすることが重要である．

以前は，RA患者（特に女性）に対し，以下の理由から妊娠を制限するような指導が行われていた．

①妊娠中はRAの疾患活動性が低下するが，出産後に悪化すること

②多くの抗リウマチ薬が妊婦に対して禁忌扱いであったこと

③高疾患活動性のRA合併妊婦は妊娠合併症（妊娠高血圧症候群など）のリスクが高く，出生児も子宮内発育不全・早産低出生体重児などのリスクが高くなること

④通常，妊娠中はRAの疾患活動性が低下するが，高疾患活動性のまま妊娠すると妊娠中の改善率が低下すること

⑤生物学的製剤がない時代は低疾患活動性・寛解の維持が困難な症例が多かったこと

また，高疾患活動性のRA患者では妊孕性自体が低下することが知られている^1）．

しかし，2018年に厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業（難治性疾患政策研究事業）「関節リウマチ（RA）や炎症性腸疾患（IBD）罹患女性患者の妊娠，出産を考えた治療指針の作成」研究班より，『全身性エリテマトーデス（SLE），関節リウマチ（RA），若年性特発性関節炎（JIA）や炎症性腸疾患（IBD）罹患女性患者の妊娠，出産を考えた治療指針』^2）が発刊されると，その内容に従って，いくつかの薬剤の添付文書が有益性投与（治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与）に変更された．現在の『関節リウマチ診療ガイドライン2020』には「関節リウマチ治療と妊娠・出産」の項が設けられており，上記に従うかたちで「Q1．生殖年齢女性において抗リウマチ薬はどのように使用するか？」「Q2．男性RA患者のパートナーが妊娠を望む場合，抗リウマチ薬はどのように使用するか？」「Q3．産後の女性において抗リウマチ薬はどのように使用するか」に関して記載されている^1）．

リウマチ患者さんの「困った！」「大丈夫？」に対処する⑦　バイオシミラー（バイオ後続品）は本当に同じ効果？山崎　聡士 74巻3号 , 2023年3月 , pp.422-424

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関節リウマチ（RA）における治療の第一の目標は寛解であり，これを可能にする抗リウマチ薬のなかで，生物学的製剤（bDMARDs）が果たす役割は大きい．一方，その経済的負担は患者自身のみならず，RAの医療経済全体にのしかかっている．バイオシミラー（バイオ後続品）の開発はこうした問題を抱えた時流に沿ったものであり，2022年の欧州リウマチ学会（EULAR）からのリコメンデーションでもその積極的な使用が推奨されている^1）．

バイオシミラーは厚生労働省による「バイオ後続品の品質・安全性・有効性確保のための指針」で定義されている^2）．そのポイントは，次の3点である．

①すでに国内で承認されたバイオ医薬品と同質であること

②同等の効果と安全性を有すること

③バイオ医薬品の特許が失効した後に異なる製造販売業者により開発されること

リウマチ患者さんの「困った！」「大丈夫？」に対処する⑧　手術前後に休薬は必要？松野　博明 74巻3号 , 2023年3月 , pp.425-428

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関節リウマチ（RA）の治療薬には免疫を抑制するはたらきがある．そのため，感染を回避しなければならない周術期には休薬期間を考慮する必要がある．

リウマチ患者さんの「困った！」「大丈夫？」に対処する⑨　痛みやこわばりを軽減する方法は？住友　秀次 74巻3号 , 2023年3月 , pp.430-433

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関節リウマチ（RA）診療の治療目標は，抗リウマチ薬によって疾患活動性をコントロールし，関節変形を予防することである．一方，疼痛は患者にとって極めて不快な症状であり，生活の質を低下させ，社会的コストを増大させるため，適切な疼痛管理は重要である．

RAの発症初期にみられる急性痛は侵害受容性疼痛であり，多くは短期間の鎮痛薬投与と保存的治療で対応する．一方，病状が慢性化するに従い，一部の症例では疼痛が持続して慢性疼痛（3ヵ月以上持続する）に移行し，「侵害受容性疼痛」に加えて，「神経障害性疼痛」「心理社会的疼痛」が混在した状態に進展することがある^1,2）．次にそれぞれの疼痛の特徴と対応を示す（表1）^1）．

リウマチ患者さんの「困った！」「大丈夫？」に対処する⑩　リウマチ治療中でもワクチンは打って大丈夫？中山田　真吾 , 田中　良哉 74巻3号 , 2023年3月 , pp.434-437

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関節リウマチ（RA）患者は健常人と比べて重症感染症のリスクが1.5～2倍高く，感染症がRAの予後を規定する要因となるため，その対策が重要である^1）．一部の感染症はワクチンによる予防が可能であるが，年齢，治療の状況，ワクチンの種類により個別の対応が必要である．本稿では，RA患者に対するワクチン接種の注意点を概説する．

リウマチ患者さんの「困った！」「大丈夫？」に対処する⑪　メトトレキサートを飲み忘れてしまう！平野　亨 74巻3号 , 2023年3月 , pp.438-439

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メトトレキサートは，1週間あたりの投与量（4～16mg/週）を1回または2～4回に分割し，経口投与する．分割する場合は，12時間ごとに1～2日をかけて投与する（表）．週の残りの日は休薬し，毎週このサイクルをくり返す．

全量を1回で投与することも可能であるが，10mg/週以上の場合は分割で投与することが多い．1回あたりの投与量は2mg（1カプセルまたは1錠）から8mg（4カプセルまたは4錠）が多いが，忍容性がよければこれを超える量（最大16mg，8カプセルまたは8錠）となる場合もある．

リウマチ患者さんの「困った！」「大丈夫？」に対処する⑫　禁煙はすべき？喫煙はなぜよくない？井畑　淳 74巻3号 , 2023年3月 , pp.441-443

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外来で患者からしばしば聞かれる質問の一つが，「日常生活で気をつけた方がよいことってありますか？」であり，飲酒についての質問もよくある．しかし，喫煙を継続してよいかどうかについて患者が聞いてくることはほとんどない．この違いはどこから生まれるのだろうか？

思うに，患者たちは喫煙の悪影響をわかっていながら，その習慣性・依存性の強さからやめる気になれず，喫煙によるリスクを無視しているのかもしれない．そうでなければ，喫煙自体のリスクを軽くみている，もしくはリスク自体を十分に知らないのかもしれない．われわれ医療従事者が，関節リウマチ（RA）患者における喫煙のリスク，禁煙のメリットについて十分な知識を得ることは，患者への適切な情報提供につながり，結果として患者自身の意思による選択を可能にする．禁煙継続には本人の意思が最も重要であり，RA患者が禁煙に成功する最もよいタイミングは治療開始時といわれている^1）．また，禁煙できるかどうかには患者の診療に携わる医療者のサポートが大きな影響を及ぼすという報告もあるため，われわれが喫煙のリスク，禁煙の及ぼす効果について知っておくことはとても重要であると考える^1）．

本稿では，喫煙がどの程度RAやその治療に影響を及ぼすのか，いくつかの部分に分けて語ってみたい．

リウマチ患者さんの「困った！」「大丈夫？」に対処する⑬　避けた方がよい生活習慣はある？運動やリハビリは必要？松井　利浩 74巻3号 , 2023年3月 , pp.444-446

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関節リウマチ（RA）治療の4本柱として，「薬物療法」「手術療法」「リハビリテーション療法」，そして「基礎療法」があげられる．RAでは，生活習慣の改善や日常生活の工夫で痛みが軽減し，作業がしやすくなる可能性があるため，「基礎療法」を習得しておく意義は大きい．これは，例えば糖尿病治療で薬物療法だけが大切なのではなく，病気のことをしっかり理解し，食事療法や運動療法なども併せて行うことが重要なのと同様である．また，関節可動域や筋力保持のために，適度な運動やリハビリテーションは重要であり，『関節リウマチ診療ガイドライン2020』でも推奨されている^1）．

リウマチ患者さんの「困った！」「大丈夫？」に対処する⑭　口腔ケアと関節リウマチの関係は？舟久保　ゆう 74巻3号 , 2023年3月 , pp.447-449

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関節リウマチ（RA）の患者は歯周病罹患率が高く，近年ではRAと歯周病がともに慢性炎症と骨破壊を来す類似した病態をもつことや，共通の発症リスク要因があること，歯周病原細菌がRAの発症や増悪に関与していることなど，RAと歯周病の関連を示唆するエビデンスが増えつつある．

本稿では，RAと歯周病の関連，口腔ケアと歯周病治療がRAの疾患活動性に及ぼす影響，RA患者における口腔ケアの重要性について解説する．

リウマチ患者さんの「困った！」「大丈夫？」に対処する⑮　食事で気をつけることはありますか？松井　利浩 74巻3号 , 2023年3月 , pp.450-451

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関節リウマチ（RA）において，病気をよくしたり，悪化させたりする効果が確立された食材はない．しかし，病気の特徴や合併症などを考慮した場合，食事に関する知識は身につけておくべきである．使用する薬剤によっては摂取を控えなければならない食材もあるため，十分な理解が必要である．

Exercise　−関節リウマチ− 大井　一弥 74巻3号 , 2023年3月 , pp.452-453

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連載

えびさんぽ（第15回）　関節リウマチに対してJAK阻害薬は効果がありますか？青島　周一 74巻3号 , 2023年3月 , pp.342-344,454-455

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くすりのかたち外伝わかる！使える！まいにち薬会話（第15回）　「血中濃度が上がります」（前編）浅井　考介 , 柴田　奈央 74巻3号 , 2023年3月 , pp.456-463

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飲み合わせ研究所　子どもの服薬Tips（第03回）　アストミン^®散10% 小嶋　純 , 米子　真記 74巻3号 , 2023年3月 , pp.464-465

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現場で働く薬剤師のための　臨床薬学研究のオモテ・ウラ（第15回）　患者の訴えを研究に導くオモテ・ウラ大井　一弥 74巻3号 , 2023年3月 , pp.466-469

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Gebaita?! 薬剤師の語ログ（第15回）　在宅は…，お好きですか？大西　伸幸 74巻3号 , 2023年3月 , pp.470-473

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腫瘍薬学ハイライト胆道がんの薬物治療の進歩川西　正祐 74巻3号 , 2023年3月 , pp.474-475

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胆管がんは胆管の上皮から発生する悪性腫瘍である．胆管がんが発生した部位が肝臓内であれば，肝内胆管がん（胆管細胞がん）となり，肝臓の外であれば，肝外胆管がんとなる．胆管がん，胆嚢がん，十二指腸乳頭部がんを合わせて胆道がんに分類されている．胆道がんの代表的な症状として，閉塞性黄疸がある．胆管が閉塞することにより，胆汁が腸管に排出されなくなると，白色便になる．初期の段階では自覚症状が少ないが，進行により右上腹部痛，体重減少などが出現する．

薬剤師力の型―新たな思考と行動プランを手に入れろ！（拾伍ノ型）　今の情報だけに惑わされるな！佐脇　久美 , 佐藤　史織 74巻3号 , 2023年3月 , pp.476-483

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事例

「薬物相互作用の可能性は除外していいですか？」

書評

できる薬剤師はバイタルサインをどうみるか平井　みどり 74巻3号 , 2023年3月 , pp.379-379

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誰も教えてくれなかった実践薬学管理石井　伊都子 74巻3号 , 2023年3月 , pp.437-437

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Report

薬剤師による地域活動　─医療過疎地における薬局薬剤師の役割─ 橋本　貴尚 74巻3号 , 2023年3月 , pp.484-485

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はじめに

2022年10月，東北大学大学院社会薬学マネジメント寄附講座主催「第8回社会薬学マネジメントセミナー」が開催され，「薬剤師による地域活動」というテーマで講演を行った．筆者は，病院薬剤師として9年勤めたあと，地域の薬局で働いている．これまで，医療現場の課題や問題点を検証し発信する活動を続けてきた．その取り組みを本セミナーで報告したのでその概要を紹介する．

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目次 74巻3号 , 2023年3月 , pp.338-340

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バックナンバーのご案内 74巻3号 , 2023年3月 , pp.345-345

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年間購読・書籍申込書/ご送付先内容変更届 74巻3号 , 2023年3月 , pp.487-487

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奥付／次号予告 74巻3号 , 2023年3月 , pp.488-488

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基本情報

薬局
74巻3号
(2023年3月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：0044-0035 南山堂

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第4位骨粗鬆症治療の長期戦略と各種治療薬の位置づけ竹内靖博薬局 71巻 11号 pp. 3257-3264 (2020年10月5日) 南山堂
第5位小児･妊婦におけるβ遮断薬　いつ･どの患者に･どう使う?留意点は?　小児におけるβ遮断薬の考え方と使い方村上卓,堀米仁志薬局 71巻 9号 pp. 2974-2979 (2020年8月5日) 南山堂
第6位「全（ZEN）か無（MU）か」じゃないんだよ薬物相互作用（最終回）　アメナメビル関連薬物相互作用平井利典,児島悠史薬局 76巻 6号 pp. 980-987 (2025年5月5日) 南山堂
第7位タイパUP！誰も教えてくれなかった臨床業務の段取りお手本ファイル（File 02）　緊急入院時の腎機能評価に基づく持参薬評価浦田元樹,寺沢匡史薬局 76巻 6号 pp. 996-1002 (2025年5月5日) 南山堂
第8位徹底解説!治療薬を使いこなす"知識"と"ノウハウ"　ビスホスホネート井上玲子,井上大輔薬局 71巻 11号 pp. 3278-3282 (2020年10月5日) 南山堂
第9位聞きたい！スペシャリストの本音─GIP/GLP-1受容体作動薬の可能性と課題②　肥満症専門医の視点から田中智洋薬局 76巻 5号 pp. 791-795 (2025年4月5日) 南山堂
第10位 83 ショック　臓器灌流と酸素の需給バランス西田祥啓薬局 74巻 4号 pp. 782-783 (2023年3月31日) 南山堂

薬局 74巻3号 (2023年3月発行)

特集 ここが変わった！ 関節リウマチの治療

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